この記事を読んで分かること
・タクシー会社の面接の自己紹介で話すべき事
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日本交通グループに1年勤務、DSP(ディスパッチャー日本交通タクシー乗り場の管理)・新卒採用担当(新卒採用での説明会)の業務を行っていました。業界の実務経験を経た説得力ある記事作りに定評があります。
面接では自己紹介を求められることがよくありますが、タクシードライバーの中途採用では「1分間で自己紹介してください」といった形で求められることは少ないです。
ただし、履歴書を見ながら質問するという形ではいろいろと尋ねられるので、自身について語ることが必要となる点では同じです。
この記事では、実際に大手タクシー会社「日本交通」に勤めていた私が、タクシードライバーの中途採用の面接において話すべきポイントについて解説します。
自己紹介と自己PRの違いとは?
自己紹介と自己PRは似ていますが、これらには違いがあります。それぞれのポイントを理解して、どちらを聞かれた場合も面接官が知りたがっていることを話せるようにしましょう。
結論から言うと、違いは以下の通りです。
・自己紹介:自分を知ってもらう
・自己PR:魅力を知ってもらう
自己紹介:自分を知ってもらう
面接で「自己紹介」を求められたときは、自身の基本的な情報(居住地や前職など)を伝えることを意識して話す内容を伝えます。
通常、この質問は面接の冒頭で行われるので、経歴やスペックにあたるような点について話すのが基本になります。
その後、タクシーの仕事に通じるようなことを自然に関連付けて話すと面接官に興味を持ってもらいやすくなります。
自己PR:魅力を知ってもらう
自己紹介に対して、面接で「自己PR」を求められたときは、自身の魅力(職業への適正)を伝えることを意識して話しましょう。自身の経歴からこの仕事に役立つと思われる点について関連付けて話すようにしてください。
「PR」と言っても他者より優れていることが必要というわけではありません。「この人はタクシーの仕事をやっていけそうだ」と面接官にイメージしてもらえれば十分です。そのため、自身の経歴や趣味の中からタクシーの仕事に役立ちそうなスキルを探してアピールしましょう。
自己紹介で伝えるべき3つの項目
タクシードライバーという仕事は一般的な職種と比べてやや特殊な要素(勤務時間など)があるので、面接官は採用したあとにすぐ辞めてしまわないかどうかを気にしています。
そこで、自己紹介ではあなたがタクシーの仕事に適性がありそうだと考えられる要素を盛り込みましょう。具体的には以下の3点です。
・ タクシーの仕事をしたいと思った理由(動機)
・コミュニケーション力(接客)
・車の運転経験について
なぜタクシードライバーになりたいと思ったのかという理由は、面接官が興味を持つ可能性が高いです。そのため、面接官が納得できる理由をきちんと説明できるようにしておいてください。
また、タクシーの仕事を分解すると「運転」と「接客」が主な要素になります。そのため、この2点についてプラスになる点を伝えることが自己紹介においてはポイントになります。
「自己紹介をお願いします」と聞かれた時の回答例
先述の通り、タクシードライバーの採用面接で「1分間で自己紹介してください」と言われる可能性はそれほど高くありませんが、絶対にないとは言い切れません。心配な方は万が一に備え、30秒~1分程度の自己紹介ができるように準備しておきましょう。
自己紹介を求められる理由
あなたのことは履歴書を見ればわかるので、不明な点は質問すれば解消します。あえて自己紹介を求める理由は面接官によっても異なりますが、タクシードライバーが乗客と話す必要のある仕事であるため、聞かれたことに対して簡潔に回答する力をみる目的が考えられます。
回答のポイント
「自己紹介と自己PRの違い」のところでも触れましたが、自身の特技や性格など、候補にあがる項目の中からタクシードライバーとしての仕事に役立ちそうなところをピックアップして話すのが理想です。
タクシーの仕事は運転と接客が主な要素ですが、他にも会話が好き、コツコツと物事に取り組むのが得意(単価の安い仕事を積み重ねることも大事なので)といった特徴でもタクシーの仕事をするうえでプラスに評価されます。
回答例
「東京都豊島区在住の山田と申します。大学を卒業してから約10年間、中央区にある○○産業という会社で精密機器の営業を担当していました。23区内にある約200件の得意先を社用車で定期的に訪問していたので、都内での運転には慣れています。
また、得意先を接待後にタクシーでお送りすることも多く、タクシーを身近に感じていたのがこの仕事に興味を持ったきっかけです。よろしくお願いいたします」
タクシー会社でよく聞かれる質問と回答例
タクシードライバーの転職面接でよく聞かれる質問(自己紹介の要素のあるもの)と、その回答例を紹介します。
具体的には以下の3点です。
・質問例1:「コミュニケーション力に自信はありますか?」
・質問例2:「過去の交通事故や違反歴について教えてください」
・質問例3:「健康状態は良好ですか?」
質問例1:「コミュニケーション力に自信はありますか?」
回答例
「昔から人付き合いは積極的なほうで、友人と飲みに行く機会も多いです。そのため、コミュニケーション力には自信があります。会話で困ることはあまりありませんが、自分から話をしすぎても嫌がられるので普段はおさえるようにしています」
「正直なところ、コミュニケーションはあまり得意な方ではありません。そのため、他人と話すときはいつも聞き役に徹するようにしています。振られた話題に合わせるくらいなら問題なくできます」
回答のポイント
会話が得意という理由でコミュニケーション力があると自負している方は注意が必要です。なぜなら、乗客が運転手との会話を求めているとは限らない(静かにしていたい人もいる)からです。
そのため、会話が得意とアピールしすぎることはせず、あくまで相手に合った話をするのが得意だと伝わるように工夫してください。
会話がそれほど得意でない場合は聞き役に徹するようにしているとアピールすれば問題ありません。
質問例2:「過去の交通事故や違反歴について教えてください」
タクシードライバーは車を運転する仕事なので、それまでの運転経歴を面接で質問される可能性は高いです。
そのため、交通事故や違反の経験がある場合は自動車安全運転センターが発行する「運転記録証明書」(過去5年間のもの)を入手して、記録が残っている場合はきちんと説明できるようにしておいてください。
回答例
「私は約3年前に、対向車との接触事故を起こしています。これは相手方が自転車を避ける目的でセンターラインを急にはみ出したことが原因で、相手方の過失が9割ということで解決しています。ドライブレコーダーの映像が残っていたのでこちらの主張がほぼ通りました」
回答のポイント
交通事故や交通違反の経験がある場合、過去5年間については記録が残っています。タクシー会社に入社する場合は通常、運転記録証明書の提出を求められるので、隠しても入社の段階で知られてしまいます。
面接で質問された場合、交通事故ならどんな事故だったのか、何が原因だったのかを具体的に伝えてください。交通違反については内容や頻度に問題がなければ採用に影響する可能性は低いでしょう。
質問例3:「健康状態は良好ですか?」
タクシードライバーという仕事は健康状態が原因で採用されないこともあります。糖尿病など運転中に意識を失う可能性がある疾患を抱えているような場合がその一例です。そこで、健康状態に問題がある場合の回答例や回答のポイントを解説します。
回答例
「私は2型糖尿病ですが、血糖値のコントロールはできていますし、定期的に医師の診察を受けています。特に投薬や治療も受けておらず、医師からも運転については問題ないと言われています。」
回答のポイント
何らかの健康上の問題を抱えていても、適切な対応ができていれば採用において問題にならない可能性は十分にあります。そのため、何か気になる疾患を抱えている場合は面接のときに正直に話し、どのような対応をすれば乗務できるのか相談するつもりで望んでください。
まとめ
面接の自己紹介と聞くと指定された時間、自分で話し続ける形式のものをイメージしてしまうでしょうが、タクシードライバーの中途採用の面接でそのような形式が採られることはそれほど多くありません。
タクシードライバーという仕事に「上手に話す力」は不要です。仮に自己紹介を求められて上手く話せなかったとしても、それだけで不採用になることはないのでそれほど気にする必要はないでしょう。
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日本交通グループに1年勤務、DSP(ディスパッチャー日本交通タクシー乗り場の管理)・新卒採用担当(新卒採用での説明会)の業務を行っていました。業界の実務経験を経た説得力ある記事作りに定評があります。