タクシー運転手として働くことを考えている方の中には、「残業代は支給されるのだろうか?」といった疑問を持っている方もいることでしょう。ここでは、気になるタクシー運転手の残業代についてお話していきたいと思います。
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タクシー運転手は残業代の支給がある?
タクシー運転手はその業務の都合によって勤務形態が長時間になりがちです。そのため、残業の多い仕事でもあるので、残業代が支払われないと「割に合わない」と感じる仕事でもあります。
タクシー運転手についても労働基準法で規定されている労働時間を超えた場合は、残業代の支払いが認められます。実際にタクシー運転手が未払いの残業代を求めて裁判を起こし、残業代の支払いが認められたケースが多くあります。
とはいえ、すべてのケースで残業代の支払いが認められているわけではありません。例えば、労働基準法で最低賃金や割増賃金の定めに準じている場合などは、残業代を支払わなくてもそれは「未払い」とはみなされません。
タクシー業界は昔、グレーな部分もあった?
拘束時間が長いことでよく知られているタクシー業界ですが、残業代があっても控除される場合もあります。そのため、現在全国各地でタクシー運転手の残業代についての裁判が繰り広げられています。
残業代の未払いを巡る裁判では、残業代の支払いが認められるケースと認められないケースとがあります。
残業代の支払いが認められた例
残業代の支払いはあったものの残業に対する支払額が低いことで会社に交渉したところ、残業代の支払いの条件に退職を迫られてしまったタクシー運転手Aさん。自分での交渉は難しいと感じたために弁護士に相談、労働審判に申し立てをしたところ、Aさんは退職する必要がなくなり会社はAさんへの残業代の支払いに応じました。
残業代の支払いが認められなかった例
大手のタクシー会社に勤務していた運転手らが残業代の未払い賃金の支払いを求めて起こした裁判で、裁判所はその会社の給料形態の性質上、会社側には未払いはないと判断し、運転手側が敗訴しました。
最初に要確認!残業代が支給されない場合もある?
このようにタクシー運転手の残業代は支払われる場合と支払われない場合とがあります。なので、タクシー会社で働く前に残業代が支払われるのかどうかきちんと確認しておきましょう。
残業代の支払いがされない可能性が高いのは、歩合給制度の場合です。あるタクシー会社では基本給にプラスして歩合給制度を採用していましたが、歩合給を計算する際に残業代などの割増賃金を差し引く規則がありました。
そのため、給与明細に残業代の記載があっても、歩合給から割増賃金(残業代)が支払われたことになり、残業代が実質ゼロとなっていました。
タクシー運転手によって残業代の支払いを求めた裁判が起こされましたが、労働基準法に違法しているとはいえないという裁判所の判断になっています。
タクシー会社によっては残業代が支払われるように記載されていても実質ゼロというところもあるので注意が必要です。
まとめ
タクシー運転手の残業代についてお話しました。残業代が払われるケースと払われないケースとがありますので、タクシー会社を選ぶ際には残業代についての規定を確認しておくようにしましょう。
特に歩合給制度の場合は、残業代が実質ゼロというケースも少なくないので注意が必要です。残業代の有無で転職を考えている方は、全国のタクシー求人サイト「転職道.com」がおすすめです。