乗り物の中にまたさらに乗り物を乗せる。
人形を開けたらまた人形が出てくる「マトリョーシカ」みたいな状態ですが、こと車となればレッカー車をはじめ、多くの車が車両を運搬しますので、同じような状態になります。
レッカー車は乗用車、トラックはバイク、馬運車は馬…など。
しかし今回登場するのは庶民の味方「自転車」です。
最近は自転車を車に乗せる方も珍しくありません。
折り畳みの自転車はもちろん、ロードバイクなども輪行バッグなどに入れて、すっかり旅のお供になっていますよね。
世の中にはさまざまな乗り物がありますが、自転車は手軽に乗れて運動にもなる優れモノです。
ではこの自転車さん、一体タクシーに乗せることはできるのでしょうか。
ここでは、自転車をタクシーに乗せられるかどうか、乗せるならどんな自転車がいいかなどについて解説していきます。
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サイズにもよるがタクシーに自転車を乗せられる
結論から先に言うと、種類によりますが、自転車をタクシーに乗せることは可能です。
…とはいいましても自転車もたくさん種類がありますよね。
大規模な公園のサイクリングロードよく見かける『3人乗り自転車』は、まず乗せることは不可です。
(持っている方はいないと思いますが)
では、どんな自転車ならタクシーに乗せられるのでしょうか。
乗せるなら折りたたみが望ましい
タクシーに自転車を乗せるのは可能とは言え、どんな自転車でもOKというわけではありません。
自転車によって乗せやすいもの、乗せにくいものがあります。
タクシーに乗せるなら、折りたたみ式のものが望ましいでしょう。
コンパクトに折り畳めるなら座席に乗せることが可能です。
また、折りたたみ式ならタクシーのサイズによらず収納することができます。
タクシーの車種によっては、後部シートを移動させて貨物スペースを作れるタイプであれば、大きめの自転車でも収納することが可能です。折りたたんだ大きさによっては荷室に収納することもできます。
ロードバイクなら輪行袋がおすすめ
ロードバイクの場合は、折りたたみではなく分解して輪行袋に入れることでサイズをコンパクトにすることができます。こうすることで、折りたたみができなくても座席や荷室に収納できるサイズにすることが可能です。ただし、分解の手間がかかることには注意しておきましょう。
輪行袋には縦型と横型がありますが、横型の場合は袋に入れたときにサイズが大きくなりがちで、タクシーに乗せられないことがあります。輪行袋は縦型を用意したほうがいいでしょう。
タクシーに自転車を乗せる際の注意点
タクシーに自転車を乗せる際には、いくつかの注意点があります。
あまり考えられないケースですが、俗に言う「ママチャリ」と呼ばれる通常の自転車は折りたたむことができない上、かごや重量の問題で車内に入り切らない可能性が高い上、傷をつけやすいのでNGです。
ではそれ以外の自転車はどうでしょう?
ここでは、それらの注意点について見ていきましょう。
乗車拒否されることがある
コンパクトに折りたたんでいれば、必ずしも自転車をタクシーに乗せられるとは限りません。
車内が汚れる可能性があったり、トランクが閉まらなかったりする場合には乗車を拒否されることもあるので注意しましょう。
タクシーに乗せる前に車体の汚れを落としておけるように、掃除用具を携帯しておくのが望ましいです。
また、折りたたみ式自転車を選ぶ際にも、できるだけ小さなサイズに折り畳めるものを選ぶといいでしょう。
さらに、タクシーを捕まえてから自転車を乗せようとしたとき、そこで乗車拒否となってしまえば時間が無駄になってしまいますので、予約の際に自転車が乗せられるかどうかを確認しておくことも大切です。
タクシーの大きさにも気をつける
自転車を乗せられるかどうかには、もちろんタクシーのサイズも関係します。
このあたりは事前に確認しておきましょう。
ワゴンサイズのタクシーなら、大きめの自転車でもゆったり乗せられますので、乗せられるかどうかわからない場合は、ワゴンサイズのタクシーを利用するのが無難です。
しかし、大きさによってはワゴンサイズであっても自転車が収まりきらないケースもあります。
通常のタクシーで自転車を乗せるのが難しい場合は、自転車輸送用のサイクルキャリアを装備した「サイクルタクシー」を利用するという手段もあります。
配車アプリで「車種指定」してみる
自転車を載せてタクシーに乗りたい時、配車アプリを使うことによってゆとりのある車両を呼び出すことが可能なのをご存じでしょうか?
タクシー配車アプリ各社には、「車種指定サービス」という機能が搭載しています。
リリースしている配車アプリサービスは別途オプションとなるケースがありますが、自転車を載せたい場合はスライドドア車やワンボックス車が適合と思われますので、場合は是非利用してみてはいかがでしょうか。
「GO」では各種車両を指定可能!
国内最大手タクシー配車アプリサービスの「GO」は2021年1月20日より「タクシー車両サービス指定」の提供を開始しています。
今すぐ呼ぶの画面から「会社・条件をえらぶ」に飛び、お好みの条件を選択。条件を設定後にタクシーを呼び手配は完了するという流れです。
「GO」ではセダン型のみならず、次世代型最新車両のJPN TAXIをはじめ、車いす対応の車両(ワンボックス車両)などニーズに沿った車種が選択可能。
またタクシードライバーも配車アプリ内の利用者から高評価を受けている「GO優良乗務員」を選択可能です。(利用可能エリは東京都をはじめ神奈川県・京都府などの一部となります。)
※注意事項として「GO Pay」決済のみに対応しており、通常のタクシー料金・迎車料金に+して手配料金が発生いたします。
「S.RIDE」のプレミアムサービス“車種指定”
「S.RIDE」は都内最大級の大手タクシー配車アプリで、現在全国展開を広げております。
「S.RIDE」のタクシー配車アプリも2022年の7月12日に自社の月額課金サービス「S.RIDEプレミアム」に“車種指定サービス”を追加することを発表。
実はこの車種指定サービスは「S.RIDE」ユーザーの中でも「是非とも取り入れてほしい」という要望が多かったとのことです。
プレミアム会員の中でも人気を集めているサービスです。(※対象エリアは、東京23区、武蔵野市、三鷹市となります。)
また、「S.RIDEプレミアム」の概要はその他にも『予約配車使い放題』、『注文配車時にライドポイント2倍』があります。月額は3,480円ですが、なんとお申し込み日より1カ月間は無料利用可能!
そして予約配車時は車種指定が何度でも可能なのもメリットです。(指定可能車種は「JPN TAXI」又は「NV200」のみ。)
他の公共交通機関の様子
公共交通機関たるもの、「タクシー」には限りません。
他の乗り物の自転車対応も気になるところです。
近年自転車人口は「ロードバイク」」「電動自転車」の普及で自転車を多く見かけるようになりました。
保有台数は2000年以降約6,000万台以上と、乗用車の保有率と同程度の水準です。
「愛車(自転車)を連れて旅したい」…タクシーだけかと思ったら他にもありました。
バスの場合
バスの場合は、混雑時を除き、折り畳みであれ輪行バッグに入れておけば問題はないでしょう。
ただし、時間や状況によってはタクシー同様、乗車拒否の可能性がありますので注意が必要です。
近年はバス会社によって、積載専用のバスも登場し、車内に専用スペースを設けています。
その場合は折りたたむことなく乗車することが可能。
或いはバスの正面に積載する形をとっているものもあります。
また、観光や長距離で利用する大型バスでは主に専用のトランクがありますので、輪行バッグに入れて収納するのが望ましいでしょう。
鉄道の場合
鉄道もバスと同じく、混雑時を除き、折り畳みであれ輪行バッグに入れておけば問題はないでしょう。
ほとんどの鉄道会社では「折りたたんで輪行バッグに入るものであれば、料金の加算なく持ち込み可能」と明記しております。
万一混雑していてどうしても積載したい場合は、鉄道会社によって「有料特急」や「グリーン車」を設けているケースがあります。
他のお客様に迷惑が掛かると思ったら迷わず「手数料」と思って乗りましょう。
また、鉄道会社も近年、観光地向けに自転車積載専用の電車を設けるなど、サービス展開を開始しています。
JR東日本では2018年1月に東京都内から千葉県の内房・外房・佐倉・鹿島方面へ自転車積載専用車両のサービスを開始。
新幹線などは、予め席をもう一席確保するか、他のお客様の迷惑にならない後部席を確保することが望ましいでしょう。
そもそも自転車型タクシーも
ここで雑談にはなりますが、実は「自転車タクシー」というのがあるのをご存じでしょうか。
主に観光地で活躍する近距離対応型の「ベロタクシー」のことを指します。
2007年に神奈川県では県内の道路交通法施行細則の改正により、年明けとともにベロタクシーの運行が解禁となりました。
そこで観光需要が圧倒的に高い横浜エリアのみなとみらい周辺にサービスをスタート。
補助電動アシストが装備された三輪自転車で、運転席の後部には2人掛けの乗客用座席を備えた、次世代型『人力タクシー』です。
登場から15年が経過しますが、観光目的での需要は大きく、また換気もできることからコロナ禍でも大いに活躍中です。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
自転車を車に乗せる…自家用車でも馴染みのない方はあまりピンとこないかもしれません。
自転車をタクシーに乗せることは可能です。
その際には、コンパクトに折り畳める折りたたみ自転車や輪行袋を用いるのが適しています。
しかし、車体が汚れていたりトランクが閉まらなかったりする場合は乗車拒否される可能性もあります。
それはタクシーだけでなく、他の公共交通機関も同様です。
タクシー=自転車積載は可能ですが、実際に行う方は非常に少ないです。
但し、観光地やサイクリングロードとして名高い場所への営業となれば、需要は高いでしょう。
地方のタクシー会社でも「自転車積載対応」を積極的に発信している企業もありますので、もしお出かけの際はチェックしてみることをお勧めします。
その際もし自転車をタクシーに乗せるのであれば、事前に予約をし、ご自身の自転車が乗せられるかどうかを確認しておくことが望ましいでしょう。