緊急事態宣言も昨年のみならず、本年度も立て続けに実施され、もはや「慣れ」すらも世間の風潮として危惧されるところです。
いわゆる「自粛」・「控えてください」と言った文言には、さほど強制力というものが強靭でないということも浮き彫りになっていますよね。
裏を返せば、感染対策そのものがかなり万全になってきている事に対して「安心」の現れなのかもしれません…。
公共交通機関の中でも、タクシーの対策はタクシーメディア内でもご紹介しておりますが、今回は大手タクシー会社の新しい生活様式に沿ったタクシーが誕生しましたのでお伝えします。
コロナ禍の移動をより快適に「日本交通」のニューノーマルタクシー
東京のタクシー最大手「日本交通」では、コロナ禍のお客様の移動をより快適に過ごしやすくするため、「ニューノーマルタクシー」の導入を現在進めています。
日本交通のプレスリリースによれば「ウィズコロナ時代のニューノーマルに適合した移動空間の提供を目指して、新型コロナウイルス感染防止対策を強化したコンセプトカー」とのことです。
車内は感染対策が万全
ニューノーマルタクシーは、前年の2020年秋(10月21日)に2台の試験走行を既に実施済となっており、そのうち1台を日本交通が自社のタクシーを改造し、試験運行に協力をしております。
今回のニューノーマルタクシーではその際に得られたデータのもと、日本交通直営のタクシー会社を中心に導入が開始されております。
https://twitter.com/NihonKotsuKanko/status/1372072529339195393
▼ニューノーマルタクシーの大きな特徴は以下の通り
・高効率空気清浄機の設置
・空気清浄度モニターの設置
・飛沫防止用の新型シールドの設置
高効率空気清浄機はデンソー製の高効率空気清浄機を設置。0.3μmの微粒子を99%以上回収できるフィルターを採用し、車内の空気を浄化します。
空気清浄度モニターは、試験走行の際には開発中でしたが、今回は対象車両へ順次導入を開始。
車内の空気を「見える化」しており、お客様からの不安を払拭し、より安心してタクシーに乗車していただくことができます。
また、飛沫防止用新型シールドは今年始めから導入を開始しており、従来のタクシー車両に搭載していたビニールシート型(セパレートタイプ)のシールドカーテンから新型シールドへと順次付け替えを行っています。
国交大臣も視察
今回のニューノーマルタクシー導入に際し、今年3月16日には、赤羽一嘉国土交通大臣が車両を視察しました。
当日はニューノーマルタクシーの概要だけでなく、JPN TAXIのUD面(車いす乗降の時間短縮による利便性向上など)の機能改善状況や後部座席に搭載の多言語翻訳機能も確認されました。
赤羽国交相は「タクシーを含む公共交通機関の新型コロナウイルス感染防止対策として500億円を超える予算をつけている」としており、ニューノーマルタクシー導入に際しての後押しにも取り組む考えが伺えます。
※また、同じく東京都内大手四社の「国際自動車」グループでも最新型の飛沫防止ガードを販売しております。
これから~Opinion~
もともとタクシー車両は、他の公共交通機関に比べても、密になる確率…つまり人と人と接触する機会が少ない乗り物でもあります。
そして1分程度で車内の空気が入れ替わる高い換気能力を有していることも特徴でもあり、それに付け加えて今回の「ニューノーマルタクシー」の誕生は、タクシーを利用される方へより安心・安全にタクシーを利用していただくことへの大きなアプローチになります。
それだけでなく、現場としてもタクシードライバー自身も常に緊張感を持って営業をしている訳ですから、このような車内環境に配慮した次世代タクシーがアップロードされていくのは、仕事をするタクシードライバー一人ひとりの安心感→モチベーションアップ→仕事効率アップに繋がるのではないでしょうか。
まさに新しい生活様式に沿った形のニューノーマルなタクシーと言えましょう。