いわゆる「エコ」が叫ばれるようになって久しいですが、様々なジャンルの産業の中でも、エコに対して特に厳しい視線が注がれているのが自動車業界です。自動車は、多種多様な資源を加工して製造されるだけでなく、動力源として化石燃料を消費し、なおかつ排気ガスを発生するという特性があります。
しかも、世界中に数えきれないほどの台数の自動車が走っているわけですから、エコに対する要求が高まるのも当然ではあります。そして自動車業界のみならず、自動車を用いてビジネスやサービスをおこなうタクシーやバス、トラックなどの運輸業界に対しても、より一層のエコドライブが強く求められています。
エコドライブは難しくない
エコドライブには様々な取り組み方があります。「アクセル操作を穏やかにする」「車間距離を長めに空けて、加減速の必要頻度を減らす」「フットブレーキを踏む前にエンジンブレーキを適切に用いる」「空気圧を適正に保つ」「燃費実績を帳簿につける」といった取り組みが挙げられますが、これらは決して難しいものではありません。このような取り組みを地道に実践することにより、エコドライブのメリットを享受することができます。
エコドライブによる経済性や安全性の向上
エコドライブを実践すると、燃費の改善によって、環境に悪影響を与える排出ガスを減らすことができるだけでなく、無駄な燃料消費を減らすことによって、燃料代の節約につながります。加えて、丁寧な運転を心がけることにより、自動車の走行にかかわるエンジンやトランスミッション、サスペンションやタイヤ、ブレーキなどの装備全般の無駄な損耗が減り、自動車の部品を長持ちさせることができます。
タクシー会社または個人タクシーの運転手でも、消耗品や燃料の出費は少しでも抑えたいものです。結果として、経済性と安全性両方の向上にもつながってくることから、タクシー運転手にとってもエコドライブは大きなメリットがあると言えるでしょう。
エコドライブによる快適性の向上
タクシー運転手は、乗客を目的地まで運んで対価をもらうプロフェッショナル・ドライバーです。だからこそ、エコドライブ以前の義務として、乗客本位の優しい運転テクニックが強く求められます。
タクシーは乗客あっての商売です。ぞんざいな運転をして乗客に不快な思いや怖い思いをさせると、タクシーに気軽に乗ろうという気が失せてしまい、乗客離れを招きかねません。タクシー会社や業界全体がエコドライブを推進することにより、あらゆるタクシーの運転が丁寧になれば乗客の好感度も上昇し、タクシーを気軽に利用してもらいやすくなる効果が期待できます。