タクシーと普通車を見分けるのには会社名が表示された行灯があります。行灯にはいったいどんな意味があるのでしょうか。タクシーに欠かせない行灯について詳しくご紹介します。
タクシーに行灯が付いているのには理由がある?
タクシーには車体の上に会社名や個人と表示した「社名表示灯」(行灯)が付いています。これにはきちんとした理由が存在し、タクシー業界では長年使われてるものです。そこで、これからタクシー業界に就職しようとしている人やまだ駆け出しの方にも分かる、行灯の意味をご紹介していきます。
防犯上の意味
タクシーが行灯を付けている意味には、まず防犯上の役目があります。
終戦後にタクシー強盗が頻繁に起きていたころ、乗務員を守るためにできたのが赤く点滅する防犯灯がつけられたことが始まりです。
現在でも運転手を強盗などの被害から身を守る為に存在しています。行灯が赤色に点灯すると「SOS」のサインとなります。
飲食店でもレジの側にお客様が座ることは稀ですが、タクシーの車内にはお金を常に置いています。しかも、乗ってくるお客様はどんな方かわかりません。
さらに運転手は前方を向いているので、後方のお客様に目が行き届きません。この無防備な状態で、何かあった時に誰かに非常事態を知らせる役割があるのです。運転手の安全を確保するためにも必要なものといえます。
一般車両との区別しながら違法タクシーを防ぐ
タクシーは人の命を預かる仕事ですから、誰でもできる仕事ではありません。タクシー運転手に第二種運転免許が必要なのは、国によって定められています。
そして、タクシー事業も許可された会社しかできないことになっています。
許可されたタクシーと分かるように行灯は装着しなければならず、一般車両が無許可で営業を始めてしまわないようにしているのです。
また、タクシーを見てみると、多くが普通の乗用車とは違う車体をして、すぐに「タクシーが来た」と分かるようになっています。しかし、タクシーに使われる車種も変化し、最近では一般車と同じ車体を使っているところもあります。
タクシーと一般車を区別して、タクシーの利用者に分ってもらいやすくするためにも、タクシーの上には車体上に行灯が付いているのです。
また、行灯を見ただけでどこの会社なのか、個人タクシーなのかもわかるようになっており、利用者がタクシーを選ぶ際にも役立っています。
乗車中や空車の意味
地方など流しのタクシーが少ない地域では、駅前などの人が密集する場所以外、タクシー会社に連絡して現地まで来てもらうことが多くあります。しかし、都会では走行中のタクシーに対し、手を挙げて停まってもらうケースも多くあります。
このようなとき、ある程度速度が出ているタクシーに対して、乗車中か空車か遠くからはすぐに判断しにくいでしょう。一般的にタクシーは、お客様が乗車中は行灯を消灯し、空車時は点灯するという配慮をしています。
昼はあまり分かりませんが、夜はお客様から空車のタクシーが来たとすぐに分かります。早くから手を挙げて乗車の意思を示せれば、運転手もお客様を見逃しにくくなるのです。