タクシーの給料を考えるときに使われる「平均営収」
タクシーの給料は歩合制です。
ですから、転職する際に「いくら稼ぐことができるのかわからない」という不安がつきまといます。
そこでよく説明に使われるのが都内の平均営業収入(営収といいます)です。
2013年9月現在で東京特別区は47,000円、東京都の特別区外エリアで44,000円との数字が出されています。
これはあくまで平均です。平均ということは、100,000円を超える営収の人も居れば、ひどい人になると730円や2,000~3,000円で会社に戻ってくる方もいるとか。
そういった方々全てをひっくるめた平均なので、タクシー会社の方に言わせると「あくまでめやす」とのこと。また、まじめに働いている方と、まったく走らず休んでばかりいる人との差が激しくなってきており、両者の平均値はまったく異なるのだそう。
具体的に計算してみよう
タクシーの最もオーソドックスな勤務形態「隔日勤務」はだいたい18時間実働+3時間休憩で月間12乗務が基本。 そしてワンメーター(730円)の利用客の乗車時間を5分と考えると下記のような計算ができます。
1日あたりの営業収入(目標) | 73,000円 | 60,000円 | 50,000円 | 40,000円 |
---|---|---|---|---|
月間の総売上 1日あたりの営業収入×12乗務 |
876,000円 | 720,000円 | 600,000円 | 480,000円 |
おおよそのお給料 1日あたりの営業収入×12乗務×60% |
525,600円 | 432,000円 | 360,000円 | 288,000円 |
1日あたりの営業回数 1日あたりで乗せなければならないお客様の数 |
100回 | 82回 | 68回 | 55回 |
1時間あたりの営業回数 目標に対して1時間で乗せなければならないお客様の数(実働の18時間) |
約5.56回 | 約4.57回 | 約3.81回 | 約3.04回 |
1時間あたりの実車時間 目標に対して1時間あたりにお客様を乗せている時間 |
28分 | 23分 | 19分 | 15分 |
1時間あたりの営収 目標に対して1時間あたりに目指す売上 |
約4,056円 | 約3,333円 | 約2,778円 | 約2,222円 |
この表は、すべての営業がワンメーターだった場合の計算結果となりますが、すべてのお客さんがワンメーターで利用することは実際にはありえないので、もしこの回数をこなすことができたなら、必ず1,000円、2,000円のお客様が出てきます。 そのプラス分が売上に乗ってくることになりますし、逆に言えば目標営収を達成するための営業回数も減ることになります。
ここで一番大切なことは、ワンメーターで目標を計算しておけば、安定した収入を目指すことができるということです。
そうは言ってもそんな営業回数、こなせるの??
ここが売上を上げている人、そうでない人の分かれ目です。
「まじめにやる」というのは、つまりは「営業回数をなるべく上げる」こと。駅に付けて時間を浪費したり、どこかに車を止めて寝たりサボったりしていたら営収が上がらないのは当然のことなんです。
もちろん、営業回数を上げるために努力は必要ですし、適当にやっていてできることではありません。
しかし、「タクシーは、長い距離のお客さんを拾わないと稼げないギャンブル的な仕事」ではない事がおわかりいただけたかと思います。
そしてあるタクシー会社の所長さんがおっしゃっていました。
「私がこのやり方で60,000円を売り上げていたのだから、あなたにだって50,000円はできるはずだ」と。
営業回数さえしっかりやっていれば売上を上げることはできるのです。