タクシー運転手の服装というと、パリッと糊の効いたワイシャツの上にダーク調の背広あるいはベストを羽織り、シャープな印象のストライプ柄のネクタイをキリリと締めているイメージがあります。実際には、タクシー会社によって着用する服装に関する取り扱いやルールに違いが見受けられます。

多くのタクシー会社が制服を設定

現在では、大手から中堅規模まで、多くのタクシー会社で制服着用が主流となっています。例えば、京阪神を基盤とする阪急タクシーは、濃いグレーのスーツ上下に濃紺のネクタイを着用しており、精悍な印象を受けます。

新潟の万代タクシーでは、濃紺のスーツ上下にエンジ色のストライプ柄ネクタイを締め、さらに制帽を凛々しく被っています。この制帽については、タクシー会社によって導入していない事例も見受けられます。また、多くのタクシー会社では、運転手が白手袋を着用しています。

男女問わずパンツスーツ着用が主流

タクシー業界は、まだまだ男性ドライバーが多くを占めているのが現状です。ただ、少しずつではありますが、女性ドライバーも増えてきています。女性ドライバーの制服については、男性ドライバーと共通のデザインを採用しているところや、通常のネクタイの代わりに蝶ネクタイもしくはスカーフを着用している事例、あるいは根本的に男女別のデザインとしている会社もあります。

また、女性ドライバーはスカートではなくパンツスーツを着用するのが一般的ですが、タクシー会社によっては、パンツスーツにするかスカートにするかの判断を女性ドライバーに委ねているケース（福岡のパンダタクシーなど）もあります。

夏場はクールビズも定着

昨今のビジネスの現場では、あらゆる業種において夏季のクールビズが定着しています。この傾向にあわせて、タクシー乗務員にもクールビズを導入するのが一般化しています。単に流行りだからというわけではなく、タクシー車内のエアコン設定温度をオフィスなどと同等の26～28度に設定することで、エアコン作動による燃費悪化を抑えてエコにも貢献しています。さらに、クールビズを実践している乗客に対して、クーラーの効きすぎによる不快感を減らすことにもつながっています。

制服は無償貸与が多いが有償レンタルの場合も

運転手に制服着用を義務付けているタクシー会社の場合、制服は無償貸与というところが一般的ですが、中には有償レンタル扱いとし、毎月の給与から若干の天引きをしているケースもあります。少額とはいえ制服代が毎月のように天引きされるルールに関して、いささか抵抗を感じる人もいると思います。制服の費用負担や使用のルールについて、入社前に確認しておくことをおすすめします。