スマートフォンが世の中を席巻して何年くらい経ちますでしょうか…。
携帯電話という言葉が死語になりつつある昨今、スマホユーザーであればかならず聞き覚えのある言葉、そして経験することがあります。
それは「アップデート」です。
でもこの「アップデート」、実は身近なところでもたくさん起きています。
あなたの住む町も、10年前に比べれば大なり小なり「アップデート」していませんか?
実はタクシー車両も…「アップデート」することがあります。交通車両では時にそれを「マイナーチェンジ」と呼んだりします。
今回はタクシー車両の改良…そう、マイナーチェンジに関するニュースです。
トヨタ自動車が次世代タクシー『JPN TAXI』を一部改良
日本の自動車メーカー最大手「トヨタ自動車」は2021年5月10日、自社のタクシー専用車両『JPN TAXI(ジャパン タクシー)』を一部マイナーチェンジを施し販売を開始しました。
今回は初期型の車両から通算して三回目のマイナーチェンジとなります。
価格は税込で333万8500円~356万4000円となっており、法人のタクシー会社だけでなく、個人タクシーでも購入可能。(一般販売も行っておりますので、マイカーとしても購入可能。)
抗菌性能や自動照度センサーを新たに搭載
「次世代型タクシーは常にアップロードしていく」…JPN TAXIにはこれを地で行くような感じを覚えます。
今回のマイナーチェンジでは太陽光やLED照明などの可視光により抗菌性能を発揮する「V-CAT(可視光応答型光触媒)」を使用したハーフシートカバー(デラックスタイプ)をトヨタ車の純正品として設定しました。
そして運転席と助手席のエアコン吹き出し口に、パナソニック社の空気清浄機「ナノイーX」を設置。
従来の「ナノイー」に比べるとウイルスや菌の抑制に効果があると言われる「OHラジカル」を含んだ微粒子イオンを10倍相当も放出とのことです。
その他では『照度センサーによる『自動点灯・消灯』を行う際のコンライトを標準装備。さらに突然の停電などによる非常時に給電が可能なコンセントを全車にオプションとして設定しています。
また。タクシーは基本的にガソリンではなくLPGで走行しますので今回のマイナーチェンジのJPN TAXIでは充填口(フューエルリッド)の閉め忘れの際に、ブザー&ディスプレイ表示でタクシードライバーに警告するなど、安心・安全面での向上がさらに図られたのも特徴です。
おもてなし車両としてデビューも
JPN TAXI(ジャパン タクシー)は2017年3月に登場し、ユニバーサルデザイン車両としてお客様とタクシードライバーに優しい「日本のおもてなしの心」を反映した車両として開発され、以降都度車いす対応の改良など、マイナーチェンジを重ねてきました。
ただ営業開始当初は肝心要な車椅子用のスロープの評判がタクシードライバーやタクシー企業からも指摘される面が多く、実際に車いすを利用される方からの声としても不便の声が上がっていました。
同時に車体改善を求める署名が登場の翌年に販売元のトヨタ自動車に提出され、2019年3月に最初のマイナーチェンジを開始。車いす乗降の時間の短縮を可能としました。(既に2019年3月以前に販売した車両についても、無料で部品交換・改良措置は適用しています。)
また2020年1月にはJPN TAXI標準仕様ユニバーサルデザインタクシー認定要領の改正に伴い、スロープの耐荷重を従来の200kgから300kgに変更する改良を行っています。
これから~Opinion~
首都圏ではあっという間にJPN TAXIが道路で見かけることが“日常”になってきました。
普通に乗降していればお客様としても「あぁ広くなったな」と思いますし、タクシードライバーは実際のところ新型車両とは言えど、運転に関しては好みはセダン車と別れるそうです。
ただ役割は「ユニバーサルデザインタクシー」なので、車いすの対応や障害を持った方も極力不自由の少ない状態でご利用いただけるのが何よりのところ、その追求が度重なるアップロード(マイナーチェンジ)を重ねているという事なのではないでしょうか。
今回はまた世相が「ウイルス対策」…コロナ禍ということもあって、ご乗車されるお客様もタクシードライバーも密閉空間や除菌には機敏になっているのは至極当然と言えましょう。
どうやらこの抗菌性能に関しては、『ウケ狙い』ではなく、この先も必要不可欠なツールになると思われます。
ご乗車されるお客様も、タクシードライバーも、双方共にタクシー車内では安心して快適に過ごしたい。これに尽きます。