タクシー業界ニュース~2019年4月迄
タクシー業界の様々なニュースを取り上げる業界ニュース。最新ニュースをお届けします。こちらは2020年1月~4月のニュースをまとめた記事です。ニュース記事をまとめ、筆者自身の考えも加えています。 タクシー業界ニュース2019バックナンバーはこちらこの記事を読んで分かること 2020年1月~2020年4月に起こったタクシー業界のニュース。 この記事をすべて読み終わるまで22分0秒かかります。
2020年1月~4月
2020年4月
▼【4/24】 東京都が二種旅客業の新型コロナ感染拡大防止設備に補助金
都内の法人・個人・ハイヤーを含むタクシー事業者については、車内運転席と後部座席を隔離する飛沫感染防止策として、限度額1台あたり8000円(事業経費の4/5)を補助するとのこと。都内の観光バス事業者には限度額1台あたり80,000円(事業経費の4/5)を補助する。
こうした制度は都内に限らず、各地方での補助金制度の申し入れが発生している。各タクシー会社が乗客・乗務員への安全を確保するために、雇用調整助成金の申請簡素化も含め全国47都道府県自治体が早急に動き出せるよう期待したい。▼【4/17】 いわき市のタクシー会社が「買い物代行」の新サービス開始
『通常のタクシー運賃+商品代』だけで、手数料は無料とのこと。注文を依頼した方から電話で依頼を受けるとタクシードライバーが注文先で買い物リストを受け取る→タクシードライバーは最寄のスーパーやコンビニエンスストア、ドラッグストアなどで買い物をし、注文を依頼した方に届けて精算する仕組みとなっている。
福島運輸支局によると、本来のタクシー事業を妨げない範囲でサービスを提供する行為で、タクシー事業者の救援事業に当たるため、問題ないとしている。 このようなサービスは全国的に広がりを見せており、 広島県福山市のアサヒタクシーでも同様に買い物代行タクシーのサービス、宮城県仙台市では出来立て料理をお届けする「タクデリ」、関東地方でも買い物代行サービスを行う会社が増えている。▼【4/10】近畿運輸局が9月までタクシーに特例休車認可
▼【4/3】 中国大手企業などからマスク寄贈
新型コロナウイルスの感染拡大でマスクの品薄状態が続く昨今、全国ハイヤー・タクシー連合会と日本バス協会は中国のネット通販最大手「アリババ」の創業者、ジャック・マー氏からマスクの寄贈を受けた。今回の寄贈は、マー氏が会長を務める「アリババ公益基金会」「馬雲公益基金会」が日本に寄贈した100万枚の一部。配布先の内訳は医療機関を筆頭に自治体がメインとなっており、東京都に10万枚。公共交通機関ではバス・タクシーのほかにもJR各社にも届けられた。
日本から中国への支援物資として防護服などが提供されあことへの恩返しだと話していた。
また、東京の大手タクシー会社の「大和自動車交通」も業務提携する中国・上海市のタクシー大手「大衆交通」から3,600枚のマスクを受け取った。 いずれも新型コロナウイルスの感染防止対策として大和自動車交通が今年、大衆交通に2回、合計で3,650回送り届けている経緯があった。大衆交通は「新型コロナウイルス発生当初、防疫物資が不足の際も救いの手を差し伸べてくれた。誠実な友情に感謝する。共に努力すれば疫病に打ち勝てるだろう」とメッセージを寄せた。 また大和自動車の前島社長も「清潔感あふれるマスクをいただき、人と人との絆は強いと感激した。人間的なつながりから、事業発展の糸口になるだろう」と語った。ここまでになると、「国と国」というより「人と人」、「事業者と事業者」になってくる世の中ではないでしょうか。互いの信頼がなくてはこの困難は乗り切る事はできません。目に見えないものを世界レベルで不安に思うというのは100年に一度あるかどうかの経験ですし、将来は歴史の教科書にも載ることでしょう。だからこそ未来のタクシー業界…それに限らず公共交通機関に携わる人々がこの事態を振り返り、全く知らない世代に教訓として説いたときに、「こうして乗り越えた」というのを誇りを持って伝えられるように、とにかく今は、頑張らなくてはいけません。
2020年3月
▼【3/27】 チェッカーキャブ無線が加盟会社にマスク配布。
東京のチェッカーキャブ無線協同組合では、このほど加盟会社46社に合計11万枚のマスクを配布し、各社配属のタクシー乗務員のマスク不足を支援している。 ※なお、このマスクは新型コロナウイルス問題浮上前に『拡販用』として大量注文可能な時期にストックしておいたものとのこと。 チェッカーキャブでは『本来はインフルエンザ予防や花粉症対策でお客様へ向けの配布を考えていたが、大半は感染拡大防止の観点から、乗務員優先とさせて頂こうと思っている』とのこと。※一部の都内加盟会社は「こんな時だからこそ」と乗客へ手渡しを行っており、非常に好評を博している様子。
現状の国内マスク流通網は医療機関を最優先支給としているため「万一、底をついた際の対策として、マスクの自作方法などを動画で共有できないか」と検討している。▼【3/19】 東京都内で6月にも相乗りタクシー実施予定。
東京ハイヤー・タクシー協会と、東京都内のタクシーなどの業界団体がこの度、朝の時間帯のタクシー不足解消のため、「相乗りシャトル」を本年度6月にも実施する方針を固めていることが明らかになった。同協会の川鍋会長が発表。国交省が今年度中に相乗りを制度化する予定あり、タクシー1台の車両を有効活用するのが狙い。 タクシー業界団体もこの方針には積極的な姿勢を見せており、顧客満足度を向上させたいとしている。
数年前から話には上がっており、海外では通例となっているケースはあるものの、見知らぬ乗客が同乗して一定区間を運行するという点で、国内で浸透することが出来るのかという懸念もあった。▼【3/13】 タクシー会社各社、感染症対策講じる。
新型コロナウイルスの感染予防策として、タクシー会社の取り組みが全国区で広がりを見せている。 タクシーに限らず、二種旅客業、観光業にとっては業種の垣根を越えて未曾有の事態であるからに他ならない。 日本交通プレスリリース 国際自動車プレスリリース 大和自動車プレスリリース 帝都自動車プレスリリース 東京無線プレスリリース 求職者との面接時はどうしても対面での対応は避けられない状況である。そこで企業によっては従来の地方在住の方向けの都内で行っている「電話面接」をこの度緩和したり、互いにインターネット環境が整った状況であれば「WEB面接」も行う場面も出てきた。▼【3/2】 「JapanTaxi」新会社名称発表。
タクシー大手四社の日本交通グループが提供する配車アプリ『JapanTaxi』は2月27日、今年度4月1日よりDeNA社との統合に伴い、新会社名称を「モビリティ・テクノロジーズ」とすることを発表した。略称は「MoT」。但し混乱を避ける面もあり、アプリの名称は当面変更はない様子。なお川鍋社長は会長職に就く。代表に就任するDeNA乗務志向役員オートモーティブ事業本部長の中島宏氏は『MaaSをはじめ、交通の進化を日本で実現するにはタクシーの存在が欠かせない。モビリティの発展をテクノロジーで牽引していくという思いを込めた』とのこと。
アプリ名称もさることながら、両社の各種サービスは引き続き提供していく。今回の新社名の正式決定は3月中に開催される同社の株主総会を経て発表される見通しだ。2020年2月
▼【2/28】 帝都自動車と京王自動車、業務提携開始。
『東京私鉄自動車協同組合(以下:私鉄協)』時代の行灯もすべて帝都自動車交通に変更となる。車体色は黒色で統一する予定で、京王自動車で行っていた無線配車業務は帝都無線共同配車センターで行う。
▼【2/21】 国交相がタクシー会社の対策を視察。
▼【2/7】 国内2大配車アプリ「JapanTaxi」と「MOV」が今春統合へ
配車アプリ業界では現在、各社で割引クーポンをはじめとするサービスを行うなど、競争が激化。 現在日本では主にソフトバンク社と中国の滴滴出行の共同出資で運営する『DiDiモビリティジャパン』(東京・大阪など23都道府県で展開) ソニー社とタクシー会社各社が共同で出資するみんなのタクシーが都内を中心に手がける配車アプリ『S・RIDE(エスライド)』 また、ウーバー社の日本法人『ウーバージャパン』も大阪府や福岡県で展開している。
今回の統合の経緯は『JapanTaxi』の昨年5月期の売上高は19億円となったものの、営業赤字は21億円であったことが大きい。 また、DeNA社も『MOV』を展開するオートモーティブ事業が昨年3月期に36億円の営業赤字を計上した。
両社ともメディアやポスティングをはじめとした広告活動を精力的に行ってはきたものの、利用頻度や認知度の向上とまでは行かず、この度統合という形で再編をすることとなった。MaaSも含め、需要と供給の利便性向上がどんどん進んでいく…かと思いきや、ある統計によると国内の月間タクシー輸送回数は約1億回に上るものの、国内の全配車アプリシェアはたったの約2%だったそうです。私も首都圏に限らず、多摩地区や神奈川県内の営業所に回る機会がありますが、現状は乗務員さんの高齢化による 「覚えられない」「スマホサービスへの警戒」「地域的に根付かない」と言った話が多く寄せられたのが印象的でした。勿論、地域によってはものすごく成果を上げている場所もありました。ですが、従来通り「地域密着」や「元々常連顧客が定着している」「現状のままでも不便がない」ような地域ですと、圧倒的に月間のアプリ配車は少なく、そうなれば乗務員さんもなかなかご用命に上がる機会も減っていくという連鎖が起こります。すべてが首都圏や神奈川京浜地区の一部と同じ照準で考えてしまうと、かなり分が悪いサービスではないかと、ここに来て浮き彫りになってきた矢先の統合→新たなサービス模索という形を取ったのでしょう。MOVは神奈川京浜地区では特に需要が大きいので、そのビジネスモデルを無駄にせず、今後はより地域だけでなく、利用者のニーズ、そして使用する会社・乗務員のニーズ、メリットを深く考えるべきではないかと思います。配車アプリ会社があまりにも増えすぎたため、統合という形で一旦の収縮を図るのは、これから先も出て来そうな予感がいたします。
2020年1月
▼【1/31】 日本交通がセダン約1500台を「JPN TAXI」へ切り替え完了
タクシー大手四社の日本交通は1月24日、自社直営の事業所に配属のセダン型車両約1500台を、トヨタ社の「JPN TAXI」への切り替えを完了したと発表した。 2017年に発売された次世代型タクシー車両で、セダン型車両からの置き換えが全国的に進行。 現在日本交通では直営営業所以外の提携会社でも導入が進んでいるとのこと。2019年末現在、都内全域の同グループ内タクシー車両4605台のうち約6割の2836台が「JPN TAXI」となっている。 尚、配車の際はタクシー配車アプリ「JapanTaxi」での車種指定も可能とのこと。
日本交通によると、「JPN TAXI」は広い室内空間・スライドドアなどお客様には非常に好評で、実際に乗車された方の約86%が「広くて快適」、約76%が「また乗りたい」と回答している(日本交通自社リサーチ状況)。▼【1/24】 東京2020へ向けてMaaS実証実験スタート。
いよいよ今夏に迫った『東京オリンピック・パラリンピック』へ向け、訪日観光客が主要空港から都内へ移動の際にスムーズに誘導が可能なMaaSの実証実験が日本交通、日の丸交通、ZMP、東京空港交通、東京シティ・エアーターミナル、三菱地所、JTBの7社企業参画の下、1月20日から開始された。内容はリムジンバスが従来通り羽田・成田空港からT-CAT(東京シティエアターミナル)を走り、以降は東京丸の内まで自動運転タクシーが運行。目的地に到着すると、なんと1人乗りの自動運転モビリティ(ロボカー・ウォーク)に乗換え、移動するという形だ。
乗車の際は事前にスマートフォンなどから専用アプリをダウンロードし、目的地を予約。現地に到着後はQRコードを読み込む形でスムーズにお客様を運ぶ。▼【1/17】 新大阪駅タクシー乗り場を2月よりリニューアル。
新大阪駅のタクシー乗り場はこれまで近距離乗り場は概ね3キロ圏内と定めており、ドライバーの見極めが困難であり、乗車しようとしたタクシーのドライバーから近距離乗り場に行くよう指示された乗客が『乗車拒否』と受け止めるケースも度々発生しており、苦情やトラブルが絶えなかった。
タクシー事業者も統合を求める声が多く、一昨年の提案事例もあり、今回ようやく実現に至った。 大阪府全域を含む近畿圏のタクシーは2月1日に運賃を改定することが決定しており、乗車料金に関してはこれまで「小型車」と「中型車」とで分かれていた車種区分を「普通車」に統合する。 タクシー業界ニュース2019バックナンバーはこちら