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タクシー業界に「追い風」!コロナ水際対策大幅緩和でインバウンド復活へ!

タクシー業界に「追い風」!コロナ水際対策大幅緩和でインバウンド復活へ!

秋なのに春めいた画像で大変失礼しました。

というのも、これには訳がありまして…タクシー業界だけでなく、環境業界にとってはようやく“長いトンネル”を抜ける時がやってきました。

当タクシーメディアでも幾度と書かせていただいた「コロナ禍収束後の見解」ですが、やっと実を結ぶ時が来たといっても過言ではありません。

タクシー業界に「追い風」!コロナ水際対策大幅緩和でインバウンド復活へ!

2022年10月11日をもって日本政府は新型コロナウイルス感染拡大における「水際対策」を大幅に緩和しました。
これにより、2020年の春から続くコロナ禍によって途絶えていた外国人観光客が大勢訪れる事が予想され、インバウンド復活が期待されます。

そのため長らく停滞を強いられてきた全国のタクシー業界にとっては願ってもない「追い風」が吹く事必須となります。

日本経済底上げの起爆剤に

日本は世界最大級の観光大国でもあり、多くの観光資源でインバウンド需要が発生し経済を活性化してきました。
しかしながら2020年に発生した新型コロナウイルス感染拡大における世界的パンデミックによって頼みの綱はいとも簡単に切れてしまったのです。

東京オリンピックパラリンピックも一年遅れで開催にこぎつけたものの、無観客開催や多くの課題を昨今まで残しているのは記憶に新しいところだと思います。

世界各地で収束の波はある中で、日本国内も感染者数は減少傾向にあり、今回の水際対策の緩和に踏み切りました。日本経済の底上げが期待されます。

2025年までに集中的な取り組み

また、日本政府は今回新型コロナウイルスによって急激に落ち込んでしまったインバウンド消費を回復するため「2025年をターゲットに我が国の観光を持続可能な形で復活させるための新しい観光立国推進基本計画」を本年度末までに策定することを決定しました。

これは水際対策が緩和された10月11日に岸田総理大臣が発表したもので、現時点で明らかになっている詳細は以下の通りです。

観光施設のリニューアルを支援
・特別な体験を提供する
…など

現時点ですとまだ少々朧気な部分も否めませんが、今後国内では「関西万博」を筆頭に世界的な国際スポーツイベントや行事が目白押しです。

それら近隣の観光施設に付加価値をつけることによって、外国人観光客の消費額を向上し、日本へのリピーターを増やしていくことこそが経済の活性化、復活という考えです。

なお、岸田首相は外国人観光客の年間消費額について「5兆円超を速やかに目指す」と表明しています。

タクシーのみならず観光業界全体にも

25個の世界遺産、サブカルチャーの宝庫、身も心も癒す観光地…国内には多くの観光資源が広がっています。

タクシーは都心部で活躍するオフィス街の移動手段だけではありません。
郊外に赴けばもちろん、近隣住民の手となり足となり様々なシーンで活躍しますが、観光名所への送迎も例外ではありません。

空港までの送迎もそうですが、タクシーを利用される多くのお客様が目的をもって乗車されますが、その目的の要な部分が失われていたと言っても過言ではないこの2年間だったと思います。

そのためタクシー業界のみならず、観光業界全体がこの水際対策緩和には並々ならぬ期待を寄せています。
タクシーを利用するためには目的地がないことにはお客様も乗車してくれませんよね。
ホテルが満室なら…観光地が賑わうのなら…最寄り駅が賑わうえば…公共交通機関も必然的に賑わいを見せることは間違いないでしょう。

もちろん、飲食業界とて同じです。

円安も拍車

日本経済にとって幸か不幸か、インフレが発生している最中でこの『円安』がインバウンド需要に大車輪の如く拍車をかけています。

面白いことに外国人観光客にとってはこの円安こそ訪日観光最大のメリットなのです。

19日のニューヨーク外国為替市場で円安ドル高が進み、一時1ドル=149円91銭を付けた。バブル景気終盤の1990年8月以来32年ぶりの安値を更新し、節目の150円に迫った。米長期金利の上昇で、資産運用に不利な円を売ってドルを買う動きが優勢となった。
【10月19日付:ニューヨーク共同通信より一部抜粋】

自国の為替ルートは高いのに円に換金したら安いのですから、そりゃ買い物もしますよね。
我々が海外に行って日本で買いたかったものが、日本国内より全然安かったら飛びつくのと同じです。

日本行きの国際線予約殺到

航空会社各社によると、今回の水際対策緩和発表後に海外から日本に向かう国際線の予約が殺到しているとのことです。

コロナ水際対策緩和だけではなく、大幅な円安の影響もあり訪日旅行のお得感の機運が高まっていることの現れではないでしょうか。

ホテル、旅行会社といった観光業界はもちろん外食産業や百貨店、そして鉄道、バス、タクシーなどの交通業界と幅広い業種に影響が表れるのではないかと各社期待を膨らませています。

円安加速!タクシー業界に及ぼす影響は?

タクシーへの影響

タクシー業界にとってはようやく長い冬から抜ける時がきたのかもしれません。

振り返ってみますと2020年の4月、コロナ禍での第一回目の緊急事態宣言時は休車、休業、そして場所によっては廃業をやむを得ないタクシー事業者もありました。

そんな状況下でもタクシー業界や各事業者では様々な時代のニーズに合わせたサービスを、手探りの中でも融合することによって、営業収入だけでなく、感染対策を手艇的に講じることで接客業本来の「信頼」というものを得て行ったのではないでしょうか。

アクリル板やキャッシュレス決済、タクシー配車アプリの普及、タクシードライバーの感染対策、デリバリー配達など、それらはタクシー業界に今まであった「常識」を打ち破り、ニューノーマルな時代へ突入するための挑戦、準備だったと考えれば少々強引かもわかりませんが辻褄が合うようにも思えてなりません。

タクシー都内初乗り運賃11月から値上げ開始へ。

東京都内が営収復活

コロナ禍で以前に比べ大きく営収(営業収入)が落ちてしまったのが東京首都圏。

タクシー業界では東京23区・武蔵野市・三鷹市を『東京特別区武三交通圏』と一括りの営業エリアとしております。コロナ前は全国平均ダントツトップだったのですが、在宅ワークや緊急事態宣言、蔓延防止防止等重点措置など様々な要因が重なりこの2年でタクシー需要が大幅に減少していました。

しかし感染者の減少や各規制の緩和などによって徐々に都心部にも感染対策は講じつつも賑わいを取り戻していき、それと同じようにタクシーへの利用者数も再び増加しています。

現在では東京都区内のタクシー営収は、なんとコロナ前の2019年を上回っています。

東京都区内タクシー日車営収がコロナ前を上回る!

3県は地域特性の地盤が強い

インバウンドでの爆発的効果に期待を込める一方、一都三県は様々な地域特性があります。
いわゆる「ベッドタウン」の要素を持つため、地域のお客様利用が多い地区ですが、今後水際対策緩和によってどうなっていくのでしょうか。

東京首都圏はご存じの通りですが、千葉県は東京からもほど近い場所に太平洋に面した大自然や温暖な土地を活かした観光資源が広がっています。何より空の玄関口である成田空港もあるのも強みかもしれません。

埼玉県内も東京に隣接し大型イベント施設や秩父・川越といった国内外でも人気の観光スポットがあり、いずれも都心から公共交通機関でダイレクトにアクセスできる強みがあります。

コロナ禍でも営業収入がトップレベルに高かった神奈川県も横浜市中心をはじめ、鎌倉・箱根など有数の国際観光都市として、本来はオールシーズンでインバウンド需要が絶えない場所です。

いずれも地元のタクシー会社並びにタクシードライバーの営業にとって、水際対策緩和はプラスに働くことは間違いないでしょう。

神奈川県でタクシー運転手になっても問題なし! その理由と他県との違いを解説[2022年7月26日更新]

タクシードライバー密着の報道も

先般、夕方の民放ニュースではタクシードライバー密着のニュースも放映されていました。

インバウンド需要拡大に向け、タクシー業界も再び色めき立つ中で奮闘する外国人タクシードライバーさんの特集の様子です。

研修の一部始終や、外国人観光客が大挙として押し寄せた際、外国人タクシードライバーは大事な戦力となることを伝えています。

実は東京都内では以前から外国人タクシードライバーも活躍しており、きめ細やかな対応がお客様より定評です。
日の丸交通(東京都文京区)では27か国、70人以上の外国人タクシードライバーが在籍しています。

2021年度タクシー利用者モニター調査発表。評価上昇傾向!

『コロナ収束』を見越し採用強化していた会社も

タクシー業界はタクシードライバーの積極採用を行う会社が多く存在しますが、コロナ禍においてはなかなかそうも行かない状況や、或いは条件面などを極力削り、コストダウンを図ってきたのが現状です。

しかしながら、歴史上に残るこの未曾有の事態でも、この先を読まないことには進みません。
収束後に訪れるインバウンドの爆発的な需要に備えるために、コロナ禍においても積極採用を行ってきた会社も多くあります。

その一つが第一交通でしょう。当時ニュースにもなり、全国規模の第一交通営業所にてコロナ後を見据え約2000人のタクシードライバーの積極採用を行っております。

第一交通がコロナ後見据えドライバー2000人増員へ

配車アプリはタクシーを変えた

東京都内の営業収入復活の極めつけは「タクシー配車アプリの普及」と言っても過言ではありません。

コロナ前にも当然存在はしていましたが、流し営業が大幅に減少したため、返って「事前決済」「見える化」「ドアツードア」といった優位点でタクシー配車アプリの安全性が謳われるようになり、CM効果もあって現在ではタクシーアプリ経由の配車が大きなウエイト占めています。

雨の日は濡れずに済み、車内には乗るだけで事前決済も可能。タクシードライバーに評価点が付けられるのでタクシードライバーの接客向上にも繋がる…まさに「あったらいいな」を具現化したアプリです。

国内最大手配車アプリ「GO」

タクシー配車アプリの国内最大手、つまり代表格と言っても過言ではないのが「GO」です。

東京都を中心に神奈川県・埼玉県・千葉県の首都圏一都三県を筆頭に勢力図を月を追うごとに増しており、ネットワークを広げた地域は軒並み配車率がアップするといった現象が発生し、経済活性化に一役も二役も買っている利便性抜群のアプリです。

また、昨今ではコマーシャルの効果や街頭での広告宣伝の効果も大きく「GO」の認知度はスマホユーザーの中でも広く知れ渡るようになり、ダウンロード数も1,000万件を超えています。

タクシー最大手「GO」東京都内の加盟会社一覧(3月25日付)

東南アジア最大級配車アプリとの連携も

タクシー配車アプリ「GO」では、海外ユーザーからの需要拡大や、邦人の海外旅行時に利便性の向上を目的とする観点から東南アジア最大級の配車アプリ「Grab」との連携を2022年7月より開始。

これによって東南アジアのシンガポール・マレーシア・フィリピン3か国から訪れる観光客の皆さまは日本国内で「GO」を展開できることから、今後のインバウンド需要復活によって大いに活躍が広がることは間違いなさそうです。

タクシーアプリ「GO」が東南アジア「Grab」と初の海外連携

ビジネスシーンや都心に強い配車アプリ「S.RIDE」

東京首都圏を中心に展開するタクシー配車「S.RIDE」は操作性が容易でスピーディーに配車予約ができることが評判を呼んでいるアプリです。

東京特別区では2021年4月1日より東京無線協同組合が業務提携開始した『チェッカーキャブ』を筆頭に『グリーンキャブ』、『寿交通』、『大和自動車交通』、『平和交通(羽田営業所)』など多くの大手系タクシー事業者がS.RIDEに参画しております。

ニーズは選びませんが、特にビジネスシーンや都心に強い活躍の印象があります。

タクシー配車アプリS.RIDEが最高配車件数を4か月連続更新!

クーポン充実!最先端テクノロジー配車アプリ「DiDi」

DiDiは、中国の「滴滴出行」社が運営する世界最大手のライドシェアサービスを展開する企業です。

日本ではソフトバンク社が50%出資を行い「DiDiモビリティジャパン」の法人名で運営しており、スマートフォンのアプリからタクシーの配車依頼ができる「タクシー配車専用アプリ」として2018年に関西エリアのサービス展開を開始。現在では全国各地で利用が可能になっております。

外資系アプリだけあって訪日観光客のシェアはUberと同様多く、事前決済を登録しておくことが可能なのもメリットです。(各種クレジットカード払い、PayPay決済、現金払いが可能)インバウンド需要には強いアプリと言えましょう。

また、随時クーポンキャンペーンを行っており、配車アプリをダウンロードするだけでなく、お友達紹介や都度乗車するだけでも都度お得なクーポンキャンペーンを実施しておりますので、是非チェックしてみてくださいね。(一部地域を除く)

DiDiタクシーの予約方法は?利用するメリットや迎車料金についてもご紹介。

課題もあるが

インバウンド需要で外国人観光客の増加、そしてお客様も戻り、コロナ前の営収を上回り始めた東京都内のタクシー業界ですが、まだまだ課題もあります。

その一つが「円安」の影響です。
円安の影響は以前にも話した通り『燃料費上昇』と『石油高騰』のダブルパンチというデメリットもあります。もっと言えば11月から東京特別区武三地区では運賃も値上がりします(トリプルパンチかもしれません…。)
他県も続々と運賃の値上げを敢行しており、タクシー業界全体でこの荒波に立ち向かわなければなりません。

確かに「円安」の恩恵はインバウンド需要で計り知れないものを与えるかもしれませんが、地域による格差を生じる可能性はあります。そしてまだまだコロナ禍の影響による問題は各営業所、タクシードライバーの営収に影響が出ていない訳ではありません。

しかしながら大きな階段を上ることができたのは間違いないでしょう。
今後タクシードライバーの需要が急激に増え、転職への選択肢としても今まで以上にクローズアップされることは、国内の観光・交通需要・そして経済の活性化に繋がると言っても過言ではありません。

タクシードライバーというお仕事は、それだけ国の根幹を形成する重要な役割として時代毎に担っているのです。

これから~Opinion~

タクシー業界がこの2年間で感染対策やアプリ配車など強みを増したことにより、今後新たにハイクオリティな業種として君臨していく絶好の機会になるのではないでしょうか。

かつてバブル経済の頃の日本は、手を挙げて一万円札を掲げるお客様さえ捕まえれば仕事が成立するようなタクシードライバーが大勢いました。しかしながらご存じの通りバブルが弾けて平成不況の時代に突入した際、そういったタクシードライバーは淘汰されました。

不況の時代を生き残り、常に稼ぎ続けるベテランタクシードライバーさんは当時を振り返り現在の営業方法を「不況の時、何もできなかった訳じゃない。当時から“何処に行けばお客様が居るか”、“タクシーを必要としている方はどんな場所に居る?”、“時間帯の掌握”など、耐えてしっかりと営業を行っていた教訓があるから、今も営業ができている。」と誇らしげに語ります。

不況とパンデミックは似て非なるものですが、やはり「冬の時代をどう過ごすか」によって「春の動きは変わる」のではないでしょうか。準備はできているといないでは大違いです。
2020年以前のタクシー業界はこんな合言葉が蔓延っていたのを覚えていますでしょうか?
『おもてなしの精神でお客様をお迎えしましょう』。

感染対策に目が行ってしまっていましたが、これからはこの言葉を思い出して、同時進行で再度質の高いタクシー業界を構築して行ってほしいと思います。

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