タクシーは景気によって左右されやすい業種と言われますが、景気だけにとどまらず、いわゆる「縁起」によっても、タクシー利用者の数が左右されやすいものです。
暦に基づいて行動する国民性を理解する
カレンダーに「大安」「仏滅」などの暦(六曜暦)が書かれているのはご周知のとおりだと思います。「結構気にするよ」という人もいれば、「あまり気にしないよ」という人もいます。中には、「そんなものは迷信だ」「非科学的だ」という否定的な意見の人もいます。
ただ、自分自身が気にする気にしないにかかわらず、参加予定のイベントが大安吉日に実施されることになっていたり、あるいは、大安は施設を借りるのに値段が高かったり予約を取りにくかったりするのを実感する場面があるかと思います。言い換えれば、日本人の行動パターンは、多少なりとも暦に影響されているのです。その前提に立ち、タクシードライバーも暦を意識して行動すると、乗客を獲得するチャンスを増やすことにつながります。
大安は門出を記念する行事に重視
暦の中で最も縁起が良いとされているのが、やはり「大安」です。万事において最も縁起がよいとされており、結婚や建築、引越や開店など、いわゆる門出となる記念行事をこの日に行う人や企業が多く見られます。行事があるということは、多くの人が集いますので、タクシーへのニーズが普段よりも高まることになります。
特に結婚式、工場などの完成式典の日、商業施設のオープン日などは、多くの人々が集まります。そういったチャンスを逃さないために、暦を普段からこまめにチェックするのはもちろん、担当エリアの結婚式場の様子や建築中の施設の進捗状況なども日頃からウォッチしておくのがおすすめです。
また、結婚式場のみならず、二次会の開催場所として人気のあるゲストハウスや飲食店などをウェブサイトなどで下調べしておくのも、集客アップにつながる有効な作戦だと言えます。
大安以外の日は時間帯に賭ける
大安は最も縁起が良いとされているのは大勢の人が知っていることですし、できれば大安吉日に門出を祝したいと考える人や企業は多いものです。
ただ、大安は結婚式場が先約で埋まって予約できないなどの様々な事情で、大安以外にイベントを実施するケースもあります。しかし、大安以外は全て縁起が悪いかというと必ずしもそうではなく、他の暦でも時間帯によっては縁起がよいとされるものがあります。例えば「先勝」は午前中、「友引」は午前中と夜、「先負」は午後。それぞれ縁起が良いとされています。
そういったタイミングでおこなわれる行事を事前に把握できれば、それに合わせて現場で付け待ちをするなどの作戦を実行することができます。