世の中のお仕事は「週5日、一日8時間の固定給」のお仕事ばかりではありません。
法定の範囲内で様々な基本勤務形態があり、そこから残業時間等が肉付けされたりします。
そしてタクシードライバーのお仕事は「歩合制」ですので、やればやった分だけあなたの成果になるのも大きな魅力と言えましょう。
もちろん、業界未経験者の方はいきなり稼ぐ事は厳しいため、ほとんどのタクシー会社では「給料保証期間」を設けています。これは大変ありがたい制度ですので、その期間を利用して沢山の事を覚えましょう。
さて、タクシー会社の勤務時間の中でとかくポピュラーな「隔日勤務」というものがあります。
考え方として「1日に2日分の時間を勤務し、翌日の業務終了後は必ずお休み(明け番)が取れるという制度ですが、今回この勤務時間の見直しを図ることになるそうです。
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タクシー勤務時間見直しへ。11時間以上は努力義務
厚生労働省の有識者検討会は今月(2022年3月)、タクシードライバーについて長時間勤務による過労対策を講じることを決定し、「勤務時間を見直す」方向となりました。
年内の告示を行い、2024年4月の施行を目指します。
長時間勤務を要するタクシードライバーにとっては、「勤務時間がの減少」というよりは、「休息時間の確保が広がる」といった考えが良いかもしれません。
ちなみに「勤務間インターバル」については、タクシードライバーに11時間以上与えることが事業所の努力義務とされることが決定しております。
「勤務間インターバル」って?
ところで「勤務間インターバル」…初めて耳にした方も多くいらっしゃるかもしれません。
実は2019年4月に施行されたばかりの新しい制度なのです。
概要は勤務終了後、一定時間以上の「休息時間」を設けることによって、働く方の生活時間や睡眠時間を確保する…というものです。
皆さんも昨今、「働き方改革」などは職場などでも耳にされたことがあると思います。「働き方改革関連法」が前年の2018年6月に成立し、「労働時間等設定改善法」が改正されました。
そこで初めて「勤務間インターバル」の話が持ち上がり、翌年4月に規定が施行されたという訳です。
働く方の健康やワーク・ライフ・バランスの確保する対策として、今後の動向が注目されています。
9時間以上。11時間以上は努力義務
上述でもお伝えした通り、各タクシー事業者の努力義務として「勤務間インターバル」はタクシードライバーに11時間以上与えることが事業所の努力義務とされることが決定しました。
この制度見直しが施行されると、タクシードライバーは、1日の拘束時間は13時間と、現在と変化はありませんが、最大拘束時間は現状よりも1時間短い15時間となり、1カ月の上限も299時間から288時間に変更するということです。
また、一定時刻以降の残業を禁止とし、次の始業時刻以前の乗務を認めないこととするなどといった「休息時間の確保」が本題となるでしょう。
一定の休息時間(明け番)をしっかりと確保することによって、タクシードライバーは十分な生活時間と睡眠時間を確保することが可能となります。
結果としてワーク・ライフ・バランスを保ちながらタクシードライバーとしての仕事を続けることができるようになると考えられています。
現在、現場ではタクシードライバーに「8時間以上」運転手に休憩(明け番)与えることが事業者に義務づけられています。
しかし今後は「9時間以上」に変更となり、「11時間以上は努力義務」を基本方針とすることで決定しました。
バスも同様に見直し。今後はトラックも
タクシー…タクシー…と申していますが、実はこれタクシーだけの制度ではないんです。
この制度、あくまで「バス・タクシー」という公共交通機関の二大巨頭が対象の制度。
バスも休憩時間に関しては「勤務間インターバル」を採用し、タクシーと変動はありません。
但し、バスの運転手に関しては、1日の拘束時間は、基本13時間。
制度施行後も変更はありませんが、最大で16時間となっている上限を1時間短い15時間とし、年間勤務時間の上限を現行の3380時間から3300時間に変更するとのことです。
なお、公共交通機関ではありませんが、厚生労働省では今後トラック運転手についても同様に見直しを行うとしています。
長く見られがちの拘束時間だが
求人フェアやハローワークに行きますと「常にタクシードライバーは募集をしている」という印象をお持ちの求職者の方もいらっしゃるのではないでしょうか?
ちらっと求人票や会社名だけ見て「なんだタクシーか」と思われた方。或いは勤務形態をちょっとだけ見て「けどすごい拘束時間で厳しいのでは?」と思われた方…多くいらっしゃると思います。
これは実に非常にもったいないと感じます。
実はタクシードライバーのお仕事は、自分の時間をコントロールしやすい職種で、元サラリーマンの方や職人さんなど「今まで時間に拘束され続けて自分の時間が作れなかった」転職組の多くが見事に、キャリアチェンジに成功を果たしています。
ではその長く見られがちの拘束時間ですが、なぜ魅力的なのでしょうか?
翌日はしっかり休める魅力
タクシードライバーの拘束時間が長いのは嘘ではありません。
しかし、その分翌日は「明け番」と行ってしっかりと休めます。
名目上、求人票には「出勤日数」に含まれてはいますが、体を休める大切な時間なので、帰宅後にしっかりと休むことができます。
慣れてくれば仮眠をとって、趣味に充てたりと…一応自由な時間といえば自由な時間ではありますので、しっかり心も体もリフレッシュできます。
そういった意味ではタクシードライバーという仕事は余計なしがらみも無く、メリハリをつけて働くことができる魅力的な仕事なんです。
(本件は「隔日勤務」に限っての話です。タクシー勤務にはその他にも「昼日勤」や「夜日勤」あります。)
タクシーなら自由度は高い
タクシーの「隔日勤務」は、時間にすると1日で2日分の仕事をするようなものです。
ですが、もちろん明け番以外にも「勤務中の休憩」もしっかり取得することが可能です。
と言いますか、体のためにも絶対に取得しましょう。
タクシー会社にもよりますが、3時間休憩が取得可能な場合、勤務時間中にまとめて休憩を取得して、好きな時間に仮眠などをとる方もいらっしゃれば、1時間を計3回分散して取得する方など多岐にわたります。
徐々に慣れてくるとワーク・ライフ・バランスが形成されてきますので、ご自分に合った休憩方法を取得すると良いでしょう。
稼ぎたいタクシードライバーは夜の時間帯に備えて昼間にがっつり休憩を取得したりと、工夫を凝らしていますよ。
「拘束時間~」や「長時間労働~」とは言うものの、一方でふたを開けてみると自由度が高い。
これがタクシードライバーのお仕事が支持される魅力の一つではないでしょうか。
これから~Opinion~
人々の働き方は今、大きく変わろうとしています。
アルバイト・正社員・業務委託・個人事業主と、ついこの間まで「こうあるべき」と言われた姿に固執することなく、様々な個性が様々な働き方でまさに「改革」を施しているように思えます。
タクシードライバーも以前からずっと「歩合制」と「隔日勤務」という魅力的な仕事内容であった一方で「長時間労働」といった紙一重な現状が隣り合わせでした。
がむしゃらに人は頑張ると時に己の健康を無視してしまうことがありますが、健康あってこその仕事です。健康でないと稼ぐことすらできません。
勤務間インターバルは隔日勤務で勤務するバス・タクシーのドライバーにとっては貴重な制度だと思います。生活等事情は人それぞれと言えど、やはり休息は大切だと考えます。
タクシードライバーの魅力、タクシー業界の本当のところなど…ぜひ一度、応募の前に転職道の求人カウンセラーに実際の様子を聞いてみることもおすすめしますよ!