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意外と知らないタクシーの保険について考えてみよう【2020年10月更新】

意外と知らないタクシーの保険について考えてみよう【2020年10月更新】

タクシー運転手は一般車両より運転時間が長い分、それだけ事故に合う確率が上がります。それだけ、保険やお金の話は気になりますよね。義務化されている任意保険や、タクシーに向いている保険などもご紹介していきます。

この記事は2020年10月に更新されました。
・万が一の事故でも安心のタクシー会社例について(2020年10月)

タクシーの運転手は任意保険の加入が必須

タクシーのように客を乗せて営業するには自賠責保険だけでなく、必ず任意保険にも加入しなければいけません。

かつてはコストの面から、あえて加入しないタクシー会社も存在しました。台数分加入すると莫大な費用がかかり、1件ずつ賠償金を支払った方が安価に済ませられるからです。

けれども、2005年(平成17年)4月に義務化されてからは、未加入だと国土交通省の営業許可が下りないようになっています(旅客自動車運送事業運輸規則第19条の2)。

国土交通省が定めた任意保険の条件は、対人賠償で8,000万円以上、対物賠償で200万円以上(免責30万円以下)です。

タクシー会社に所属していれば、乗務員はあらかじめ決められた共済か保険会社の任意保険に加入します。

手続きのほとんどは会社が進めてくれるので、用意された書類に記入するくらいです。個人タクシーでも協同組合に加入してれば、同様に協同組合が手続きを進めてくれます。

タクシー向け自動車保険の特徴

自動車の任意保険には個人用と一般用があり、タクシーの運転手が加入するのは、ほとんどが一般用です。

個人用でも加入できますが、業務目的にすると、保険料が最も安い日常・レジャー目的の3倍以上になります。補償は手厚いですが、国土交通省の条件に比べると過剰すぎるかもしれません。

一般用の任意保険は、目的に応じて補償内容を自由にカスタマイズできます。また個人用よりも、事業者向けの特約が充実しています。

事故処理における示談の交渉力も見逃せません。少ない保険料で必要な補償を確保し、無駄な保険金を発生させないように工夫されています。

タクシーの事故処理と保険の適用範囲

もし単独事故を起こした場合は、乗客の請求に応じて、自賠責保険と任意保険の対人賠償から治療費や賠償金を支払います。

人身事故を起こした場合も、同様に被害者からの請求に応じて支払います。壁や電柱を壊すと任意保険の対物賠償から支払いますが、免責の範囲内であればタクシー会社や運転手の自己負担です。

車両保険も未加入であれば、車の修理費まで負担しなければいけません。

車対車など相手がいる事故なら、過失割合に応じて双方の自賠責保険と任意保険の対人賠償から乗客へ支払い、過失割合の多い方から少ない方へ、車の対物賠償が支払われます。

それを超過した車の修理代は、車両保険に未加入であれば自己負担です。基本的にこれらの事故処理における示談交渉は保険会社の専任スタッフが行います。

ただし、運転手が100%被害者である場合(乗客がいない時に追突されるなど)や、被害額が免責の範囲内であれば、タクシー会社の事故処理係が対応しなければいけません。

個人タクシーのように自ら対応しなければいけない場合は、弁護士費用を補償してくれる特約をつけておくと安心です。

万が一の事故でも安心のタクシー会社例

実際に事故を起こしてしまった場合、内容によってはタクシー会社や運転手の自己負担となるケースがある事がわかりました。

基本的に、タクシー会社に所属している場合は会社がほとんど負担してくれますが、無事故手当を設けている会社であれば無事故手当の対象外となったりします。会社により詳細は異なるものの、結果的に一部分が自己負担になってしまう事があるので注意しましょう。

しかし、一部の会社では事故を起こしてもペナルティなどが無いタクシー会社も存在しています。実際の求人例を見てみましょう。

本人負担が無い例:栄光交通株式会社(東京都足立区)

【事故・お支払い手数料は会社負担】
万が一の事故も、各費用全て会社が負担!お客様お支払い時の各手数料も会社負担!売上に応じた給与をキチンと支給致します!

栄光交通では、万が一の事故でも本人の負担が無い保障システムを導入しているので、事故について不安な方は検討しても良いでしょう。

原則的に本人負担が無い例:弥生交通株式会社(東京都中野区)

▼事故時乗務員負担なし(規定あり)▼
弥生交通では、万が一の事故の際も乗務員負担がありません!(規定あり)

弥生交通では、原則的本人の負担が無いものの規定ありと明記しています。過失割合が10対0などの場合には、例外的に本人の負担が発生する場合がある事に注意が必要です。

無事故手当が無くなる例:京王自動車城西株式会社(東京都杉並区)

京王自動車は、装備品や手数料等、乗務員の個人負担はありません。
有料道路利用料の会社負担制度もありますのでご安心ください!
もちろん、万一の交通事故でも、修理費用・賠償費用の負担はありません!

京王自動車では、万一の交通事故でも本人の負担がありません。ですが、無事故手当があるので事故を起こした際は手当の対象外となってしまうので注意が必要です。

まとめ

タクシーの保険についての詳細と、実際の求人例を参考に詳しく解説しました。どんなに気を付けていても、ちょっとしたミスから事故は起こしてしまうものです。

しかし、保険があるから安心…と考えるのではなく、万が一でも事故を起こさないよう様に、細かい事にも気を配る事が「無事故・無違反」の近道かもしれませんね。

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