いろんなお客様が乗られるタクシー。そんなタクシーにはいろんな匂いも一緒に乗ってきます。次に乗られるお客様に不快感を与えないためには、どのように車内の匂いをコントロールしたらよいのでしょうか。
タバコ臭以外の匂いの問題が顕在化
タクシーには、老若男女問わず、不特定多数のお客様が入れ代わり立ち代わり乗車されます。常連さんからの指名で走る場合を除き、次にどんなお客様が乗られるかは、そのときになるまで分かりません。中には、アルコール臭をプンプンさせた酔客も乗られますし、非常に香りの強い香水をつけたお客様もいらっしゃいます。
かつてはタバコ臭という最強の匂いが、タクシーの全面禁煙化によって改善された今、タバコ臭以外の他のスメル(ニオイ・香り)の問題が顕在化していると言えるでしょう。できれば、次に乗られる別のお客様に、「何だか匂うな、このタクシー」といった不快感をできるだけ与えないようにしたいものです。
そこで、この記事では、タクシーにおけるスメル・コントロール(香りやニオイを快適な状態に保つこと)について考えてみることにします。あわせて、日頃から香水をつける人が多いなど、匂いに関して男性よりも関心が高い傾向にある、女性客を意識した芳香剤の使い方も挙げてみたいと思います。
スメル・コントロールの難しさ
タクシーにはいろいろなお客様が乗られるという特性上、スメル・コントロールはなかなか難しいものです。いわゆる残り香であれば、窓を開けて換気すればほどなく消える場合もありますが、お客様の衣服や荷物についた匂いは、接触による座席への移り香が起こると、すぐに消し去るのは難しい場合があります。
このようなときには、手っ取り早い対処法として、「匂いには別の強い匂いで対抗する」という考え方もあります。しかし、複数の匂いが残っている状態で他の匂いを足すと、「これは何の匂いだろう?」「気持ち悪い」という印象を与えかねません。たとえば、お香と焼き肉の匂いが残っているところに、バラの香りが加わったらどうでしょうか。なんだか気持ち悪くなりそうです。
ほのかに香る程度が望ましい
やはり重要なのは、元の匂いを絶つ、あるいは大幅に軽減することです。車内に消臭スプレーをこまめに噴霧する、あるいは消臭機能付きの自動車用空気清浄機を稼働させるなどの方法があります。自動車用の芳香剤の中には、消臭成分をブレンドしたものも販売されています。
また、車内の空気を、好みの香りでスピーディーに満たしたい場合には、エアコンの吹き出し口に取り付けるタイプの芳香剤が効果的です。一方、車に使用する芳香剤で人気のある香りとしては、柑橘系(ライム、レモンなど)や、森林浴系(ヒノキなどの木材の香り)が挙げられます。
但し、匂いに関しては人によって好みが全く異なるため、無香料(無臭)を支持する声も根強くなっています。前述のように、移り香の恐れもあるため、乗客の香水の香りを邪魔するような、強い匂いの芳香剤をタクシーで使用しないほうが、女性客に、もちろん男性客にも喜ばれる可能性があります。
これらのことから、不特定多数のお客様を乗せるタクシーでは、無難な香りの芳香剤を選択し、ほのかに香る程度にしておくのがよいでしょう。