タクシーの運転手になった際、乗車されるお客様に犬や猫などのペットの同乗を希望されたらどういって対応されますか?もちろん場合によっては乗車をお断りする可能性もありますが、適切な対応が求められます。
ペットをタクシーに乗せる場合
犬や猫などのペットは身近な存在ですが、お客様と一緒にタクシーへ乗せることは可能なのでしょうか。家に車がなかったり、ペットが病気で急に動物病院に連れて行きたい時、飼い主が身重のときなどに、お客様はタクシーの利用を考えるでしょう。
現在、ほとんどのタクシー会社で基本条件がクリアな場合、乗車可能となっています。では、タクシー運転手はペットを連れたお客様が乗車希望された場合何に気を付ければよいのでしょうか。
多くのタクシー会社で、乗車可能な場合でも「小型犬~中型犬のサイズは乗車可能」「キャリーケースに入っていること」「ケースでなくてもタオルなどで体を包めば大丈夫」「万が一の排泄などに対応できるよう準備がされていること」など、いくつか条件があるようです。その条件をクリアしているかを確認し、お客様にはペットが飛び出したりしないよう、しっかりと抱きかかえてもらったり、運転の妨げになることが無いよう、しつけがされているかなどを確認しましょう。
「運転手の判断に任せている」というところもあり、タクシー会社によって条件が違います。運転中に、ペットが暴れたりして交通事故が起こらないよう、事前にしっかり条件を確認しておきましょう。
介助犬を連れたお客様の対応
ペットと違い、介助犬を連れたお客様を乗車拒否することはできません。平成15年に身体障害者補助犬法が施行され、乗り物はすべて一緒に乗ることが法律で認められました。「シートが汚れる」「毛が抜ける」「後のお客様の迷惑となる」といった理由は乗車拒否の正当な理由と認められていません。実際に乗車拒否をして行政処分を受けたタクシー会社もあるようです。
介助犬を連れたお客様が乗車される時は、まず乗車時になるべく車を寄せすぎないようにし、安全な距離で停止する配慮をしましょう。介助犬は訓練を受けているので、車内で粗相をしたり汚すようなことはありません。しかし、毛は勝手に抜けてしまうため、乗車後には粘着シートなどで清掃できるよう、日頃から準備しておきましょう。また、盲導犬を連れた視覚障害を持つお客様の場合、下車後も車の前後にしっかりと気を付けましょう。ミラーで確認しづらいところに犬がいたり、お客様は車を目で確認できないため、停車前に乗車されるお客様の周辺を十分に確認する必要があります。
介助犬は飼い主の方の「目」や「耳」の代わりとして非常に重要な存在です。事業者の間でも介助犬への理解は浸透し始めたところなので、今後現場への理解の浸透が必要となっています。