この記事を読んで分かること
・タクシー運転の難しい点・対策法
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日本交通グループに1年勤務、DSP(ディスパッチャー日本交通タクシー乗り場の管理)・新卒採用担当(新卒採用での説明会)の業務を行っていました。業界の実務経験を経た説得力ある記事作りに定評があります。
タクシーの運転がマイカーの運転と違う6つのポイント
タクシーは初対面の人を乗せてお金をいただくという条件で運転するので、マイカーの運転と比べて難しいことは間違いありません。あらかじめどんな点が難しいのか知っておき、心の準備をしておきましょう。
マイカーと違う点1:走りながらお客さんを探すことが必要(東京23区の場合)
東京23区のタクシーは「流し」営業が基本なので、正面だけでなく道路の左側を見ながら運転する必要があります。そのため、うっかりすると前を走る車に追突しそうになることがあります。
しかし、これは慣れの問題です。経験が増えるにつれ、安全運転をしながらお客さんを探すということができるようになります。事故のリスクを減らしたいのであれば、駅や病院のタクシー乗り場に並んで営業する時間をなるべく増やすという方法もあります。
なお、東京23区以外の地域であれば路上でお客さんから手を挙げられる機会が少ないので、この点についての心配はほぼ不要と言って差し支えありません。
マイカーと違う点2:知らない道を走ることがよくある
現在のタクシーはカーナビが搭載されているのが一般的なので、ナビがあるから道に詳しくなくても大丈夫と考えるかもしれません。
しかし、初めて通る道はナビを使っていても分かりづらいことがよくあります。また、お客さんの指示通りに走る場合であっても指示の仕方があまり上手でない人も多く、目標物を通り過ぎてしまうこともあります。
もちろん、経験が増えれば増えるほど知らない道を走る機会は減るので、これも慣れの問題と考えておきましょう。
マイカーと違う点3:狭い道を通ることが必要になる
タクシー運転手は裏道を使わないと仕事にならないことがあります。裏道は狭いことが珍しくありませんが、マイカーに乗っているときなら迂回することができても、タクシーなら基本的に通らなくてはなりません。
経験が浅いうちは、狭い角を曲がるときに苦戦することもあるでしょう。ただし、車が通れないところに入るよう指示する人はほとんどいません。本当に無理だと感じたら進入を断っても問題になりませんので、どうしてもというときは丁寧にお断りしてください。
意外と「運転技術が足りないのは仕方ない」と考えて、その場で降りてくれたりするものです。
マイカーと違う点4:疲労や眠気のある中での運転が必要になる
隔日勤務の場合、1回の勤務で20時間くらい車の中で過ごすことになります。車の運転が好きでもこれくらいの時間を車の中で過ごすと疲れを感じますし、それが眠気につながるとさらに運転が難しくなります。
ただ、隔日勤務では最低3時間の休憩を取ることが必須なので、この休憩時間を上手に利用して疲労を最小限におさえるようにしてください。特に仮眠は重要なので、しっかり取るようにしましょう。
マイカーと違う点5:お客さんの話し相手をしながら走る必要がある
無理にお客さんと会話をする必要はありませんが、中には話し好きな人がいて、ルート確認が済まないうちから話したいことを矢継ぎ早に話し始める人もいます。そのような状況では安全運転をしながらルートを考え、さらに話し相手をするので運転が難しくなります。
ただ、こうしたお客さんの場合は話し相手がそれなりにできていれば(機嫌が良くなっているので)、ルートが多少違っていても問題になることは少ないです。また、チップをいただける可能性も高いです。
マイカーと違う点6:「急いでください」と言われることがある
タクシーには急いでいる人が乗車することが珍しくありません。多いときは1日に2~3人くらい、そうしたお客さんに当たることもあります。
急ぐと危険なので無理な運転は禁物ですが、だからと言ってのんびり運転しているようでは苦情になりかねません。プロとして安全運転と急ぐことの両立が求められるので、うまくバランスを取ることが必要です。
ペーパードライバーや運転経験の浅い人が入社前にやるべきこと
運転に苦手意識があるにもかかわらず、何もしないでただ会社のカリキュラムに従って独り立ちするというのはややプロ意識に欠けると言えます。できれば入社前に、以下のような対策をしておきましょう。
入社前にやるべきこと1:可能な限り運転経験を増やす
タクシー運転手になりたいものの、運転に自信がないというのであれば、とにかく可能な限り運転経験を増やすことが非常に重要です。
普通自動車第二種免許を取得し、各地のタクシー協会が実施する講習の受講を終えれば(東京、横浜など指定地域では試験に合格することも必要)タクシー運転手になることはできます。しかし、運転技術そのものが未熟ではお客さんも不安です。
本来なら会社が十分なトレーニングをしてから独り立ちさせるべきですが、残念ながらそうした会社は少ないでしょう。そのため、運転技術に自信がない人はマイカーやレンタカーを利用して、独り立ちするまでの間に可能な限り運転経験を増やしてください。
入社前にやるべきこと2:乗客としてタクシーに乗ってみる
運転が苦手なら、乗客としてタクシーに乗って先輩である運転手にアドバイスをしてもらうというのも1つの方法です。
当然ながら、誰でも初心者だった頃はあります。人によってはタクシー運転手になったばかりの体験談を話してくれるかもしれません。始めたばかりの頃はそれほど運転が得意ではなかったという人もきっと多いはずです。
まとめ
冒頭でも述べましたが、タクシー運転手は1回の乗務でかなりの距離を走ります。仮に1回の走行距離を250キロとすると月間で約3000キロ(12乗務)、年間では約3万6000キロになります。
地球の外周は約4万キロなので、1年間で地球を一周するくらいの距離を走ることになります。これだけ運転すれば誰でも運転技術は向上します。最初は不安かもしれませんが、1年も経てばそんな不安は消えてしまうでしょう。
ただ、どんなに経験を積んでも運転中は想定外のことが起きます。運転技術が上達しても常に油断せず、プロとして安全第一で運転することを忘れないでください。
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日本交通グループに1年勤務、DSP(ディスパッチャー日本交通タクシー乗り場の管理)・新卒採用担当(新卒採用での説明会)の業務を行っていました。業界の実務経験を経た説得力ある記事作りに定評があります。