雇用保険制度はどんな制度?
たとえば、なんらかの理由で会社を辞めることになったら、みなさんはどうしますか? おそらく多くの人が新しい職に就くために求職活動を行うと思います。また子育てや家族の介護が必要になった場合は、一時的に会社を休まなければなりません。
しかし、退職や休職をしてしまうと当然ながら収入がゼロになってしまいます。家のローンやアパートの家賃、日々の生活費などは仕事をしていなくても必要なので、たとえその期間が数ヶ月間であっても、貯蓄はみるみるうちに減ってしまうことでしょう。これでは金銭面の不安が大きく、就職活動や子育てどころではなくなってしまいます。
雇用保険制度は、このような金銭面の不安を軽減してくれる制度です。雇用保険に加入していれば失業や休業状態となっても、再就職や復帰するまでの一定期間、お金を受け取ることができます。失業や求職中の金銭面の不安を軽減し、就職活動や子育て、介護などに専念することができます。
雇用保険の給付金の種類
主な雇用保険の給付金は以下の通りです。
・求職者給付
雇用保険に加入している人が失業した際、求職活動期間の生活を安定させるために支払われる給付金のことで、いわゆる失業給付金に該当します。
基本手当とされる支給金額や期間は、在職中の給料の額や在職期間によって変化しますが、高い給料ほどもらえる金額は高額になり、働いている期間が長いほど、給付期間が長くなります。
しかし、給付金をもらうには「働く意思」が必要であるため、給付期間中遊んで暮らすことはできません。しっかりと求職活動をすることが給付金をもらうための条件です。
そのほかにも、ケガや病気で働けない場合の傷病手当、職業訓練などを受けた場合に支払われる技能習得手当、定年退職した65歳以上の高齢者に基本手当の代わりとして支払う高年齢求職者給付金などがあります。
・就業促進給付
就業促進給付は、就職先が決まった際に雇用保険から支払われる「就職お祝い金」のようなものです。再就職するケースによって「再就職手当」「就業促進定着手当」「就業手当」「常用就職支度手当」の4つにわかれます。
一般的には失業給付の期間がのこっているのに、早く就職した場合などに支払われますが、さまざまな条件がそろわないと受け取ることができません。自分はどのケースに該当するのかハローワークで確認してみるとよいでしょう。
・教育訓練給付
たとえば、失業中にスキルアップをするために、厚生労働大臣の指定する教育訓練を受講し修了した場合、その教育訓練にかかった費用の一部を雇用保険から給付してもらえる制度です。
給付率はかかった費用の20%で、上限は10万円までです。通学のスクールのほか、通信講座でも認可されているものであれば対象です。
・雇用継続給付
高年齢者や育児休業者の雇用継続の支援が目的の給付制度です。高齢化とともに賃金が低下した際に補われる「高年齢雇用継続給付」や、育児休業期間中に一定の金額が支給される「育児休業給付」、家族を介護するために休業をした場合に支払われる「介護休業給付」などがあります。
いかがですか。雇用保険の給付金はさまざまな種類がありますので、きちんとその内容を把握し、自分に当てはまるものがあれば漏れなく申請しましょう。