あの灼熱の夏、思えば月の半分を地方で過ごしていた私ですが、通常であれば教習所(自動車学校)卒業後に地元へ帰宅すると、翌日に各管轄の運転免許試験場へ行き学科試験→合格→晴れて免許取得!となるのでしょう。
…しかし私の場合、大人の事情でどうしても平日が調整できず…。約1か月後の運転免許取得挑戦となりました(笑)。
さてさて今回は最終章『いよいよ本番!地元で学科~免許取得編』となります。(地域によっては運転免許センターという呼び名もあります)
見出し
自動車運転免許って?
ここでおさらいをしましょう。
自動車運転免許の区分は主に3種類あります。
通常の自動車・自動二輪の運転時に必要な「第一種免許」と、バス・タクシーの営業時に必要な「第二種免許」、そして「仮免許」です。
ちなみに平成29年度より免許制度に変更があり、新たに「準中型自動車」が創設されたことを機に、対応する免許として「準中型免許」、「準中型仮免許」が新設。これに伴い、普通自動車・中型自動車の基準も変更となりました。
ちなみにタクシーの場合、「回送運転」の際は二種免許は必要がありません。そのため、タクシー会社に勤務する管理者や内勤の方は車庫内の移動や事情によりお客様を乗せず「回送」で運転する際は、普通自動車免許でも運転が可能となっております。
ここまでの流れ
さてさて、筆者は7月に自動車運転免許取得のために自動車学校へ入校。その後約半月の間、自宅から遠く離れた地方での久々となる一人暮らしをスタートさせました(と言っても個室寮ですが)。
とにかく合宿免許は1日があっという間!そして超詰め込み型というのが特徴ではないでしょうか。…まさか初日から車を運転するとは思いませんでした。
第一段階はまさかの見極め前で不合格…その後はなんとかすべて一発でクリアし第二段階、卒業検定を無事通過して、見事自動車学校(教習所)を卒業!
これで晴れて免許取得…ではなく「運転免許試験を受講する際の技能試験免除の資格を得られた」ことになりました。
半月ぶりの帰宅も余韻なし
7月に入校~8月に卒業を迎え、気が付くと季節も変わり、梅雨も明けており…半月も縁もゆかりもない場所で過ごしたと思うと、なんだか自分でも「よく頑張ったんだな…」という気持ちになります。。
さて優越感は置いておいて、冒頭でお伝えの通り平日の休みが取れなかったため、どうしようかと考えた矢先…「日曜日でも試験を受講できる」という話を聞き、早速調べて応募!第一希望から第三希望までを往復はがきに明記し、投函…すると約3日後に電話が!!
そこで担当者と日程調整をする訳なのですが……
「最短9月下旬になります。」との回答が。
おいおいー!1か月以上空白の期間が発生してしまう事態になってしまいました。
▼以下は神奈川県を参考に明記してあります。(都道府県によって試験対応可能可否は大きく変わりますのでご注意ください。)
◆日曜日における普通免許学科試験について(神奈川県)
▼受験対象者
・神奈川県内に住民登録があり、指定自動車教習所の卒業者(検査合格者は除く)又は、運転免許センターでの直接受験者(普通仮免許技能試験合格者)のうち、普通免許の学科試験を初めて受験する方で現に運転免許(原付、小特を除く)を所持していない方に限ります。※再受験や自動二輪免許受験の方の受付は不可とのこと。
リスクが多い「仮免許運転練習」
教習所を卒業後、仮免許を取得している段階での運転はもちろん禁止されていますが、練習をするのであれば条件付きで可能となっております。
ただしかなりリスクが多いのも事実。思い出してみると仮免許での第二段階研修期間は助手席に教習官が座っており、おまけに補助ブレーキも搭載されている『教習車』であったため、万が一の際も安心して運転できるという利点がありました。
また、仮免許で路上運転する際の必須条件として、『助手席に「①練習する車両を運転することが可能な第一種免許取得期間が通算3年以上の者(免許停止期間は除く)、②または第二種免許を取得している者、③指定自動車教習所の教習指導員」のいずれかに該当する者を乗せないといけない』ことから、教習所卒業後は必ず該当するいずれかの方を助手席に同乗してもらい、「仮免許練習中」の標識を車の前後にしっかり張り付けなければなりません。
私も教習所を卒業後、2度ほど実際に家の周りだけを仮免許で練習を行いましたが、実はこの標識もかなりルールが厳しく、最終的には某大手ショッピングモールの通販サイトで仮免許のマグネットが販売されていたのでそちらで間に合わせた次第でした。
仮免許の標識は原則白地(横30cm以上、縦17cm以上)に黒文字で「仮免許練習中」と記入し、車の前後見やすい位置(地上0.4m以上、1.2m以下)にしっかりと張り付けます。また、高速道路や自動車専用道路、交通が多い道路では練習は行えません。
それに自動車保険も適応されないので、かなりリスクは高いです…。
ひたすら学科勉強?
本番まで1か月あまり時間があったので、もうひたすら学科試験の勉強でした。
……と言いたいところでしたが、家族を抱え、仕事に仕える身。そう時間はたくさん取れる訳でもないのも事実で、まずタイムスケジュールをうまく駆使するかが重要ということが今回の大きな要となりました。
芸能人ばりに「~時~分」とマネージャーでもいればもっとうまくいったのかもしれませんが、さすがにそんな贅沢は出来ません(笑)。
移動は常にタクシーで…なんて庶民には夢のような話です笑。
とにかく空いた時間でとは言うものの、問題集もどれを手を付けてよいかわからない…。
地方の合宿免許であったため、教習所で購入した試験対策教本は『他県版』で、果たしてこれが役立つのか…(結論運転免許試験場の問題対策には役立ちました)。
とにかく上手~く予定を立てないことには、つぶれてしまいそうな気に駆られ、いよいよ孤独な闘いが幕を開けるわけです。
移動時間は「アプリ」を使って自習
勉強で隙間時間役に立ったのが、「アプリ」の存在でした。
これだけ便利な時代ですし、何か運転免許試験対策的なアプリはあるのではと、某アプリストアで検索をしてみると予想通り、運転免許試験問題集のアプリを発見!
運転の基礎知識から標識・表示・信号・道路の走行方法・追い越し・駐停車・危険状況下での運転・二輪関連・危険予測など、実際の試験に基づいた問題が盛り沢山に含まれており、間違えると反復で練習ができるので、基礎を覚えるのに打ってつけでした。
ぜひおすすめですが、並行して何かしらの問題集でご自身で模擬試験を行うことも強くお勧めします。
知ってました?「裏校」の存在
運転免許を取得された方なら多くの方が一度は目にしたことがある怪しい看板…。
「合格率90パーセント以上!」「目指せ一発合格!」など、運転免許センター・試験場周辺にある施設の数々。
県内によっては「裏校」や「闇校」と言った呼び名があり、試験本番前に不安な方が当日その施設で勉強をしていく…というものですが、周囲の方々に聞くと「当日の試験問題がそっくりそのまま出た!」という話が多かったのが驚きでした。
筆者も教習所から帰宅後に近隣の方や友人達によってその存在を知り、「受験まで1か月も空くなら絶対行ったほうがいい」という声もあれば「あそこに通うなんてよっぽどできない人だよ」「原付バイクの免許を取る際はお世話になったけど、自動車免許の時は流石に行かなかったなぁ」と意見が割れたのも興味深かったです。
ただ事前に話を聞いたほとんどの人が「当日の試験問題が何故か出た」ということで、一応気になって現代人の性、インターネットで検索すると、真相は不明ながらも「過去問のデータを参考に出題し作成している」という記事を発見(笑)!
……で、ですね、話のタネと思い行ってみました。
日曜日試験が午後からのみということで、朝8:00~から空いている裏校へ!受付の際に「試験場の問題は一部変更があり、うちの問題はあくまで過去問です」という前置きが必ずあり、そりゃその通りであろうと心の中でツッコミを入れながら席に着く…そして勉強方法は『過去問』という問題をひたすら反復する。
これを当日の約3時間みっちり勉強し、本番へと望むという流れになります。
驚いたのは意外と訪れる人が多かったということ、やはり現時点の勉強の実力が不安な方が口コミを通じ、当日通われているという雰囲気がそこにありました。
いざ決戦の地「運転免許試験場」
いよいよ本番が近づいてまいりました。
勉強してきた事が無駄にならないよう、そしてうっかりミスや忘れてしまったりなどないよう、いつもなら誰かと仲良くなって話したり…としたいところですが、流石に今回はそういう訳にいかず、終始無言を貫くのが精いっぱい。
何せ相手は難攻不落の「〇〇県警の管轄」ですから笑。本当に実力勝負。
ちょっとやそっとのミスは許されないのです。(普通ならば)
絶対やってはいけないこと
ここで当たり前なのですが、一応念のため、運転免許試験本番当日、絶対やってはいけないことをお伝えしようと思います。
仮免許の状態で運転してくること。
…当たり前ですよね。いくら何でもこれはお分かりいただけると思います。
仮に当日免許が交付されるからと言って、調子に乗って仮免許証で来場してきたとします。
運転免許センター周辺は管轄の巡査員が常駐しており、何かあった際は一目散に飛んでまいります。
もしそこで仮免許でしかも条件を満たしていない状態で運転免許センターへやってきて事故でも起こしたものなら、もうその日の運転免許交付は不可でしょう。
「自動車学校卒業見込み」で申し込むこと。
これは事前にどこかしらのタイミングで確認が入るので、その際に指摘はされます。
自動車免許取得の際、学科試験を運転免許試験場・運転免許センターにて申し込む際、必ず自動車学校(教習所)を卒業後に受験すること、申し込むことが必須となっています。
いくら「明日卒業検定で受かる可能性大」でも「卒業見込み」では受付は一切NGです。
いよいよ本番…適正検査&学科試験
申し込みも無事に済ませ、適正検査がスタート!簡単な視力検査のみでしたが無事クリア。
ここがまず最初の階段なので、緊張しましたが、思ったよりはスムーズだったので安心。
そしていよいよ運命の学科試験。受験時間は50分間、95問で100点満点中90点以上で合格となります。特にこれは全国共通だとは思いますが最後の5問はイラスト問題で、正解すれば1問につき2点という美味しい内容なので、単純なミスや見落とし、ど忘れが命取りになりかねません。
問題を解いてみての感想は、正直なところ「思っていたよりは難しくなかった」というのが本音ですが、当然本番は一問一問丁寧に解くのが精いっぱい。久しぶりに手汗がすごかったのを覚えています。
単純な問題ほど、最後まできちんと問題文を読まないと引っ掛け問題も多いので注意が必要です。嫌ですね日本語って複雑で…笑。
以前にもお伝えの通りすべて「正・誤」をマークシートで回答する形式となっており、教習所や販売されている問題集はほとんど「難しくできている」というのがわかりました。それでもやっておくべきだと心底思いましたし、余裕がなかったのも、返って真剣に取り組めた要素だったのではないかと思います。
超緊張の発表!!
あっという間の試験も終了。
50分でしたが途中30分経過の際に声かけがあり、残り10分でも同様に声掛けがありました。
不明な問題や自信がない問題は先送りにし、残された時間でそれらは記憶を頼りに解いていく…そんなような感じでした。
そして休憩時間をはさみ、いよいよ胸がドキドキの合格発表の時間が訪れます…。
念願の免許証初交付!今日からドライバー
私の受験番号は137番(仮)。
前述したとおり事情により日曜日しか試験が受けれないため、万が一不合格だった場合は無理くりにでも平日に入れるしかないと、腹を括って待っておりました。
教習所(自動車学校)卒業から運転免許試験まで1ヵ月も空いた身です。仕方ありませんし、やるだけのことはやりました。ダメならそこまで。
寧ろ普通は教習所(自動車学校)を卒業して間もなく運転免許試験場へ足を運び、学科試験を受けて晴れの免許…という流れなのを、こちらの事情でブランクが空いてしまったわけです。
不安はありましたが、試験終了後はもうスッキリしていました。
さて、合格発表…。
大会議室的な場所に数個のモニターがあり、そこに合格者が映し出された瞬間、周囲は意外とシーンとしていました(笑)。
結構「よっしゃー!!」とかいうのかと思ったんですが、以外と皆さん静か、でもきっと心の中で喜んでいたことでしょう。
で、私はというと…………無事合格しましたァ!!
ありがとうございます!!(もったいぶってごめんなさい)
見事一発合格!!
今だから言えますが「これだけ記事を書いておいて、もし落ちたらどうしよう…」と、それだけが本当に不安でした(笑)。
交付の流れ…
合格発表後は、安全協会の加入のご案内(入会すれば更新の知らせや更新時の優先など)など、事務的な案内があった後、いよいよ合格者のみの特権、免許証の写真撮影と交付です。
噂には聞いていましたが、写真撮影は本当にあっさりのベルトコンベア式、「ハイ笑顔で~、もう少し顎ひいてください~」とかそういうフォローは一切ありませんでした。
この間自分自身の試験の点数も判明!97点とのことでした。一安心♪
初心者だからこその注意点
こうして私も晴れてドライバーの仲間入りとなった訳です。
3年が経過すればバス、タクシードライバーの運転資格が可能な第二種免許を取得できる権利も得るという訳です。
ただし現時点では新人、言わば見習いのようなわけで、運転免許取得後1年間は『初心者マーク』を車両の前後に着けて走行しなくてはいけません。
※ちなみに試験場の学科問題で『初心者マークや仮免許マークは車の前に着ける』や『車の後方に着ける』という問題が出題されたらそれらは引っ掛けですのでご注意!
そして『初心者マーク』は1年間という期間としっかり厳守することと、累積点数も通常6点あるものが、最初の一年間は3点からスタートと、厳しいものとなっております。
これは考え方によっては「きちんと気を引き締めて走る」という事をより初心者ドライバーには求められるという事は言えるでしょう。…もちろんベテランドライバーにも同じことが言えます。
まとめ
7月からスタートして、8月に合宿免許の教習所を卒業、そしてようやく9月になって自動車運転免許を無事取得。
社会人になってから免許を取得となると、通いで自動車運転免許を取得されるには半年以上かかるケースもあると聞きます。
世間はコロナウイルスが猛威を振るう真っ只中、幸か不幸か時間が出来たため、「今なら免許が取れる」という事で始まったこの企画。ここまで本当に苦労したのですが、思えば考え込んだり、悩む暇もないくらい一日が早く通り過ぎたというのが、正直な印象です。
あらためて感じたのは、免許取得の難しさ、大変さでありましょう。
二種免許も同じです。今回訪れた教習所は二種免許のコースも併設されている場所でしたので、タクシードライバーの養成でいらっしゃった方にもお話が聞けたことも大きく、運転には細心の注意も払いつつ、お客様への配慮も忘れないという、タクシードライバーの凄さを再確認した次第です。
これからタクシードライバーとして第二種免許を取得される方も、あるいは初めて運転免許を取得する方も、是非今回の『合宿免許へ潜入㊙取材!』シリーズをご参考にしていただけたら嬉しい限りです。
長らくシリーズをお読みいただきましてありがとうございました!
▼バックナンバー