タクシー業界は男性の多い職場です。しかし、女性のタクシー運転手も男性運転手と同様に活躍しており、むしろ女性運転手は、男性運転手とは違った価値を持った存在となっています。
女性ドライバーは全体のわずか2%程度
タクシー業界における女性ドライバーの割合は、運転手全体の約2%程度しかいないとされています。
しかし、実際のところ、世の中には男性と女性がほぼ同様の割合で存在するわけです。業種によっては圧倒的に女性が多い職場もありますし、ほぼ男女同数の職場も多くあります。
にもかかわらず、タクシーでは、乗るたびに男性運転手に遭遇する可能性が圧倒的に高いですが、女性の乗客の中には、できれば女性運転手のタクシーに乗せてもらいたいと考えている人も大勢いると容易に想像できます。
そのため、配車センターへは女性運転手を希望する指名が入ることもありますし、あるいは女性運転手自らが、普段の仕事を通じて常連客を獲得して好成績を上げている事例もあるようです。
女性の視点から女性客に合ったサービスを実践
女性タクシー運転手には、男性運転手にはない細やかな気遣いができたり、女性客に好まれやすい接客姿勢や会話などを実践したりすることで、リピートを獲得している事例があります。
特に、運転については、女性運転手のほうが乗り心地に配慮した穏やかな運転をしてくれるといった、丁寧な運転に対する期待から、女性の乗客が同性である女性ドライバーを指名するといったニーズもあります。
また、深夜にタクシーに乗る場合など、仕事で疲れて深夜に帰宅する際には、男性運転手のタクシーに乗るよりも、女性運転手のタクシーのほうが安心できるといった意見もあります。
女性ならではの、お化粧直しも人の前ですることの抵抗感が、女性運転手の前だと少なく感じるようです。それは見知らぬ者同士の、異性の前に対して抱く距離感が、同性の場合では緩和されやすいということにあるでしょう。
女性同士だからこそ理解できる悩みや、異性だからこそ遠慮する場面もあります。必要以上に気を遣わなくてもいいという気安さや、安心感を感じられれことが求められる理由ではないでしょうか。
子供慣れしていることへの期待
女性運転手の中には、子供を産み育てた経験を持つ人もいることから、子供連れの乗客にとっては、子供や母親の心理状況を考えた接客や、車酔いをしない穏やかな運転への期待があります。
また、介護タクシーの運営、あるいは一般のタクシーでも高齢者の利用が多い会社については、女性運転手の心遣いが乗客受けするケースが見受けられるため、女性運転手を積極的に登用するタクシー会社が近年多くなっています。