定年後の仕事として、タクシードライバーの職につくことを考える方も増加しています。その一方で気になるのが、未経験でも事故を起こすことなく務まるのかということでしょう。タクシー業界の現状と、高齢者がタクシードライバーになる際に気を付ける点をご紹介します。
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タクシードライバーを取り巻く現状
まずは、タクシードライバーを取り巻いている現状を年齢層と業界事情の2つの観点からみていきましょう。
平均年齢は60歳!
現在タクシードライバーの平均年齢は約60歳といわれ、高齢者が多い職業です。
高齢者の中には、仕事や私生活でも長年車の運転などをしていることから運転技術に自信を持っている人が多く見られます。また運転経験が長いと若い人に比べて、道をよく知っている方も少なくありません。
このように、タクシードライバーは運転技術と地理に詳しい高齢者の強みを生かすことができる職業だともいえます。
その一方で、高齢者が引き起こす死亡交通事故も後をたたず、免許の返納を自主的に行ったり、子どもにうながされたりしているケースも増えています。
構造的に高齢者に頼らざる得ない現状
タクシードライバーを取り巻く業界事情が、構造的に高齢者に頼らざるを得ない現状があります。
まず、タクシードライバーの労働条件や給与などの待遇は、現在の若年層のニーズには合いづらいものがあります。結果タクシードライバー不足が生じます。
一方、定年退職をしたものの、年金だけは生活することが難しい高齢者も増えており、新たに仕事を探す人が多く見受けられます
このように、不足しているタクシードライバーの補填に、次の勤め先が欲しい高齢者が入るという図式が生まれているのです。
高齢のドライバーとして働くためのポイント
高齢者がより安心してタクシードライバーの仕事を務めるために必要なポイントを2つご紹介します。
サポートが充実した企業を選ぶ
1つ目は、再就職先としてサポートが充実した企業を選ぶことです。
タクシードライバーは個人でも開業可能な仕事ではありますが、法人が運営しているタクシー会社に勤務する方が断然おすすめです。
個人で開業した場合は運転技術を上げるのも難しく、万が一に備えて健康診断を受けるのも個人負担で行わないといけません。
一方、サポートが手厚い企業に再就職できれば、運転技能講習の受講や健康診断が福利厚生に含まれるなどのメリットがあり、技術面・健康面の不安も少なからず解消できるでしょう。
自分は高齢者であるということを自覚する
2つ目は、自らが高齢者なのだと自覚を持つことです。
「まだまだ若い」と思いがちですが、年齢を重ねると反射神経や運動神経がだんだん鈍り、若い頃のようにとっさの反応ができなくなっていきます。そのため、何か体に異変を感じたらすぐに休憩する、勤務を中断するといった手立てをとりましょう。
また、高齢になると視力や判断能力も落ちていくので、夜間の運転が難しくなります。できるだけ夜の勤務は避けることをおすすめします。
まとめ
サポートや福利厚生の手厚いタクシー会社に再就職できれば、高齢者であっても安心して働ける確率は高くなります。ただし安全運転の観点から、体力や運転技術を過信するのは控えましょう。