知らない目的地や行き方を乗客から指示されたときに、タクシー運転手はどのような対応をすればよいのでしょうか。乗客のニーズに的確にこたえるための対応をご紹介します。
分からなければ聞いて調べる
タクシーの乗客の利用目的は、通勤や通院のため、あるいは出張先での移動など、実にさまざまです。乗客はその土地のことをり知らないかもしれないので、タクシー運転手は、担当するエリアの地理に詳しくなることが求められます。
大きな商業施設やホテル、有名な観光スポットなどは「知っていて当たり前」の基本中の基本ですし、主要な交差点や通りの名称、病院なども熟知しておくことが必要です。
それでも時折、知らない場所や名称にどうしても遭遇するものです。
例えば、乗客から時折言われるのが、商業ビルの中にテナントとして入っている店名だけを挙げて、そこに行ってほしいというものや、新人ドライバーなどです。その店名をタクシー運転手が知っていれば別ですが、ビルの名前はもとより所在地も分からない場合は、どうすべきでしょうか。
一昔前ならば、タクシー無線を使って配車センターに連絡し、店名を伝えて調べてもらうという方法が一般的でした。
いまでもその方法は使われますが、タクシーへのカーナビゲーションの設置、あるいは運転手自身のスマートフォンを使って、知らない目的地を運転手がその場で容易に調べられる便利な世の中になってきています。その場で「聞く」あるいは「調べる」ことで、乗客のニーズに的確に応えることができるのです。
感情的にならない
そういう点から言えば、「知らない目的地を告げられたらどうしよう」などと取り越し苦労をする必要は一切ありません。面倒臭そうな態度を取ったり、ぶっきらぼうな口調、あるいは嫌味っぽい口調で配車センターに確認したりするといった感情的な態度は、乗客に悪い印象を与えかねません。
「申し訳ございません、その場所を存じ上げないので今すぐお調べいたします。少々お待ちください。」といった具合に、その場ですぐに調べて差し上げることが、好感度アップにも繋がります。もし、乗客が住所はわからなくても、行き方だけ知っている場合は、口頭で案内してくれることも珍しくありません。
地理を把握しないまま走り出すのはNG
最も気を付けるべきなのは、乗客の指定する目的地の地理を把握しないまま、とりあえず走り出してしまうことはNGだという点です。乗客によっては、「だいたいあの辺だったかなぁ」「現地の景色を見たらたぶん分かる」などと言って、車を出す(タクシーが走り始める)ことを求めてくる場合があります。
ところが結局、目的地にたどり着くまでに右往左往して運賃が高くついてしまったり、目的地にたどり着くことすらできなかったりといったトラブルを招くことにもなりかねません。
また、運転しながらカーナビやスマートフォンを操作するのは大変危険です。トラブルを避けるためには、必ず目的地の場所を運転手が把握してから走り始めることが大切です。