自動車の運転免許証にはゴールド免許(優良運転者免許)がありますが、それと同じように、タクシーの世界にも「優良タクシー運転手」が存在するのをご存知でしょうか?
優良タクシー運転手とは
優良タクシー運転手とは、「優良運転者証」を備えた運転手のことです。優良運転者証は、勤務実績や無事故無違反、接客マナーといった観点において、他の一般的なタクシー運転手の模範となる優秀な運転手であることを認定する証明書です。
認定は、地域ごとのタクシーセンターあるいはタクシー協会がおこなっており、勤務実績についてはタクシー運転手の経験年数に応じて、一般表彰(5年)、10年表彰、20年表彰、30年表彰、特別表彰(40年)の区分が設けられています(いずれも東京タクシーセンターの場合)。
この区分の中で、所属しているタクシー事業者での勤続年数の考慮(一般表彰=3年、10年表彰=7年、20年表彰=15年、30年表彰=25年、特別表彰=35年)および一定の期間内(一般表彰=3年、10年表彰=3年、20年表彰=5年、30年表彰=7年、特別表彰=10年)に交通事故や道路交通法の違反がないことが求められます。
また、勤続年数および交通事故や道路交通法違反の対象期間については、「善行」による短縮措置も設けられています。
現在、タクシー業界においては、タクシー業務適正化法に基づくモニター通報制度が設けられています。そして、接客態度や乗り心地などへのクレームとは逆に、丁寧な接客応対や心遣いに感激した乗客から感謝の通報が届けられることもしばしばあります。
そうした善行とみなされる接客態度で好評価を得た運転手に対し、勤続年数および交通事故や道路交通法違反の対象期間を短縮(5年を3年、25年を20年にするなど)して認定を受けやすくするものです。
優良タクシー運転手専用の乗り場がある
主要な駅にはたいていタクシー乗り場が設けられています。また、駅のみならず商業施設やホテルなどにもタクシー乗り場が設けられているところが多く見受けられます。
その中には、時間帯により乗客待ちのタクシーによる長蛇の列ができているところも珍しくありません。運転手にとっては、高収入をもたらす長距離客を乗せられるかどうかという期待や不安とともに、順番待ちの時間がどんどん過ぎてしまう場所でもあります。
しかし、「優良タクシー運転手」であれば、優良運転手専用のタクシー乗り場が設置されているところが多くあります。一般のタクシーによる列とは別で乗り場に入れるので、スムーズに客を乗せて、効率よく仕事を遂行することができます。