近頃の天気予報は「高確率」になったように思えます。
最新技術を用いて雨雲レーダーで降水量を感知し、どの地域にリアルタイムで雨が降っているのか等を手のひら(スマートフォン)で確認することができるのですから、文明の域というのはこれから先いよいよ天気までもコントロールしてしまうのではないかと…ドキドキしてしまいますよね。
タクシードライバーにとって「天気予報」は必須な情報戦略のひとつ。
都心でも郊外でも、たちまち雨が降ればタクシーの依頼が湧き水が溢れるように来ます。勤務中は雨に濡れずに仕事が出来るのもタクシードライバーのメリットですが、それ以上に雨が降ると「濡れずに目的地に着きたい」という方は相当数いらっしゃる…そんなお客様のニーズに“型がハマる”かのような移動手段なのがタクシーなのです。
そんな天気予報ですが、タクシー車両に搭載し、「連動広告」としてサービスを開始するというニュースが飛び込んできました。(車内ではありません。)
タクシー車窓サイネージサービスに天気連動広告スタート!
車窓モビリティサイネージサービス「Canvas」(THE TOKYO MOBILITY GALLERY Canvas)を運営するニューステクノロジー社は、2021年8月16日より業界初の天気連動型車窓サイネージ広告の提供を開始しました。
かねて6月より広告スクリーンを搭載したタクシーを首都圏で走行させており、話題になっていた同社ですが、今回はとりわけ需要の高い天気予報を連動しての走行となります。
ウェザーニューズ社と共同で提供
今回の対象車両はCanvas搭載したタクシー車両で、天気連動の情報は気象情報サイトの大手「ウェザーニューズ」社が提供しています。
近年、気象予報の正確性に努めている同社のデータを連動することによって、街頭のお客さまへの情報アプローチに一役も二役も買う形となりました。
ウェザーニューズの天気予報アプリは、スマホユーザーからも非常に人気のアプリケーションで、週間天気はもちろん、台風情報、周辺の空リポートなど「知りたいリアルタイムな気象情報」が掴めるため老若男女問わず人気を博しています。
とりわけ注目なのが、「数時間先の雨雲レーダー予測」で、一部有料となるコンテンツがあるものの「洗濯物を干したいから、数時間先の予報が知りたい…」といった主婦の声もあって支持も多いのも特徴です。
タクシー車内での天気予報表示は近年、車内モニターの普及もあり、珍しいものではなくなってきましたが、外にいる方人々へのアピールはまた、タクシー需要だけでなく、今回の天気予報だけでなく、商品広告のマーケティングも含め、タクシー利用との共存をより強固なものへと構築していくと言えましょう。
熱中症情報にも対応
Canvasとウェザーニューズでは今後、タクシーの位置情報=天気予報の連動を含め、クライアント各社による広告を天候に応じて差し替える内容を検討しており、天気予報という「公共性の高い情報」をタクシーサイネージで発信していく方針です。
その中で、ウェザーニューズ社が独自に分析した『熱中症情報』があります。
熱中症リスクを「注意」、「警戒」、「厳重警戒」、「危険」の4段階で受信し、熱中症リスクに応じた内容を一日ごとで表示します。
街頭の通行人の方へも天気予報だけでなく熱中症予防のアプローチも可能となり、タクシーの公共性における役割がここでまた一段と向上したと言えるのではないでしょうか。
日本国内でも「身の危険を感じるレベル」にまで達してきており、近年はまさに“恒例行事”とも言える記録的な猛暑日が続きます。
真夏の気温は、熱中症や脱水症状などを引き起こす危険な環境下ですよね…。
そこで、天気予報とマーケティングのコラボになるのですが、今回第一弾の企画としては森永製菓より「inゼリー エネルギー レモン味」の広告を期間原点で表示することとなりました。
また、期間中、対象のタクシー車両(Canvas搭載車両50台)に乗車したお客様には、「inゼリー エネルギー レモン味」の商品サンプリングを実施しております。(※8月22日で終了。)
暑さ対策にはタクシー!
ところで、熱中症といえば、タクシーの利用は真夏もお客様にもタクシードライバーにも快適なのをご存じでしょうか?
もちろん突然の雨の日は、濡れずに目的地まで快適に過ごせる移動手段としてタクシーは大きな役割を果たします。
そしてこの昨今の「猛暑日」では、「冷房の効いたタクシー」を利用しての移動がとても、とても重宝するわけです。
お客様の利用はもちろんのこと、実際に勤務するタクシードライバーにとっても、これほどありがたいものはありません。
実際に東京首都圏に限らず、神奈川県内の大手タクシー会社の営業所所長さんにお話しを伺っても「ここ数年の夏は『どうしたんだ?』っていうくらい1日の営業収入が上がった」と話しておられたのが印象的でした。
つまりは…徒歩で帰路に就くにも危険な暑さ、バスを待つにも危険な暑さ…であればタクシー乗り場に止まっているタクシーを利用しよう!という流れが増えたという訳です。(熱中症対策という点では、タクシー会社によっては、点呼→出庫の際、所長さんから「飲み物の差し入れ」などを積極的に行っている会社も近年では見受けられます。)
やはりお客様もそうですが、タクシードライバーも人間ですので、身体が資本というのは否定できませんよね。
これから~Opinion~
首都圏のタクシー会社に限っては、自社のタクシーアプリを宣伝する広告はこれまでもよく見受けられました。
(あるいは例外として東京オリンピック・パラリンピックにおける周知活動があります。)
しかし、その他公共交通機関を見渡してみると、例えば電車やバスも近年は車内広告だけでなく、車両自体に広告を塗装(ラッピング)したものが目立つようになりました。
それらは費用対効果を考えたとき、かなりな効果を発揮するとは思いますが、この度のタクシーサイネージもまた、天気予報に限らず、今後様々な企業とのコラボレーションによる宣伝が生み出す効果が期待されます。
地方都市など一部を除き、どうしてもタクシー車両は自社の特徴が行燈とカラーリングでお客様から区別されやすいため、今まで商品の広告を車両の外に表示することは難しかった節がありましたが、タクシー会社と広告を表示する企業側双方がウインウインになれば、小さな努力かもしれませんが経済の活性化に繋がるのではないかと考えます。