この記事を読んで分かること
・バス運転手の働き方
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日本交通グループに1年勤務、DSP(ディスパッチャー日本交通タクシー乗り場の管理)・新卒採用担当(新卒採用での説明会)の業務を行っていました。業界の実務経験を経た説得力ある記事作りに定評があります。
・バス運転手の収入ってどれくらいなんだろう?
・バス運転手の実際の働き方が知りたい!
バス運転手の仕事に興味がある方の中には、このような疑問や悩みをお持ちの方もいらっしゃるのではないでしょうか。
バス運転手の収入や働き方は、あまり一般的に知られていないためイメージしにくいですよね。
そこでこの記事では、バス運転手の収入や働き方を、同じ業種であるタクシー運転手と比較しながらご紹介していきます。
具体的な内容は以下の通りです。
・年収の違い
・仕事内容の違い
・向いている人の違い
・まとめ
この記事を読めば、バスの運転手の収入や働き方がイメージしやすくなるはずです。ぜひ最後までご覧いただき、バス運転手が自分に合った職業かどうか転職前に考えてみてください。
※この記事の内容は、2021年4月現在の情報です。
見出し
バスの年収VSタクシーの年収比較
まずは年収についてです。
・バス運転手の年収
・タクシー運転手の年収
それぞれ収入はどれくらいかご紹介します。
バス運転手の年収
厚生労働省の「賃金構造基本統計調査」によると、バス運転手の平均年収は約466万円とされています。日本の平均年収は436万円ですから、数ある職業の中でも稼ぎやすいようです。
そしてバス運転手の年収は、企業規模が大きくなるほど高い傾向があります。企業規模ごとの収入は以下の表の通りです。
企業規模(人数) | 年収 | 月収 | ボーナス |
①10〜99人 | 約405万円 | 約31万円 | 約32万円 |
②100〜999人 | 約422万円 | 約30万円 | 約59万円 |
③1000人以上 | 約573万円 | 約38万円 | 約106万円 |
企業規模によって特に差が見られるのがボーナス。①②③ではボーナスがおよそ倍ずつ増えています。
また、都道府県別に見ると、最も年収が高いのは神奈川県、最も収入が低いのは北海道です。
年収 | 月収 | ボーナス | |
神奈川県 | 約632万円 | 約44万円 | 約110万円 |
北海道 | 約268万円 | 約22万円 | 約3万円 |
神奈川県と北海道では、年収にすると約364万円もの差が見られます。これほど大きな差が見られるのは、人口や観光客の数、自家用車の保有台数などが関係しており、バス運転手の収入は都市部ほど高く、地方ほど低い傾向があると考えられます。
また、バス運転手の収入には年齢も関係しています。年齢別の年収は以下表の通りです。
年齢(男性) | 年収 | 月収 | ボーナス |
20~24歳 | 約358万円 | 約26万円 | 約48万円 |
25~29歳 | 約419万円 | 約30万円 | 約55万円 |
30~34歳 | 約449万円 | 約31万円 | 約72万円 |
35~39歳 | 約444万円 | 約32万円 | 約64万円 |
40~44歳 | 約482万円 | 約34万円 | 約76万円 |
45~49歳 | 約504万円 | 約35万円 | 約81万円 |
50~54歳 | 約522万円 | 約37万円 | 約81万円 |
55~59歳 | 約505万円 | 約36万円 | 約77万円 |
60~64歳 | 約368万円 | 約27万円 | 約40万円 |
65~69歳 | 約303万円 | 約23万円 | 約21万円 |
平均 | 約468万円 | 約33万円 | 約69万円 |
バス運転手は長く勤務するほど収入がアップし、給与も安定しているため安心です。ただしすぐに収入を上げることはできません。より稼ぎたい人にとっては、物足りなさを感じてしまうこともあるでしょう。この表から、年齢が上がるにつれて年収も上がることがわかりますね。これは、バス運転手は一般的な会社員と同じように、勤続年数や経験・スキルが収入に反映されるからであると考えられます。
タクシー運転手の年収
引用:求人ボックス給料ナビ
タクシー運転手の平均年収は約385万円とされています。バス運転手よりは年収が低い傾向があるようです。
では、企業規模で収入に違いはあるのでしょうか、下の表をごらんください。
企業規模(人数) | 年収 | 月収 | ボーナス |
①10〜99人 | 約291万円 | 約23万円 | 約10万円 |
②100〜999人 | 約395万円 | 約31万円 | 約25万円 |
③1000人以上 | 約416万円 | 約33万円 | 約20万円 |
①と②の収入差は大きいため、企業の規模が大きくなるほど収入が高くなる傾向があるように思えます。しかし、②と③の差は大きくありません。ボーナスに関しては、③よりも②の企業の方が多い結果になっています。
つまり、企業規模100人を境界に収入が増えますが、企業規模100人以上の会社になると、収入に大きな差が出なくなるようです。
こうした企業規模の収入の差には「タクシー運転手の給与形態」と「無線配車の数」が関係していると考えられます。
規模の大きな会社ほど無線配車が多い傾向があるため、自分からお客さんを探さなくても稼ぎやすい環境が整っています。
そして、タクシー運転手の給与形態には、売り上げごとに報酬が得られる「歩合制」が取り入れられているため、月収15万円の人がいれば月収60万円の人もいるなど個人差が大きいです。
よって、企業の大きさは「稼ぎやすさ」に比例しますが、収入には個人の力量が大きく関係するため「企業規模が大きいほど収入が高い」とは一概には言えません。
また、都道府県別に見ると最も年収が高いのは東京都、最も年収が低いのは徳島県です。
年収 | 月収 | ボーナス | |
東京都 | 約484万円 | 約39万円 | 約12万円 |
徳島県 | 約205万円 | 約17万円 | 約0万円 |
東京都と徳島県では、年収にすると約279万円もの差が見られます。この差はバス運転手と同様に人口や観光客の数、自家用車の保有台数などが関係していると考えられます。
また、年齢別の年収は以下の表の通りです。
年齢(男性) | 年収 | 月収 | ボーナス |
20~24歳 | 355万円 | 29万円 | 4万円 |
25~29歳 | 485万円 | 39万円 | 13万円 |
30~34歳 | 373万円 | 30万円 | 16万円 |
35~39歳 | 398万円 | 31万円 | 30万円 |
40~44歳 | 446万円 | 34万円 | 32万円 |
45~49歳 | 413万円 | 32万円 | 30万円 |
50~54歳 | 420万円 | 32万円 | 31万円 |
55~59歳 | 388万円 | 30万円 | 27万円 |
60~64歳 | 354万円 | 28万円 | 18万円 |
65~69歳 | 313万円 | 25万円 | 11万円 |
平均 | 360万円 | 28万円 | 20万円 |
この表からは、タクシー運転手の年収の多さに年齢はあまり関係がないことが分かります。
バス運転手とは違い、タクシー運転手は歩合制です。そのため勤続年数は収入にほとんど反映されず、経験やスキル、個人の努力などが大きく反映されているのでしょう。
タクシー運転手は企業規模や金属年数などよりも、個人の経験やスキル・努力が重要です。努力次第ではいくらでも収入を増やすことができ、バス運転手よりもはるかに多くの収入が得られるでしょう。
バス運転手VSタクシー仕事内容の違い
次は、仕事内容についてです。
・バス運転手の仕事内容
・タクシー運転手の仕事内容
それぞれどのような違いがあるのかみてみましょう。
バス運転手の仕事内容
バス運転手の主な仕事は、決められたルート・時間通りに乗客を目的地まで送り届けることです。
運転手の仕事は以下の4つに分類され、それぞれ仕事内容が異なります。
・路線バス
・高速バス
・観光バス
・送迎バス
「路線バス」は、一般的に日常生活で利用されているバスです。街中を走り、バス停からバス停までの一定区域を決められた時間通りに運行します。比較的生活リズムが安定している仕事です。
しかし、時間通りに移動しなければならないというプレッシャーが大きく、シフトによっては拘束時間が長いこともあります。
「高速バス」は、主に高速道路を移動するバスです。都市から都市への移動が多く、走行距離に応じて収入が決まります。
ただし、長距離運転・夜間走行が多いため、路線バス・観光バス・送迎バスよりも体力が必要です。
「観光バス」は、観光やレジャーを目的とした乗客の移動手段として利用されるバスです。さまざまな観光地を回れるため、旅行好きな人に向いています。
ただし、乗客側の都合によって勤務がなくなったり、急に出勤が決まることも。時間帯も乗客に合わせるため早朝出勤もあり、生活リズムは乱れがちです。また、繁忙期と閑散期とでは業務量に差があります。
「送迎バス」は、学校や病院、スイミングスクールなどの送迎を行うバスです。ある程度決まった時間で送迎を行うため生活リズムが整いやすく、ライフワークバランスも保ちやすい仕事です。
ただし、走行距離や時間が短めな分、収入が抑えられてしまう傾向があります。
このように、バス運転手には4種類の仕事があり、それぞれメリット・デメリットがあります。やりがいやプライベート事情などに合わせて選ぶと良いでしょう。
タクシー運転手の仕事内容
タクシー運転手の仕事は、指定された場所まで乗客を送り届けることです。
タクシーの場合、目的地までのルートは決まっていません。そのため、乗客の目的地に応じて自分でルートを設定する必要があります。
道や観光スポットなどを覚えていた方がスムーズに送り届けられますが、ほとんどのタクシーにはナビが搭載されているため、道が分からなくても困ることはほとんどないでしょう。
また、バスのような時間制限もありません。ただ、乗客によっては急ぐよう頼まれることがあります。
また、タクシー運転手はいかに乗客を確保できるかによって収入が変わるため、営業効率が大切です。
営業方法には以下の3つがあります。
・流し:街中を走行しながら乗客を見つける方法
・付け待ち:駅やオフィス街など、タクシー需要が高めの場所に車を止めて乗客を待つ方法
・無線配車:自社から依頼された乗客を乗せる方法
3つの営業方法をうまく活用し、効率良く営業できればバス運転手よりもはるかに多くの収入を得ることが可能でしょう。
そして、タクシー運転手の仕事は自由度が高いのも特徴のひとつ。日勤・夜勤・隔日勤務の3種類から勤務形態を選択できます。それぞれの特徴は以下の通りです。
・日勤:通常のサラリーマンと同様に朝から夕方まで働く勤務形態。生活リズムが整いやすい。
・夜勤:夕方から翌朝まで働く勤務形態。一般の人たちとは生活リズムが反転するが、夜間帯はタクシー料金がアップするため稼ぎやすい。
・隔日勤務:朝から翌朝まで丸一日働く勤務形態。長時間労働のため体力が必要だが、夜間帯も働くため稼ぎやすく、長時間働いた分まとまった休みが取れるのがメリット。
タクシー運転手の基本的な勤務形態は隔日勤務ですが、日勤や夜勤も選択できる会社もあります。
さらに、勤務中は乗客がいなければ一人きりで過ごすため、ラジオをかけたり、休憩を挟んだり、勤務中でも自由に過ごしやすいのはタクシーの大きなメリットといえるでしょう。
バス運転手とタクシー向いている人の違い
では最後に、
・バス運転手に向いている人
・タクシー運転手に向いている人
それぞれの違いを確認しましょう。
バス運転手に向いている人
バス運転手に向いているのは以下のような人です。
・時間を厳守できる人
・目配りができる人
・安定した収入を得たい人
バスは時刻表の時間通りに運行しなければなりません。そのため、時間を厳守できる人の方が向いています。
また、バスの車体は普通車よりもはるかに大きく、全長約12メートルもあるバスもあります。車体が大きい分運転技術が必要なため、サイドミラーの確認や対向車との距離感など、より安全を意識した目配りが大切です。
そして、バス運転手は決まった時間運転していれば必ず収入が得られます。仕事内容により収入の差はありますが、たと乗客が0人でも収入が得られるのはバス運転手の大きなメリットです。
タクシー運転手に向いている人
タクシー運転手に向いているのは以下のような人です。
・自由に働きたい人
・自分を律することができる人
・より大きな収入を得たい人
タクシー運転手は、勤務形態を選択できます。また、車内で1人きりになる時間が多いため、勤務中でも自由に過ごすことが可能です。人の目がない分気楽に働けるでしょう。
ただし、自分を律することができなければ仕事は務まりません。1人で仕事をするということは、いくらサボったとしても注意してくれる人がいないわけです。しかも、収入は歩合制ですから、自分を律してきちんと仕事をする必要があります。
ただ、仕事の頑張りに応じて収入が上がるため、やる気と努力次第では高収入を目指すことが可能です。努力次第でいくらでも収入を増やせるため、やりがいを感じながら働けるでしょう。
まとめ
では最後に、この記事でご紹介した内容をまとめます。
バス運転手とタクシー運転手の平均年収の違いは以下の通りです。
・バス運転手:約466万円
・タクシー運転手:約358万円
数字だけを見ると、バス運転手の方が稼げるように感じるかもしれませんね。しかし、タクシー運転手は歩合給で収入を得るため個人差が大きいです。努力次第ではバス運転手よりもはるかに高収入を得られる可能性があります。
また、バス運転手とタクシー運転手の仕事内容の違いは以下の通りです。
【バスの仕事内容】
・決められたルート・時間通りに乗客を目的地まで送り届ける。
・路線バス・高速バス・観光バス・送迎バスの4種類に分類される。
路線バス:街中を走り、バス停からバス停までの区域を決められた時間通りに運行する
高速バス:主に高速道路をはしり、都市から都市へ移動する
観光バス:観光やレジャーを目的とした乗客の移動手段として利用される
送迎バス:学校や病院、スイミングスクールなどの送迎を行う
【タクシーの仕事内容】
・指定された場所まで乗客を送り届ける
・目的地までのルートは基本的に自分で決める
・バスのような時間制限は無い
・一人きりの時間が多く、勤務中も比較的自由に過ごせる
・勤務形態を選択できる
そして、バス運転手・タクシー運転手それぞれに向いているのは以下のような人です。
【バス運転手に向いている人】
・時間を厳守できる人
・目配りができる人
・安定した収入を得たい人
【タクシー運転手に向いている人】
・自由に働きたい人
・自分を律することができる人
・より大きな収入を得たい人
バス運転手もタクシー運転手も車を運転する仕事ですが、働き方や仕事の特徴などは大きく異なります。
ご紹介した内容をふまえ、バス運転手仕事は本当に自分に合っているのかしっかり考えてから転職しましょう。
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