タクシーは安全が最優先される業種です。最低限の技能や知識を備えないうちに現場で実際の業務に就くことはありません。入社したての新人は、必ず何らかの教育研修を受けてから、タクシードライバーとしてデビューすることになります。今回は、タクシー会社の教育制度についてご紹介します。
二種免許が会社負担で取れる
タクシードライバーは、第二種自動車免許が必要です。通常、一種免許は自己負担で取得するのが常識ですが、二種免許については、免許を持っていない人も積極的に登用しようという考えから、入社直後に会社の費用負担で教習所に通い、早期に二種免許を取得できるよう配慮しているタクシー会社が多いようです。
タクシー特有の技能や接客研修を受ける
晴れて二種免許を取得できた後は、タクシー業務に関連する各種法令や、最短距離で効率よくお客様を案内するために必須となる、道路や交差点、主要施設などの地理を勉強します。さらに、タクシーに備え付けられている無線機器や料金メーターなどの操作研修、そして接客研修などを受けます。最終段階では、助手席に教育係を乗せて実際にタクシーのハンドルを握り、路上研修を受けます。
各種試験もサポート
二種免許を取得する際には、運転免許試験場での学科試験に合格する必要があります。また、東京・神奈川・大阪のうち、交通量や人口が比較的多い大都市圏とされる特定地域でタクシードライバーとして働くには、公益財団法人運営のタクシーセンターが実施する地理試験に合格する必要があります。
タクシー会社は、これらの試験に早期に合格できるよう、社内で地理研修を実施したり、対策問題集を作ったりしているところもあります。また、地理や法令を学習するために、社外の専門的な講習に通わせているタクシー会社もあります。
教育期間中の給与を保証
タクシードライバーになるための教育を受けている段階の新人は、売り上げで会社に貢献することはできません。しかし、数か月先に新人ドライバーとしてデビューし会社に貢献してくれるという期待を込めて、入社後3か月程度(教育期間中を含む)は、最低保証給として月30万円程度を支給しているタクシー会社が多いようです。そのため、報酬面を心配することなく、一日も早くタクシードライバーとしてデビューするための勉強に励むことができます。
教育の中身や期間は会社によって異なる
以上のように、タクシー会社は新人に対する教育制度を設けていますが、その運用方法や期間は会社によって異なります。一般的には、二種免許取得のための期間もあわせ、入社してから概ね1か月程度での現場デビューを目指す会社が多いようです。どのような教育制度や期間を設けているのか、会社説明会や面接の際などに確認しておくとよいでしょう。