タクシー運転は職業の特性上、強盗や暴行といった危険性にされています。このページでは、いくつかタイプの違った防犯ブザーを使って身を守る方法を、それぞれをご紹介します。
タクシー運転手の安全のために行える防犯策
タクシーが持つ防犯上の弱点としては、「密室である」「ある程度のまとまった現金を積んでいる」「動き回っている(犯行現場が移動する)」といったものが挙げられます。また、「客の指示した場所にどこにでも出向く」「ドライバーが客に背を向けている」「乗務員は常に1人しかいない」といった特性もあります。
そのため、残念ながら強盗や暴行に遭いやすい職業のひとつとされています。あいにく強盗や暴行に遭った際には、いかにして異常発生を素早く車外に知らせられるかが重要なカギとなります。そのための有効な方法のひとつとされるのが、「防犯ブザー」の活用です。
車両設置タイプの防犯ブザー
防犯ブザーは、コンビニやスーパーなどに設置されているものと同様、周辺にいる人々に異常発生を伝える役目を担います。タクシーへの設置にあたっては、エンジンルーム内などに設置する車外向けのスピーカーだけでなく、車内にもスピーカーを設置するのが効果的です。
大音量のアラーム音が車内に鳴り響くことにより、犯人の聴覚や注意力を一時的に大幅に低下させ、その隙をついてドライバーは車外へ避難することができます。
リモコン対応型や携帯用ブザーも有効
防犯ブザーを鳴らすことにはリスクも伴います。犯人が逆上し、即座に凶行に及ぶ可能性があるためです。このリスクを軽減するには、リモコン操作が可能な車両設置型の防犯ブザーを選ぶか、あるいは携帯用の防犯ブザーを所持しておくことが有効です。
たとえば、乗客の挙動の怪しさから、まもなく強盗あるいは事件が起きることを予見した際に、信号待ちで停車したタイミングを使って車外に避難してから防犯ブザーを作動させます。そうすることで、ドライバー自身の身の安全を確保しやすくなります。
複数の防犯対策を組み合わせる
防犯ブザーは、異常事態の車外への伝達に役立つ手段ですが、万能ではありません。人里離れた山奥や埋め立て地などで大音量のアラーム音が鳴り響いても、それを聞いてくれる住民や通行人がいなければ意味がありません。
そのため、防犯ブザーを鳴らす前の段階として、乗客の告げた行き先や気配に怪しさや不安を感じる点があれば、もしもの事態が発生する可能性を意識し、念のため車外への避難も視野に入れておくようにします。
また、防犯ブザーだけでなく、客席と運転席を隔てるプロテクター(透明な仕切り板)の設置、車内を撮影する防犯用レコーダーの取り付け、犯人を威嚇・撃退するスタンガンの設置も有効です。
複数の防犯対策を講じ、それらをうまく活かすことで、タクシードライバーという職業の安全性がさらに高まることが期待されます。