地方在住者にとって、東京や神奈川、大阪などの大都市圏のタクシー会社に転職を志す場合に気がかりとなるのが、住まいの問題ではないでしょうか。そういった場合の強い味方が、寮を完備したタクシー会社です。
単身者向けの自社寮が主流
大都市圏のタクシー会社の中には、自社寮を用意しているところが多く見受けられます。自社は事業所に隣接、もしくは近隣に構えている、従業員専用の居住施設です。主に単身者の一人暮らしを対象としたワンルームタイプで、冷蔵庫などの家財道具があらかじめ備え付けられているケースが一般的です。
但し、風呂やトイレは共用使用で、なおかつ部屋の中では火気を使った自炊ができないところが多いのも特徴です。そのため、「寝に帰るための場所」という割り切りが必要となるケースもありますし、同じ会社の社員とひとつ屋根の下で暮らすことになるため、同僚との人間関係が面倒と感じる人も見受けられます。
一方で、寮費は格安に設定されている場合がほとんどですし、光熱費を無料としているところも多くなっています。そのため、毎月の出費を抑えつつ仕事に専念して貯金を増やしたい人や、転職の際に部屋を借りるための初期費用負担が苦しいという人でも、手軽に住居を確保できるのは大きなメリットです。
民間マンションを借り上げて寮としている例も
主に一人暮らしを対象とした自社寮に対し、家族連れの世帯を対象に、民間の賃貸マンションを借り上げて寮として活用しているケースもあります。
この場合、一般的なマンションと同様に、風呂やトイレが世帯ごとに完備されていますし、通常のキッチンも使うことができます。なおかつ世帯それぞれのプライバシーを保ちやすいことから、ファミリーでも暮らしやすいという特徴があります。
一人暮らし向けの自社寮と比べると、月々の家賃は若干高くなるものの、同一エリア内の他のマンションと比べると割安な家賃設定となっているケースが主流です。このほか、従業員が自分自身で部屋を借り、家賃の一部を補助するシステムを採用している会社もあります。
寮の利用システムは事前にしっかりと確認しよう
タクシー会社に限らず、企業が寮を用意する背景には、住居に関する従業員の心配や負担の軽減を図る狙いがあります。これにより、経験者のみならず異業種からの転職組も含め、やる気のある優秀な人材の入社を促進し、安心して業務に集中してもらいたいと考えているのです。
但し、入居可能期間を区切っている例や、家賃が段階的に引き上げられていく例も見受けられます。そのため、会社側との齟齬が起きることのないよう、事前に寮の利用システムに関してしっかりと確認しておくことが大切です。