自動車産業の中で大きな革命と言える「自動運転」。
これがタクシーなどの二種旅客業となれば、利便性向上は図られることは間違いないでしょう。
その反面、代償として安全面もさることながら、雇用面など様々な問題が発生することは想像に難くないと思います。
今自動運転を実用化する状況は、どのようになっているのでしょうか?
見出し
『アジア各地でタクシー自動運転』の波
アジア各地で昨今、「タクシー自動運転」の波が起こっています。
日本では大手自動車メーカーとタクシー会社の参画によって自動運転の実証実験を行っていますが、隣国の中国・そして韓国でも自動運転タクシーが走行するというニュースが入ってきました。
車が世の中に誕生して250年以上。
自動車産業は21世紀も間もなく中盤に入る中でついに大きな革命の真っ只中にいると言っても過言ではありません。
日本国内の様子
アジアと言えど、やはり日本国内の動向も注目です。
日本国内での自動運転の動きはどのようになっているでしょうか。
運転席に人がいないというのは、慣れないといささか不安も覚えそうですよね…。
東京都内でホンダが実証へ
大手自動車メーカー「ホンダ」は、東京都内の特定地域内で無人運転が可能な自動運転車を公道で走らせる実証実験を始めることを発表しました。
ホンダでは東京都内タクシー大手四社の「帝都自動車」と「国際自動車」の二社と合意の下、タクシードライバーの自動運転の配車サービスを2020年代中盤に行う予定であることを明言しております。
今回ホンダが展開する自動運転配車サービスは、「バスとタクシーの中間の位置付け」とのことで、利用料金はタクシーより割安に設定し、東京都心部でサービスを始めるとのことです。
車はアメリカの“GM”でおなじみ「ゼネラル・モーターズ」などと共同で開発し、前後6人掛けタイプとなる予定です。
近隣諸国の自動運転
日本の外のタクシー事情はなかなか触れる機会はありません。
自動運転モビリティサービスの普及が目覚ましい中、近隣諸国でも、次世代のタクシーサービスが展開を広げています。
北京ではタクシー自動運転が開始
中国北京市内では、一部エリアにおいて自動運転車両のタクシーサービスを開始いたしました。
自動運転は、中国政府も国家戦略として支援しているだけでなく、現地のIT大手の主導の下で開発が進んでおります。
自動運転の普及が加速し、日本国内や欧米に先行して展開が広がる可能性があり、各国の自動運転実用化の競争が激化しそうです。
中国ではすでに鉱山や港湾では無人トラックが稼働し、コロナ禍の都市では食料や日用品を運ぶ無人配達カーが活躍しているが、人を乗せる自動運転の社会がついに実現しつつある。
【中国東方新報:6月8日より一部抜粋】
中国最大手IT「百度」が開発
その“現地IT大手”ですが…
今回自動運転の開発は、国内最大手のIT企業「百度(Baidu)」が行っております。
百度(Baidu)は2019年から自動運転タクシーの実証実験を行っており、北京市を筆頭に上海市・広州市・深圳市で乗客を乗せてサービスを行っています。
しかし2019年は運転席にスタッフが乗車しており、今回の自動運転車両のタクシーサービスでは中国の歴史上初めて「運転席に人がいない形でのタクシー走行」となったのです。
(※安全管理上、助手席にはタクシー関係者が乗車しています。)
今回の自動運転サービスは10台から開始しており、今後は30台を目標に追加する予定とのことです。
韓国では夏にソウル江南で走行
日本のお隣「韓国」では、今年の夏(2022年8月)よりソウルの江南において自動運転タクシーが走行予定です。
現在認可を受けた車両は4台のみとのことですが、ソウル市によれば今後は自動運転タクシーの運行台数を増やしていきたいとのことです。
現在、ソウル市ではすでに自動運転の実証実験を上岩洞の「自動運転自動車テスト運行地区」2路線において4台で自動運転車を行っております。
8月の江南での自動運転タクシーサービス開始について、本番までの2カ月間、現地大手自動車メーカーの「現代自動車」の関係者をはじめ、自動運転の専門家などが搭乗・点検を行う予定となっております。
これから~Opinion~
アジア各国だけにとどまらず欧米にも自動運転となれば、もう21世紀の終わり頃には自動運転化に完全にシフトしていても不思議ではないかもしれません。
「安全を遵守」は付いて回ります。当然のことであって例えば小さな事故から大きな事故まで、起こさないのが絶対条件ですが、自動運転と言えど万が一の事はあり得ます。
日本も含めて万が一の対応時時に悪い方向で『お国柄』を出してしまっては大変もったいないですよね。自動運転の実証実験を念入りに行う以上、リスク発生時の対応なども徹底的に固めてもらい、「安全面と利便性を掛け合わせた素晴らしい次世代タクシー」として世界中で走り回ってほしいものです。