タクシーメディア by転職道.com

タクシーに関わる求人から利用者まで全ての情報をお届けします

タクシー自動運転へ。帝都・国際がホンダと合意。

タクシー自動運転へ。帝都・国際がホンダと合意。

自動車が自動で走るのが日常茶飯事…。
そんな夢みたいな話がそう遠くない時代に実現するかもしれません。

ただ二種免許を要するタクシーとなれば、どうでしょうか?
タクシードライバーという「雇用面」の部分もある上、今後の重要なポイントとなります。
本日は自動運転に係るニュースです。

タクシー自動運転へ。帝都・国際がホンダと合意。

タクシー東京大手四社の「帝都自動車交通」「国際自動車(km)」の2社は4月21日、国内自動車メーカーの最大手、本田技研工業(ホンダ)の100%子会社「ホンダモビリティソリューションズ」とともに、自動運転モビリティサービスの展開を目指し、基本合意書を締結したことを3社合同で発表しました。

自動運転の実用化に向け、世界初の自動運転車両を手掛けるホンダとの提携により、“タクシー業界未上陸”のホンダが嵐を巻き起こすか注目です。

帝都自動車の評判は?口コミから働きやすさをご紹介!

東京首都圏でサービス展開目指す

数年前からささやかれた「自動運転」が、徐々に具現化してきました。

基本合意書は主に「事業者間の役割」・「関連法令」・「サービス設計」そして「各種責任分担」などにといった内容を検討するものになっております。

タックを組んだのが東京首都圏でもネームバリューの非常に高い「帝都自動車交通」「国際自動車(km)」とあって、その注目度が伺えます。

今後はタクシー需要・人材ともに国内トップを誇る「東京首都圏(東京特別区・武三交通圏」でのモビリティサービスの展開を目指していくとのことです。

『km』でおなじみの大手タクシー「国際自動車」ってどんな会社?採用基準は?

大手四社「国際自動車」の取り組み。他社との違いって??

目標は2020年代中盤

そう遠くない将来…と言っても一体いつなのか?100年先?
いやそうでもないようです。

なんとホンダモビリティソリューションズでは自動運転モビリティサービスの提供を2020年代中盤には行う予定とのこと。

この10年以内どころか5年以内に自動運転が実行される可能性が高いという訳です。

タクシー業界ニュース2020年1月~4月

以前も自動運転タクシー実験

タクシー業界にスポットを当てると、実は先駆けて自動運転の実証実験を行っているタクシー会社があります。

東京の大手タクシー『日の丸交通』では「自動運転タクシー」の実用化を目指し、2018年8月に実証実験を行いました。
今後も自動運転化へ向けて営業走行を進めていくことでしょう。

また、2020年の11月には「Mobility Technologies」などの5社によって、自動運転タクシーの実証実験を東京新宿区で4日間行っています。

自動運転ベンチャーのティアフォー(名古屋市、武田一哉社長)、「Mobility Technologies」(MoT=モビリティ・テクノロジーズ、東京・千代田区、中島宏社長)など5社は5~8日の4日間、東京・西新宿の都庁周辺で、超高速・大容量の5G(第5世代通信規格)を活用した自動運転タクシーの実証実験を行った。運転席が無人のタクシーが公道を走るのは初めてで、2022年以降の実用化を目指す。
【東京交通新聞:2020年11月9日抜粋】

【公道で初、運転席無人の自動運転タク実験】東京交通新聞より(2020年11月9日抜粋)

ホンダは他社に先駆けて「自動運転」

国内自動車メーカーの最大手、本田技研工業(ホンダ)の100%子会社「ホンダモビリティソリューションズ」。
「H」のエンブレムは自動車を所有している方であれば誰もがご存じでありましょう。

現在国内ではホンダ社に限らず、大手自動車メーカー各社が自動ブレーキなどの「衝突安全装置」を搭載した車両を数多く登場させております。次世代型タクシー車両の「JPN TAXI」もその一つです。

しかし、システムが運転を行う=「自動運転」の車両は昨年、2021年3月までは世界のどこにもありませんでした。

そんな中、ホンダは世界初の「自動運転」を可能にした車両を発表したパイオニアなのです。

日本が誇る次世代タクシー『JPN TAXI(ジャパンタクシー)』とは…

世界初の自動運転車「レジェンド」

2021年3月に発表された車両「レジェンド」は、世界初の自動運転車両となりました。

この車両こそが世界初の、システムが運転を行う『レベル3自動運転システム「Honda SENSING Elite(ホンダ センシング エリート)」』を実現した車両でした。

セダンタイプの車両で、今後タクシーにも展開できそうな予感がするボディですよね。

しかし、すでに生産を終了しており、現状フルモデルチェンジの話もないとのことです。
(価格はなんと1,000万円で、100台限定(リースのみ)という超レアではありました。)

自動運転のレベルって?

ここで聞き慣れない言葉が出てきたと思います。「自動運転レベル~」。
え?レベルなんてあるの?という感じですよね。

▼実は自動運転には、下記のようにレベル分けされています。

  1. レベル0~レベル2:人が主体となって運転するレベル
  2. レベル3~レベル5:システムが主体となって運転が行なわれるレベル

「なんだ大雑把だな!」とお思いかもしれませんが、レベル2とレベル3の間は非常に深く、法的な概念も絡む複雑な事情もあります。

例えば自動運転には『①人間が運転』なのか?、『②車(システム)が運転』するのか?という線があり、レベル2とレベル3はまさにその狭間という事にあります。
後者②の場合、法律的に変更を要する必要性がある上、何より安全性という自動車の信頼を大幅に向上しなくてはいけなくなるからです。

トヨタ自動車が次世代タクシー『JPN TAXI』を一部改良

タクシードライバーの雇用は?

自動運転モビリティサービスが今後、タクシー業界で導入が進んだとします。

まず心配になるのが「タクシードライバーに転職したいけど、自動運転になってしまったら仕事がなくなっちゃうのではないか?」という考えだと思います。
実際に転職相談カウンセリングでも同様の相談を頂いた事が数多くありました。

では、本当のところはどうなのでしょうか?今後の読みを踏まえて考えてみましょう。

安全上、乗務員は必須

例えば、同じ公共交通機関でも、新橋やお台場、豊洲を走行する「新都市交通ゆりかもめ」のような、レールの敷かれているものであれば、自動運転の際も指令室でコントロールされているので、よほどイレギュラーな事が起きない限りは逐一車両に運転手を配置しなくても問題は皆無という見解が立ちます。

ただタクシーとなれば、「道路を走行する」わけで、しかもプラスアルファで「接遇」が伴いますよね。
それに加え現代の技術をもってしても「無人で完全なる自動運転」となると、それはまた別の話です。
ちょっとドラ〇もんの映画の世界のような話です。。

安全面を考慮し、どう考えても自動運転モビリティサービスを導入しても今後何十年かは文明が著しく進化するか破壊されない限りはタクシードライバーの雇用は問題ないと考えます。

むしろ、以前よりも身近になるのではないでしょうか。

二種免許新制度いよいよ施行!タクシー業界への追い風なるか

整備士は資格必須になる

ただしここで厄介なのがタクシー会社の現場で働く「自動車整備士さん」ではないでしょうか。

今まで通常タイプのセダン型タクシーは、事故などを起こした際にそれ相応の整備・修理板金など行えばよかったのですが、JPN TAXI登場以降、衝突安全装置が組み込まれるようになりました。

そのため、状況によってはエンジンやブレーキを取り外して行う「分解整備」「電子制御装置整備」の場合、自動車特定整備制度が必須になります。

自動車整備士(求人)VSハイヤー(求人)働きやすいのは?【年収や仕事内容を比較しつつ解説】

特定整備制度とは?

自動車特定整備制度とは、2019年5月に交付され、翌年2020年4月1日から施行した制度になります。

タクシー事業者で整備関連の整っている現場に限らず、自動車業界の整備工場の現場ですら、まだ浸透が薄いのが現状ですが、この制度は「4年間の経過措置期間」が設けられておりますので、早期に取得することを推奨しております。

自動車整備制度は、これまでのエンジンやブレーキなどを取り外して行う「分解整備」から、その範囲を取り外しを伴わなくとも装置の作動に影響を及ぼす整備又は改造等(電子制御装置整備)に拡大するとともに、対象装置として、自動運転レベル3 以上の自動運転を行う自動車に搭載される「自動運行装置」を追加し、その名称を「特定整備」に改め、新たな制度として令和2年4月からスタートします。
【国土交通省ホームページより抜粋】

内容は自動ブレーキなどに使用される監視カメラや、レーダーなどの調整、自動運行装置の整備などです(エーミング作業など)。

これらを無資格で行うと自動車に支障を起こし事故へつながりかねません。
当然ながら4年間の経過措置期間を過ぎますと法律違反になりますので注意が必要です。

働きやすさ対決!二輪自動車整備士(求人)VSハイヤー(求人)!働きやすい職種はどちら?【年収や仕事内容を比較して解説します】

これから~Opinion~

自動運転の波は思ったよりも早くやってきました。
衝突安全装置、他社の取り組みや自動運転の経緯についてはまた別の回でお話しできたらと思います。

とかく『自動運転化』となるとタクシードライバーに目が行きがちですが、実はタクシー事業者の整備面の負担が大きくなるのではないかと考えます。

整備面で整い切れていない会社も多く存在するため、万一の故障の際はディーラーあるいは提携先へといった構図になり委託料などで大きな出費を費やすのではないでしょうか。
タクシー業界は今後、ドライバーも含め、車両整備士の確保、そして作業場の確保などいった設備投資を行うことも時代を乗り越え、乗っていく策略と言えましょう。

Return Top