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タクシー会社の『休業』って一体?

タクシー会社の『休業』って一体?

新型コロナウイルスの蔓延に伴い各企業に休業要請が出される中、タクシー会社でも
休業を行う会社が出てきており、先行きがどうなるか不安を感じる方も多いこの頃です。
そもそも「休業」とは一体何を指すのでしょうか?
そこから掘り起こして参りましょう。

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休業とは?

休業とは、勤務する会社と従業員との間で労働契約の関係を続けている状態で、
連続して休暇を取ることです。
つまりは、勤務する会社で働く人たちは「働く意思」があるが、何らかの事情によって
会社がお休みになる(働けない)ということになります。

休業には主に『会社都合による休業』『労働者(従業員)都合による休業』があります。

会社都合による休業

突然の災害や、「原材料の高騰によって工場の生産ラインが停止してしまった…」という
ニュースをまれにご覧になる方もよくいらっしゃった方も多いと思います。
そういったやむなき事情の場合はこの「会社都合による休業」に該当します。

この度の新型コロナウイルスの大流行による全国的な休業要請は、この「会社都合による休業」に該当します。

労働者(従業員)都合による休業

会社で働く従業員が直接、会社へ休業を申請をするケース。

一般的なのは産休・育休、介護などです。ただしそれに応じた各種の給付金を受け取るのが
一般的であり、会社側が賃金を手当として支払う義務はないのでそのようなケースは稀です。

休業と休職の違い。

休業と休職…とても似ているようで、非なるもの。
それを説明するのはなかなか難しいですよね。

一番の大きな違いとして、休職は「会社側から給料は一切支払われない」ということでしょう。
休職とは会社側が該当の労働者に対し、業務に不適切な理由がある場合、業務を停止する
ことができる事案です。この場合、あくまで会社に在籍している扱いになるので就業規則が
適応されます。そのため解雇とは扱いが違ってきます。

勤務する会社からの承認もない状態では休職として扱えませんので注意が必要です。

休業手当

休業手当とは、休業の理由が勤務する会社側の責任で発生した場合に支払われる手当です。
勤務する会社から「労働義務」を免除された日を以て「休業」と定義します。
現在の労働基準法では『平均賃金の60/100以上』の休業手当の支払いを義務付けしています。

休業の種類  休業手当の会社側支払内容
【労働基準法による】
該当事案
会社側都合の休業の場合 平均賃金の100分の60以上 災害時・社会情勢絡む操業停止など
労働者都合の休業の場合 必ずしも賃金を支払う義務を
負うわけではない。
産休・育休・介護による休暇など
(各給付金を申請・受取が一般的)

休職の場合 給料等の発生はなし。
会社側が該当の労働者に対し、業務に
不適切な理由がある場合など

「休業補償」との違い

ちなみに休業補償はあくまで労災に関係する制度で、勤務中に生じた怪我・病気などで働く
ことができなくなった労働者を補償する制度です。(賃金ではありません)
休業開始から4日目以降に労災保険から平均賃金の8割が支払われる制度です。
※休業開始から3日間だけは勤務する会社が平均賃金の6割を負担する仕組みとなっています。

広がる休業要請

2020年、世界中を不安に襲った新型コロナウイルスの猛威。

休業の余波は日本にやってくるのに、そう時間はかかりませんでした。
しかし、お店を休むことには、色々な種類があります「休業」「閉店」「倒産」…
休業要請は、初めて聞く方も多かったのではないでしょうか?

休業要請とは?

新型コロナウイルスの影響で政府が打ち出した「緊急事態宣言」による休業要請。
タクシー業界はもちろん、他業種も含め、相当な打撃を受けている状況で実際のところ
営業時間の縮小→休業という事態になるお店が全国的に後を絶ちません。
もちろん営業自粛・外出自粛の余波を受けるよりは制度的に幾分良いかもしれませんが、
通常の営業時に比べての利益減は避けられないのが現状です。

雇用調整助成金(事業者)

会社の休業や、再出発を図る方に対し厚生労働省の雇用を保持するための助成金制度で、
突然の災害や、世界情勢の変動による工場の停止などで事業の縮小を余儀なくされた場合、
従業員を解雇することなく、休業をさせることによって賃金の一部を補助する役割を担って
いる制度です。
このたびの新型コロナウイルスの影響で、厚生労働省は令和2年4月1日~6月30日までを
『緊急対応期間』
とし、全国で雇用調整助成金の特例措置を実施することが可能となりました。
全国のタクシー会社でもこの制度を使用することは例外ではありません。

タクシー業界を襲った休業の波

新型コロナウイルスの影響で休業を余儀なくされた業種はたくさんあります。
タクシードライバーもその中のひとつ。
タクシー会社によっては、車両を半数に減らし、営業をしていく会社もあれば、
一旦期日を決めて休業をするという会社もあります。

タクシー会社の新型コロナウイルス対策と取り組みって?【2020年12月11日更新】 

都内タクシー会社の休業時の主な対応例

タクシー会社が休業になってしまったらどうなるのでしょうか。
2020年4月現在、都内タクシー会社では、業界全体で稼働率50パーセントを目標とし、
稼働車両数を減らし、営業の縮小→効率化を図っております。
もちろん、感染拡大防止も含まれてのことです。

街からタクシーがなくなることは極めて考えにくい事ですが、台数の減少は否めません。

タクシードライバーの休業手当は?

タクシー会社の場合、多くが歩合制の勤務なので、休業時の補償(手当)が気になるところ
ですが、どのようになっているのでしょうか?

確認したところ、「休業日(1日)につき、過去3ヶ月分の平均賃金の6割を支払う」
企業が概ね多いようです。
そのため、各タクシー会社ではタクシードライバーに交代制で休業して頂くように
協力を促しているとのことです。

ロイヤルリムジンの例

2020年4月8日、東京のロイヤルリムジングループの「タクシー事業部」が休業に伴い
タクシードライバー600人を一斉解雇した話は大きな話題となりました。

会社の特徴|ロイヤルリムジン株式会社のタクシー求人情報(東京都江東 ...

ロイヤルリムジンは「休業手当を払うよりも、解雇して雇用保険の失業手当を
受けた方が、乗務員にとって不利にならないと判断した」とのコメントを発表。
タクシー事業部のグループ会社6社を休業とし、勤務するタクシードライバー600名に
対して同日に順次解雇を言い渡しました。

ロイヤルリムジングループが社員へ送付した解雇通知。経営者の断腸の思いとタクシードライバーのやりきれない双方の気持ちが揺れる。

これに対しては多くの賛否両論が飛びました。勤務していたタクシードライバーも
「急に言われて困る」という声もあれば「大筋納得した」という声も。
コロナウイルスの収束後に営業を再開し、希望者は再雇用を受け入れるとしています。

※失業手当は、本来一身上の都合であれば「申請後待機期間7日後+概ね3ヶ月後
の支給」を要しますが、今回の場合は会社都合にあたるため、「申請後待機期間
7日後に支給」、「国民健康保険税最長2年間免除」などの優遇も。支給日数も
大幅に増えるという点もあります。

いずれにしても本来は「お仕事が出来ることが、何事にも代えがたい幸せ」である中での
事態。もちろん経営側も苦渋の決断であったことは間違いありませんし、現場のタクシー
ドライバー自身も本当に身を切るような思いであったことは想像に値します。

まとめ

緊急事態宣言の全国的発令により、広がりを見せる「休業」。
それについて回るフレーズを今一度理解すべきではないでしょうか。
休業にも会社都合や自己都合、そして休職との違いなど複雑な点が入り組んでおります。

タクシー会社における『休業』は、現在の新型コロナウイルスの影響を基に考えるので
あれば、タクシードライバーの場合は会社都合に該当するので、稼働率の縮小を促し、
交代制で勤務し、タクシードライバーには順次休業をしてもらい、休業中のタクシー
ドライバーには休業手当として直近3ヶ月分の給料の6割相当を支払うケースが
増えてきています。

不測の事態ともいえる休業に、タクシードライバーもタクシー業界も、知恵をふり絞って
乗り越えていかなければなりません。

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