日本でタクシーが登場したのが1912年。
それから110年の間で歴史的な出来事に何度出くわしたことでしょう。もう言わずもがなというところえはありませんが、直近…いやリアルタイムで言えば私たちは「コロナ禍」という歴史的な時代の中を生きています。そしてタクシー業界にとってもそれは、とてつもない試練でした。
収束に近づきつつある今、日本の首都東京でようやくタクシー業界に明るい兆しが見えてきたニュースです。
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東京タクシー需要回復へ。各社配車回数上昇!
東京特別区・武三交通圏に所属するタクシー無線13グループの5月配車回数が発表されました。
注目の配車回数は248万2,857回となり、新型コロナウイルス感染拡大前である2019年の同月と比較して66.6%上昇した事が明らかになりました。(前年同月比は68.3%)
主な要因として、新型コロナウイルスの感染者数の減少傾向によって、『緊急事態宣言』や『まん延防止等重点措置』が各地で解除されたのをきっかけに、街にも活気が戻りつつあるという点が挙げられます。
比例して都内の各地でタクシーの需要も増えたことにより、今回のような回復傾向の結果になりました。
また、各社無線グループの配車回数も上昇と好調です。
それでは数字で見てみましょう。
数字にも顕著に
2020年に新型コロナウイルス感染拡大で大打撃を受けた東京のタクシーですが、2年を経て需要回復がいよいよ現実味を帯びてきました。
配車数トップは業界最大手の『日本交通』で94万6,472回を記録しており、コロナ前の2019年と比べると57.5%上昇を記録しております。
続いて昨年4月にチェッカーキャブと業務提携を開始した『東京無線共同組合』が50万8,828回でコロナ前の2019年と比べ48.4%上昇となっております。
また、“百年企業”として君臨する大手四社の国際自動車では39万8,858回でコロナ前の2019年と比べ31.1%上昇となっております。
数字の上でグループ別に分散して配車回数を見ても、東京のタクシーの需要が回復してきていることが顕著になっていることがわかりますよね。
気になる夜営業は
タクシードライバーにとって、営業時間の稼ぎ時として抑えないといけない時間帯といえば「夜営業」になると思います。
夜の時間帯は就業先から歓楽街への移動、または帰路も含めて多くの方がタクシーを利用する時間帯です。タクシー配車アプリ、そして東京特別区・武三交通圏と言えば流し営業になりますが、この2年間は苦戦を強いられている状況でした。
俗に言う青タンの時間も含めて、現状はどのようになっているのでしょうか?
今後にますます期待
タクシー現場の無線室担当の方のお話を伺うと『日中時間帯の配車状況はほぼ9割近く戻っている』とのことです。
しかしやはり夜間はまだコロナ禍の「営業時間短縮」などの習慣が身についている点や「勤務先からの会食制限」などがあり、東京特別区、武三交通圏の夕方~夜営業の時間帯はまだ終電後の利用などに配車状況が『コロナ前の状況に戻ったとはまだ言えない』のが現状です。
それでも僅かながらお客様の流れは、新規感染者の減少をきっかけとした『緊急事態宣言』や『まん延防止等重点措置』の解除によって、都心の街にも活気が以前のように戻りつつあることが伺い知れます。
また、外国人観光客の「入国制限緩和」などの政府の方針変更もあり、配車数は上昇の傾向にはあります。
今後は円安のインバウンド需要回復も含め、タクシー需要の全時間帯が回復傾向に向かうことが期待されます。
入国制限緩和で、外国人観光客の受け入れも6月10日から始まります。
新型コロナウイルスの水際対策が1日から大幅に緩和され、成田空港では到着した人たちから手続きの簡素化を歓迎する声が聞かれました。
【NHK首都圏ニュース『水際対策緩和』より一部抜粋】
これから~Opinion~
根拠のない回復傾向や需要の復調といったことではなく、ようやく数字の面でも前向きな事が打ち出せるようになったことは、本当に喜ばしいことです。
この2年間、タクシードライバーやタクシー事業者の皆さんは「出る杭は打たれる」ような気分であったに違いありません。
しかしながら、感染対策や通常の配車営業など、タクシー業界としてしっかりとやるべきことを従事し、また配送をはじめとした貨客混載や代行業など、新たな可能性を模索し具現化できたことは、この混沌とした時代でなければ生み出せなかった産物でもあります。
このまま収束に向かえば、夜営業の配車数回復は時間の問題と思われますが、試練はまた違った形でいつの日か必ずやってくると思います。まだまだコロナ禍の最中ですので、気を引き締めた営業が必要です。もうひと踏ん張りです。