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タクシー『第一交通』創業者が私財で中小企業支援の基金設立
国内最大手タクシー事業者「第一交通産業(本社:福岡県北九州市)」の創業者、黒土始氏はこの度、中小企業支援基『一般財団法人第一交通産業創業者黒土始基金』を設立しました。
地域の中小企業などを支援し、経済の発展を繋げ、タクシー事業の展開拡大と普及の狙いがあります。
拠出金は「私財2億円」
今回の『中小企業支援基』ですが、なんと財源は創業者である黒土氏の私財「2億円」が拠出金となります。
黒土氏は中小企業の支援には積極的で「地域の細やかなニーズに応え、経済成長の発展になくてはならない」と話しております。
無論これは第一交通産業の営業の要であるタクシー事業にもリンクされる事案であることは容易に想像がつくでしょう。
設立の経緯
黒土氏が設立した中小企業支援基金の設立の経緯ですが、主に『地域経済の発展』や『地域福祉の向上に貢献』する全国の中小企業、そして零細企業などの団体を表彰。
それに加えて個人を表彰することにより、各々の活動を支援したいとのことです。
詳細について
中小企業支援基金の詳細は、『毎年、支援基金の内容に該当する3つの団体及び個人を選定し、賞金100万円を贈呈するというものです。
なお、今後表彰の結果は、毎年8月にホームページで公表される予定とのことです。
黒土始氏とは?
タクシー業界の中でも異彩を放ち、かつ大手企業の『第一交通産業』だからこそ成せる財団法人を立ち上げ、社会福祉や発展に貢献していくことを具現化という大いに意義高い今回のニュース。
その中心にいる方こそ、第一交通産業の創業者『黒土始(くろつち はじめ)』氏です。
日本のタクシー業界の発展に大きく寄与し、激動の時代を見つめて生きた“交通業界の生き証人”とは、どのような人物なのでしょうか?
国内最大手タクシー「第一交通産業」の創業者
黒土始会長は1922年1月31日生まれ。元号で言えば『大正11年』生まれになります。
大分県出身という第一交通と同じく『九州育ち』で、1941年には大分大学経済学部(当時:大分高等商業学校)を徴兵のため中退しています。
終戦から15年後の1960年6月、第一交通は誕生します。当時は『第一タクシー有限会社』という登記で設立。
無論黒土氏は代表取締役社長に就任し、ここからタクシー業界の航海へと舵を取り始めます。(1993年4月に現在の『第一交通産業』に名称を変更。)
その後は不動産事業などへの参加、そして1980年代から全国のタクシー会社へM&Aを推進。現在でも全国国各地のタクシー事業者を買収し成長し続けています。
御年100歳!現在は“相談役”
大正11年生まれということで勘づいた方もいらっしゃるかもしれませんが、黒土氏は現在『100歳』になります。
しかも2022年6月までは代表取締役会長として職務に就いていたというので驚きです。
株主総会において第一線を退いたものの、相談役に就いたことでこの度の中小企業支援基金『一般財団法人第一交通産業創業者黒土始基金』の設立にも目途が立ったということでしょう。
邸宅内には『第一交通産業記念館』も
また、黒土氏の邸宅内には現在、功績を称えて第一交通産業の歴史や業績などを展示した「第一交通産業産業記念館」という博物館になっております。
社会科見学や観光だけでなく、社内教育或いはタクシードライバーの研修にも利用して頂きたい記念館となっています。
褒章・勲章も多数受章。
黒土氏におかれましては、タクシー業界の今後の展開の行く末を自社の第一交通のみならず、見守り続けていただきたいと思うばかりです。
そして半世紀以上をタクシー業界に情熱を注ぎ培った経験を、年齢関係なくまだまだ後世に伝えてほしいものです。
黒土氏功績は、国内では内閣府からも広く認められており、1981年に紺綬褒章を皮切りに、1983年に藍綬褒章、1992年勲四等瑞宝章、2013年勲三等旭日中綬章、2018年には再び紺綬褒章を受章しております。
黒土氏が数多時代の節目で、高い評価と信頼を得ていることが伺い知れます。
全国で活躍する大手タクシー「第一交通」
第一交通は全国で活躍する国内最大手のタクシー事業者です。
お客様からの信頼はタクシードライバーの『接遇』や『安全運転』はもちろんのこと、全国展開という『安心感』『信頼』が付随して、多くのお客さまから利用を頂いていることが収益向上の裏付けとなっています。
まさにこれを“ブランド力”と言わずとして何と言いましょうか。
「お盆で帰省するといつも第一交通のタクシーに乗る」、「上京している子供に会いに出てきたら見知らぬ駅で見かけた『第一交通』の行灯にホッとした」…これらはタクシー事業を展開する上で、『接遇』・『安全運転』という全国共通の事項では推し量れない評価です。
事業者のトップが多くの褒章・勲章を受章し、また多くの地元商工会議所や協会の公職に就いていることもタクシー業界ならずとも、経済界においても大きな意義があると思います。