タクシーの歴史は100年以上前の明治時代にさかのぼります。
1912年8月5日に営業を開始し、今日まで多くの方の交通の足となって昼夜運行しております。
タクシーも時代に応じて、お客様のニーズに対応しなくてはいけないのは言うまでもありません。
過疎化が進む地方の交通問題に加え、高齢化社会が進む今、タクシー業界はどうあるべきか、常日頃の課題と向き合っているからこそ、進化は止まる気配はないと言えましょう。
今回、そんな現代の救世主になるべく、とある実証実験を開始するというニュースが飛び込んでまいりました。
見出し
オートバックスが高齢者移動向けタクシー配車ボタン 実証実験
カー用品店最大手のオートバックスセブン社(本社:東京都江東区)は、高齢者などの移動・見守り支援とタクシーの確保・利用回復を目的とした「IoTプッシュボタンによるタクシー配車実証実験」を実施することを明らかにしました。
実証実験の期間は令和3年2月15日から3月12日まで。
大分市野津原地区にて、実証実験を開始するとのことです。
ボタン一つで配車が出来る…だけじゃない
主に高齢者の方々が病院・買い物等へ出かけるときや外出先から自宅に戻りたい際に「IoTプッシュボタン」を使用することで、自動的にタクシーの配車依頼が可能となるスグレモノ。
ボタンを押すだけで配車依頼ができるため、携帯電話を持っていない方でも、簡単に利用できるのが特徴です。
また、GPS機能により、体調不良や緊急時の呼び出し用としても利用することが可能で、『高齢者の見守りサービス』にも活用ができるという役割を持っています。
先駆けは2年前に登場の「タクシーダッシュボタン」
ちなみに全国を見渡してみると、2019年1月にモバイル・コマース・ソリューション株式会社より日本初のタクシー配車専用IoTデバイス「タクシーダッシュボタン」を製品化し、新潟県・宮城県・沖縄県の一部タクシー会社にて運用をスタートさせています。
こちらもやはりニーズは高齢者のタクシー利用がメインで、各種スマホや携帯電話などのモバイルデバイスを所持率が低いユーザー向けに開発された製品で、タクシー利用をされる高齢者のみなさんに支持を集めております。
地域活性化に一役
IoTプッシュボタンは持ち運びにも便利な『9.7cm×3.7cm、重さ40g』という手ごろなサイズ。
今回オートバックスセブン社と大分県は、「IoTプッシュボタン」4台を地域にお住まいの高齢者の方々へ配布するとのことです。
タクシーを安定的に利用される需要を確保することで、タクシー業界の新たなモビリティサービスの開発を支援し、地域活性化に貢献することが目的です。
これから~Opinion~
高齢化社会だけではなく人口減少や、タクシードライバーを含めた公共交通機関の人手不足が進む中、タクシー営業もタクシー業界だけで知恵を絞って策略を練るのは難しい状況に直面している時代であります。
こうした中で他の民間企業とタックを組み、「新たな視点」から利用される方のニーズを引き出し、それを具現化することが新たなモビリティサービスを生む近道ではないでしょうか。
新型コロナウイルス感染拡大が猛威を振るう2020年~2021年は尚更、移動手段の減少が多く発生しています。
従来のタクシーサービスをもってしても過疎化の進む地方などの地域のインフラ対策は最重要課題の一つでしょう。高齢者向けの移動手段の整備をタクシー会社プラス民間企業、或いは行政等とともに業界の垣根を越えて考えていくことがこれから先の時代に「生活しやすくする」「凸凹をなくしていく」のではないかと思います。