タクシーに初めて乗った時のこと覚えていますか?
同じ車なのに自家用車でもない雰囲気。ドライバーさんに目的地をちょっと言っただけで連れてってくれる。
そして料金を支払う…。
でも初乗り運賃っていくらなんでしょう?もしかして地域ごとに設定が違うのでは、しかもその他の追加・加算される料金もあるはず!
そこで今回はタクシーの運賃が決まる仕組みと、運賃改定の情報や利用者にとっての損得などを解説します。
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タクシーの運賃が決まる仕組みとは?
タクシーに乗車した際、「目的地に着く頃にはいくらくらいになっているんだろう…」すごくドキドキしたことはありませんか?
タクシーには乗車時に既に決定している「初乗り運賃」とキロ数等によって加算される「加算運賃」の合計でタクシー運賃が決定します。
「初乗り運賃」
乗車時には必ずこの金額は発生します。(「初乗り〇〇キロ410円」など。)
「加算運賃」
「加算運賃」とは、タクシーの乗車距離や時間によって発生する料金です。
実は加算運賃の内訳は分類されており、主に「距離制運賃」「時間距離併用運賃」「時間制運賃」の3つとなっております。
- 距離制運賃:一定の距離を走行した際に加算される運賃です。
- 時間距離併用運賃:走行速度が時速10km以下での走行、或いはタクシーを一定時間待機させた際に加算される運賃です。
- 時間制運賃:時間の拘束による割合が高い場合に適用されます。タクシーの送迎場所到着→送迎終了までに要した時間で算出される運賃です。
上記のように実は「加算運賃」は細分化されているのです。
タクシーの追加料金って?
タクシーは通常の時間帯、付け待ちや走っているタクシーに乗車する際であればとくに「初乗り運賃」や「加算運賃」の発生はありませんが、状況によって『追加料金』が発生する場合があります。
ではその追加料金とは、どのようなものでしょうか?
通称「青タン」深夜・早朝の割増
夜遅い時間帯、都心郊外の駅を降りるとタクシー乗り場には長蛇の列が帯をなしています。
時刻は23時。タクシーはこの時間、日中とは違う「稼ぎ時」を迎えます。
タクシー料金は深夜・早朝の時間帯(22時~翌5時)は2割増で運行します。
タクシーをよく利用される大体の方は、認知していることでしょう。
実はタクシーは「22時以降メーターが上がるのに必要な距離が自動的に2割短くなる」ことにより、日中よりも早く料金が加算される仕組みとなっています。
通称「青タン」と呼びます。(昔のタクシーはメーターの「割増表示」が青くなっていたことからこの呼称が付きました。)
配車依頼で発生する『迎車料金』
街中でタクシー拾おうと見ているとたまに「空車」ではなく「迎車」と書かれているタクシーをみたことはないでしょうか?
「迎車」とはその名の通り、お客様をお迎えにあがる車両です。つまりお客様から配車の依頼が発生して指定の場所まで送迎にあがりますので、そこで「迎車料金」が発生します。
タクシー会社へ電話での依頼をすれば無線センター或いは自社無線から配車を行い、依頼主(お客様)のもとへお迎えに上がるという訳です。
迎車料金は数百円の世界ですが、まれに迎車料金がかからないケースもあります。
昨今はタクシー配車アプリの普及もあり、アプリ経由の配車が増えましたが、こちらも「迎車料金」が発生するサービスがほぼ大半を占めています。
マッチング配車アプリ「フルクル」は迎車料金いらず
ここでひとつご紹介したいタクシー配車アプリがあります。
東京大手四社の国際自動車(Km)が独自で運用しているマッチング型タクシー配車アプリ「フルクル」です。
フルクルは何を隠そう国際自動車だけが利用可能な“世界初”のタクシー配車マッチングアプリです。
通常のスマホにアプリをダウンロードするまでは良いのですが、ここからが面白いところ。
なんとフルクルではスマホをお客様が乗車場所にて振ると近隣を走るタクシーが数台ほど利用者様の方向へ走り、タクシーが近づくと振動で教えてくれるという仕組みになっております。
通常の配車アプリと違い、「迎車料金不要」「お客様登録が一切不要」なのも利用しやすいですよね!
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タクシーの予約料金
タクシー会社では、空港送迎サービスや日時指定の予約サービスを行っております。
無線配車はその都度の対応で迎車料金が発生するのが特徴ですが、予約料金はあらかじめ事前に日時指定を行うので、また別の料金が発生します。
車種も選べたり、空港送迎などのパックで貸し切り予約をした際は、通常よりもお値段がお得な場合もありますので、申し込みの枠が限られることもありますので注意が必要です。
待機中も料金発生?
これは以外と知らない方が多いので注意が必要です。
タクシーは待機中にも料金は発生しますので、例えばタクシーを配車したにもかかわらず、依頼者側の都合でタクシーを長時間待たせてせてしまった際に発生する料金を「待機料金」と言います。
一般的に90秒毎に料金が加算されますので気を付けましょう。タクシー会社にもよりますが約5分以上待たせてしまうとメーターが回り始める可能性が高いです。そうなっても文句は言えません。
ですが、気の利いたタクシードライバーは例えばタクシーに乗車した際、途中でコンビニに寄りたいお客様がいらした際、「メーター止めておきますね」という人もいらっしゃいます。
配車アプリも同じく適用
上記の『迎車料金』、『予約料金』、『待機料金』は近年利便性の向上で多くのお客様に利用されているタクシー配車アプリにも適用されています。
一部タクシー事業者などやキャンペーン等によっては『迎車料金』がかからないケースもありますが、ほとんどは通常のタクシー利用と変わらないと思っていただいて良いでしょう。
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冬季割増料金
あまり馴染みのない地域の方はピンとこないかもしれませんが、『冬季割増料金』は、積雪の多い地域や路面の凍結などによってタクシーだけでなく一般車両の運転が著しく困難な場合に適用される料金です。
料金の目安として、通常のタクシー料金よりも2割増と考えると良いでしょう。
時期は12月~3月の冬真っ盛りのシーズンの北海道・東北地方中心に適用されています。
運賃改定とは?
運賃改定とは2019年の12月、国土交通省よりタクシー料金運賃改定が発表され、2020年2月より全国25都道府県48地区で実施されました。
これにより、お客様だけでなく、タクシードライバーにとっても、営業の方法にどんな影響があるのでしょうか?
タクシーのお仕事を考えている方も、料金が変わったことによって売上や収入にどんな影響があるか、気になりますよね。
一足先に運賃改定を行った東京特別区の例を踏まえて、見ていきましょう。
改定の狙い
タクシー運賃改定、それはお客様にとっても、タクシードライバーにとってもエポックメイキングな出来事でした。以前よりタクシー運賃の改定養成は行っておりましたが、国土交通省も慎重に審査を行っていたため、認可がなかなか降りませんでした。
このタイミングだったのは?
今回の全国25都道府県48地区で実施されたタクシー料金の運賃改定のタイミングについては、国土交通省によると、『消費税10%の増税と同時進行でタクシー料金の運賃改定を行う予定』でした。
しかしながら、内閣府など省庁から意見調整があり、運賃改定が先送りとなっていた。とのことです。
タクシー運賃は地域によって異なる
当然ながらタクシー運賃は、地域によって異なります。東京都心と地方では人口数も圧倒的に差があり、料金を統一するなんて無理があります。
しかしながら地方都市あるいは政令指定都市などには、世界に誇る観光資源が数多く存在していることもあり、キロ数によって制定を慎重に行わなければならないのです。
たとえば東京の首都圏は初乗り1.052km420円ですが、考え方によってはちょい乗りで、タクシーをビジネス利用やちょっとした移動で活用ができるという考えでもあります。
運賃改定した地域
北は北海道、南は九州と、沖縄県を除き日本列島を縦に概ねの地域で行われた今回の運賃改定。
政令指定都市で挙げるならば札幌、新潟、横浜(神奈川京浜)、千葉、埼玉、近畿(京都南部除く)、広島など。
観光地的要素の含んだ街も多いのが特徴です。
主要地域の改定内容
今回のタクシー料金の運賃改定は全国25都道府県48地区で実施されました。
大きな目玉として注目したい地域として下記の3地区の内容をまとめました。
運賃改定地域 | 以前の初乗り料金 / 加算内容 | 改定後の初乗り料金 / 加算内容 |
多摩地区 | 初乗り2キロ 740円 / 271m毎90円 | 初乗り1.2キロ500円 / 加算257m毎100円 |
神奈川京浜地区 | 初乗り2キロ (上)740円~(下)700円 加算288m~304m毎90円 |
初乗り1.2キロ500円~460円 加算264m~287m毎100円 |
大阪地区 | 初乗り2キロ690円 / 加算261m毎80円 |
小型車・中型車の料金をすべて普通車として統一 初乗り1.7キロ680円、加算241m毎80円 深夜早朝割増の開始時間を23時から22時に前倒し。 |
2017年に先駆けて運賃改定を行った東京特別区と隣接する多摩地区や京浜地区に関しては、比較的足並みを揃えた格好ではありました。
しかしそれでも事前アナウンスの不足が懸念され、タクシー業界内でも「もう少し国全体でPRを促して欲しい」という要望がありました。
それが浮き彫りとなる形で、運賃改定初日は各所で「聞いていなかった」というお客様の困惑した声もあったとのことです。
また、大阪地区を管轄する近畿運輸局管内9地区は約24年ぶりの運賃改定(増税時除く)となり、事実上の値上げとなったことにお客様の対応に追われるシーンもありましたが、運賃運賃改定の効果もあり、当月の営業収入は前月を上回る地域も多かったとのことです。
東京多摩地区に関しても同様の現象が起きています。
※ちなみに京都市では2018年4月より運賃改定を近畿運輸局管内では先駆けて行っており、『初乗り1.7キロ610円(上)~550円(下)』から『初乗り1.2キロで450円(上)~410円(下)』の値下げを敢行。
その後消費税増税を機に現在は、『初乗り1.2キロで460円 / 加算252mごとに80円』となっております。
東京23区の状況
東京特別区・武三地区のタクシー運賃については、2016年の4月頃から初乗り運賃の見直しを求めるタクシー事業者からの申請があり、国土交通省の審査を通過したのち2017年1月30日に正式に運賃改定を開始。
それまでの『初乗り2km / 730円(上)~700円(下)』から『初乗り1.052km / 410円(上)~380円(下)』に改定。いわゆる「ちょい乗り」の先駆けとなりました。
その後、2019年10月1日の消費税10%増税に伴い、東京特別区・武三地区は再度タクシーの
運賃改定を行い、現在の料金となりました。
東京特別区・武三地区の初乗り料金(2020年4月現在)
初乗り上限 | 420円 |
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加算運賃 | 233m80円 |
初乗り下限 | 390円 |
時間距離併用 | 1分25秒 |
損なの?得なの?
この運賃改定の仕組み、初乗りに関しては安くなった印象ですが、もし普段利用で1キロ、あるいは1.2キロ以上の利用であったりすると割高になっているケースも。
基本的には「加算運賃」は値上げになっているのです。
そもそもの目的が『タクシードライバーの労働条件の改善を進める』ということがメインですので、お客様にはご理解いただきたい部分ではあります。
長距離だと…
タクシー料金の運賃改定は、初乗りであればお客様も安く手軽に利用は出来る仕組みである反面、距離をあまり長く乗ると、以前の料金で慣れている方は多少割高に感じることがあるかもしれません(極端に高額ではないですが…)。
基本的には「加算運賃」は実質の値上げになっているのです。
タクシードライバーにとっては営業収入向上の面で非常にありがたい今回の運賃改定ではありますが、お客様にとっては決して「得の多い話」というわけではないことは確かです。
ただ、それでもタクシーは生活上、不可欠なものです。
やはり利用する方はいらっしゃいますし、今回の運賃改定の伝達が世間にスムーズに伝わっていない分、接客面で理解を求めるのが賢明です。
増えた需要例
東京特別区・武三地区で大幅な運賃改定を2017年に行った当初、確かにすぐ浸透するという訳にはいきませんでした。
ただタクシーの特性は「電車・バスがいけない場所へ行ける」という素晴らしいメリットがあります。駅チカに住んでいる方は別としても、通常、電車・バスがご自宅までお客様を運んでくれるということはまずあり得ません。
面倒な電車移動のショートカットに
近年のタクシーは交通系ICカードなどでの決算に対応が可能になりました。
初乗り運賃程度の移動であれば、お手持ちの交通系ICカードでスマートに支払う形で若者が利用するよ傾向があります。
いわばこれが「ちょい乗り」ということで徐々に普及をし出し、オフィス街などの移動も首都圏独特の面倒な地下鉄の他社線乗換よりも、タクシーで初乗り利用した方が料金も安かったという声も聞きます。
突然の雨に見舞われた際も…
今の時代コンビニエンスストアで傘はすぐ買えます。
ですが移動の事を考えますと「その傘を買うよりも、移動先までタクシーですぐだから、タクシー乗った方が安上がりなのでは?」という発想の転換もあるわけですよね。
ここでタクシー業務の大一番!「雨天時」には今まで以上にお客様からの需要が増える可能性があります。
タクシードライバーにとっての運賃改定
ではこの運賃改定。実際現場で働くタクシードライバーにとってどのような影響を及ぼしているのでしょうか?
パッとこの仕組みを見て「初乗り料金が安くなった」=タクシードライバーの収入も減るのでないか?と考える方もいらっしゃると思いますが、実際のところはどうなのでしょうか。
タクシードライバーへの仕事、転職の際に気になる収入面にも大きく関わってくる部分です。
配車回数で狙う
運賃改定当初は大なり小なり、タクシードライバー側も戸惑いもあったと言います。
それはそうです。今までよりも初乗り料金が約半分近くになったのですから。
ただ、タクシー利用に関して初乗りが短縮された点と、加算の部分を考えると言葉は宜しくないかもわかりませんが、タクシードライバーにとってはありがたい話でもあるわけです。
数字のトラップにひっかかることなく、いつも通り仕事を行い、お客様に関しては返ってタクシー運賃改定による「ちょい乗り」をうまく活用していただき配車回数を多くとっていくことが営業収入アップのコツでしょう。
タクシーは「お近くでもどうぞ」の時代になりました。
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営業収入アップは一定の効果
上記の輸送実績ですが、『多摩地区』をご覧ください。特別区・武三地区外ですので、いわゆる「ベッドタウン」が多い地域ですが…上昇しております。
この度の運賃改定の効果が出ている地域もございます。
(2020年2月の表になります。)
タクシードライバーへの転職の際、ご自分が希望される地域で運賃改定が行われた地域かどうか、確認することをおすすめします。
とくに、関西圏(特に大阪・京都)は長距離の場合概ね「遠距離割引」という独自のルールがあり、5,000円を超えると超過分が半額となり、乗務員にとっては損を被るケースもあります。
そこで近距離のお客様が増えたことにより、以前よりも効率よく働けているという話が出てきています。
※ただし日々目まぐるしく変わる情報なので、通年のお話しではないという事はご理解いただきたいと思います。(2020年2月現在)
まとめ
いかがでしたでしょうか?タクシー初乗り料金にも、加算や追加される料金も場合によっては発生することは覚えていて損はないと思いますよ。
そして2020年2月より全国25都道府県48地区で施行されたタクシー料金の運賃改定から早2年。
利用されるお客様には浸透しなかったりと当初の船出は多少苦戦もあったものの、タクシードライバーの労働条件改善を進める目的で実施されたこの制度。
お客様のニーズに応えられる機会には、大いに活躍することは間違いありません。
お客さまにとっては、今まで以上に手軽に乗って頂けるという点では得を得る機会もあります。
ただ損とまではいきませんが、以前に比較すると、初乗り以上の距離を利用する際は今回の運賃改定は、加算時ですと事実上の値上げとなっていますので注意が必要です。
タクシードライバーにとっては、たくさんの方に気軽に乗って頂く機会を歓迎すべきですし、長距離のお客さまに関しても、大変な理解があってのご乗車だと捉え、今まで以上にしっかりと接遇をしなければなりません。