日本交通の専用タクシー乗り場は他社より充実! その魅力を詳しく解説
利用者の立場としてタクシー会社の違いを意識する人はなかなかいないでしょう。乗ろうとするタクシーを運営している会社のことなんかより、そのタクシーの車種だったり、車両のきれいさだったり、あるいはクレジットカードが使えるか否かかといったことのほうへ意識が行く人がほとんどでしょう。
しかしタクシーで生計をたてるタクシー乗務員にとっては当然のことながら、とっても大事な部分です。自分の就業先の会社になるわけですからそのタクシー会社ごとの違いはどういったものがあるのか知っておきたいものです。どのタクシー会社で働いたって大して変わらないと、と、今まさにタクシードライバーとして働いているひとも言うほどに、タクシー乗務員の仕事内容は確かにタクシー会社によってそこまで変わりがあるものではありませんが、やはりタクシー会社によっての違いは確かに存在しています。
それはタクシーの営業手法、街中を運転し、車両を走らせながらお客さんを捕まえる「流し営業」、駅前やホテル、病院などのロータリーなどで車両を付けて利用者をひろう「付け待ち」どちらにも利用者数という形で違いがあります。タクシー乗務員は固定給の他、歩合給がその給与の多くを占めますので、より多くの利用者を見込めるタクシー会社がいいですよね。ではどんな違いがあるのでしょうか。
東京4社を知っておこう
有名どころとして、東京にあまたあるタクシー会社の中、大手タクシー会社として名をはせるタクシー会社が4社あります。「国際自動車」「日本交通」「大和自動車」「帝都自動車」の4社で、この4社間で「東京4社営業委員会」という組織を形作っています。これはこの大手4社間での相互利益を得ることを目的としています。
この東京4社のみで使用が可能な、「共通タクシーチケット」そして「共通プリペイドカード」、タクシープリペイドカードですね、これらの発行と取り扱いを行っています。4社のタクシーであることが利用者にわかりように車両のカラーリングも「4社カラー」というものに統一がされています。
東京4社が有利なところって?
まずは先に述べたように「東京4社」のタクシーを利用する際に使用できる、プリペイドカード、そして「共通タクシーチケット」の存在が大きいです。ちなみにタクシーチケットってどういうものか、知っていますか?
タクシーチケットとは、タクシーの運賃をまとめて後払いするシステムです。タクシー運賃の掛け売りですね。もちろん、個人相手にこういった契約をすることはないので、タクシー会社と企業間での契約となります。タクシー会社と契約している企業はそのタクシーチケットを使うことで従業員や役員、あるいは接待などでつかったタクシー料金をあとでまとめて支払うことができるのです。
それぞれ、タクシー会社は営業して企業とタクシーチケットの契約を結ぶべき日々邁進しているわけですが、一つのタクシー会社のみで使えるタクシーチケットよりも、「東京4社」が発行するタクシーチケットのほうが当然利便性が高いため、この東京4社共通タクシーチケットの契約を結んでいる企業は都心エリアにおいて結構な数になると言われています。
この「共通タクシーチケット」を持っている利用者は、他のタクシー会社の車両がいたとしても必ず東京4社のタクシーを選びますから、これほど強い武器はないですよね。
日本交通の専用タクシー乗り場は他社より充実! その魅力を詳しく解説
専用乗り場を多く持つタクシー会社は有利
これは「東京4社」が足並みをそれているものではないのですが、施設のロータリーなどに設けられているタクシー乗り場、このタクシー乗り場のうち、決まったタクシー会社の車両しかつけることができないものを「専用乗り場」と呼びます。
当然この「専用乗り場」を多く持つタクシー会社のほうが多くの利用者を囲い込むことができるので有利です。東京4社でも持っている「専用乗り場」の数は開きがあり、トップは圧倒的に「日本交通」で都内に30か所、ついで「国際自動車」が20か所、「大和自動車」と「帝都自動車」は当然専用乗り場は持っているものの、10か所以下と上位2社とは大きく開きがあります。
タクシードライバーとしてより多く稼ごうとしたときには「付け待ち」で稼ぐのはなかなか難しい部分があるのですが、ホテルのタクシー乗り場では遠方まで利用するお客さんもいるのでチャンスが多くあることは間違いなくタクシードライバーとして働く環境としてはプラスの側面があると言えるでしょう。
専用乗り場で車両を待機させて入れば満足に稼げる、とはいかないでしょうが、そうはいっても専用乗り場が数多くあることは他のタクシー会社よりも有利ですね。
やっぱり大手タクシー会社のほうがいいの?
大手タクシー会社とそうでないタクシー会社の違いとしてよく上がるのが歩合給の違いです。タクシー会社は固定給プラス歩合給としていることが多いです。この歩合給のパーセンテージが大手タクシー会社は比較的低い傾向にあると言われています。
しかし、大手タクシー会社の場合には先に挙げたような専用乗り場やタクシーチケットの営業面での恩恵があるため、歩合のパーセンテージが低い部分はそこで相殺されるでしょう。
また、福利厚生なども大手タクシー会社のほうが充実しているケースが多いので、トータルでみた際にはやはり大手タクシー会社のほうがメリットは多いでしょう。
一般的に会社の規模と売り上げが高ければ高いほど、従業員の平均年収も高い傾向にあるので、タクシー会社の場合も例に漏れず、といった感じでしょうか。こういった側面があるため、やはり大手タクシー会社、とくに「東京4社」へ応募しようとする人は多く、入社がなかなか難しいということになりがちです。
ですが稼ぐタクシードライバーは働くタクシー会社にかかわらず、自らの手腕によってお客様を捕まえて効率的に営業をすることで高い歩合給を獲得しているわけですから、自分の実力がそのままダイレクトに給与に反映されるという側面はやはり魅力的に映りますよね。
いま、未経験でこれからタクシードライバーとして働こうとしている人にとっては、逆にやっていけるのだろうかと不安になる方もいるかもしれませんが、タクシー会社によっては勤務してからある一定の期間は、一定の給与を保障するとしているケースもありますから、保証されている期間内でノウハウをつかむことができます。
タクシー会社、そして営業所の立地も大事
実はタクシードライバーの一度の勤務時間は長い場合が多く、最長で21時間までとされています。その為、勤務開始と勤務終了のタイミングによっては電車がなく、住んでいる場所と営業所の場所の環境によっては、電車がない深夜に営業所へと戻ってきて、営業所内の仮眠スペースでしばらく休んで電車を待ち、その後帰宅する、といったこともあり得ることです。
その為、自宅からの営業所の距離とその立地はタクシー会社へ応募する際にはチェックしておくようにしましょう。また、営業所のエリアによって、営業のしやすさももちろん変わってきます。一般的に金銭のゆとりがない人はタクシーを利用せず、公共機関あるいは徒歩で移動しますから、富裕層が多く住むエリアで営業しているほうが多くの利用者を捕まえることができるでしょう。また、実際、無線配車の数もエリアによって差があり、東京でいえば、港区や渋谷区では他のエリアに比べて無線配車の割合が高い傾向にあります。
これからタクシードライバーとして働こうとしている人にとってどのタクシー会社で働くべきなのか、チェックするべき点がわからないですよね。タクシー会社によって福利厚生や営業面のメリットは異なってきますが、タクシー乗務員は自分の実力で働くタクシー会社にかかわらず稼ぐことができる職業です。経験を積んで会社を離れ、個人タクシーを開業する人もいるわけですから、自分の実力を発揮できるような地域やエリアで働けるとよいですね。