新型コロナウイルスの感染拡大によって、政府や各自治体からはさまざまな支援策が打ち出されています。タクシー事業者が利用できる給付金や助成金にどのようなものがあるのでしょうか。
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タクシー事業者が受けることができるコロナウイルス対策の補助金
東京都では、タクシー事業者向けに新型コロナウイルス感染症の感染拡大防止対策に利用できる「タクシー事業者向け安全・安心確保緊急支援事業(新型コロナウイルス感染症緊急対策)補助金」制度を創設しています。
補助対象
対象となる事業者は、以下の項目にあてはまる事業者です。
1. 道路運送法(昭和26年法律第183号)第3条第1号ハに規定する一般乗用旅客自動車運送事業者であって、事業の停止処分等を受けていないこと。
2. 東京都内で、特定地域及び準特定地域における一般乗用旅客自動車運送事業の適正化及び活性化に関する特別措置法(平成21年法律第64号)第2条第1項又は同法施行規程第2条第3号に該当する事業を実施していること。
参照:タクシー事業者向け安全・安心確保緊急支援事業(新型コロナウイルス感染症緊急対策)補助金/TCVB 公益財団法人 東京観光財団
対象となる車両は、補助申請する事業者が使用しており、東京都内が使用の本拠地であって、申請時時点で国土交通省関東運輸局に一般車両として登録されているものに限られています。
補助内容
タクシー・ハイヤーの車両において運転席と後部座席を隔離するなど、飛沫感染防止策の経費のうち5分の4(100円未満切り捨て)を補助しています。ただし、1台あたり8,000円が上限です。
期間
申請受付期間は、2020年5月19日から2020年11月30日までです。また、補助事業実施期間は、2020年5月19日から2021年1月15日までとなっています。ただし、補助事業実施期間前でも、2020年4月1日以降に着手している場合、実施の確認が取れれば補助対象になります。
申請方法
公益財団東京観光財団の担当窓口宛に、必要書類を郵送で申請します。申請書の様式は、公益財団東京観光財団の公式サイトからダウンロードが可能です。
個人の場合に受けることができる助成金・給付金
タクシー事業者であるかどうか関係なく、個人で受けることができる新型コロナウイルス感染症による収入減への支援策もたくさん出ています。ここではその一部を紹介します。
特別定額給付金
新型コロナウイルス感染症の流行が拡大する中で、家計への支援を目的とした給付金です。2020年4月27日時点で住民基本台帳に登録されているすべての人を対象に、一律10万円支給されます。
小学校休業等対応支援金
小学校などの臨時休校によって、子どもの世話をするために契約していた仕事ができなくなった、個人で仕事をする保護者を対象とした助成金です。受給額は2020年2月27日から3月31日までの期間は1日4,100円、2020年4月1日から9月30日までは7,500円です。
傷病手当
傷病手当は、健康保険などの被保険者が病気やケガのために仕事を休んだ場合、休業4日目から最長1年6カ月保障される手当金です。
新型コロナウイルス感染症に感染した場合も利用できます。自覚症状がなくても、新型コロナウイルス陽性と判定されて、仕事を休まなければならない場合にも適用されます。
1日あたりの支給額は、次の式で計算できます。
(支給される直近12カ月間の標準報酬月額を平均した額)÷ 30日 ×(2/3)
特定求職者雇用開発助成金
感染症対策以外にも、タクシードライバー事業において活用すべき助成金が存在します。それが特定求職者雇用開発助成金です。ハローワークでは雇用促進の為に助成金を求人側に支給しています。
タクシー会社に限らずすべての企業がこの助成金対象となっている為、より高齢者を積極的に雇用することができます。
今回は助成金の種類や対象条件等をご説明します。
①:特定就職困難者コース
60歳以上65歳未満の高年齢者等の就職が困難な者を、ハローワークまたは民間の職業紹介事業者の紹介により、継続して雇用する労働者として雇い入れる事業主に対して助成するものであり、雇用機会の増大を図ることを目的としています。
②:生涯現役コース
65歳以上の離職者をハローワークまたは民間の職業紹介事業者の紹介により、1年以上継続して雇用する労働者として雇い入れる事業主に対して助成するもので、高年齢者が経験等を生かして働き、社会で活躍することへの支援を目的としています。
高年齢者を雇うメリット
・社会経験が豊富でまじめな人が多い
・長年の仕事で培ってきた知識や経験があるので即戦力になる
・子育て中の人材に比べて仕事に費やせる時間が多く制約が少ない
・高い労働意欲により職場が活性化する
・国からの支援を受けることができる(助成金)
高齢者が働くメリット
・収入がある(年金の支給が65歳になり60歳で定年退職をしたら5年間は収入が無くなる為)
・健康に良い(規則正しい生活や頭を使うので認知症の予防になる)
・人の役に立ち社会との繋がりを感じられる(仕事を通じて様々な刺激があり満足感に繋る)
受給できる事業主
・雇用保険適用事業所の事業主であること
・支給のための審査に協力すること
・管轄労働局等の実地調査を受け入れること
・各助成金の対象となる事業主の要件を満たすこと
年金支給の先延ばしなどから、高齢者の生活環境は大きく変化しており、高齢者が働くということには、金銭的にも健康的にも精神的にも大きなメリットがあることから企業も高齢者を重要な戦力として認識するようになってきています。長年のサラリーマン生活を定年退職し、第二の人生としてタクシー運転手を考えている方も多くいらっしゃいます。
タクシー業界での転職を考えるなら?
タクシー運転手は年齢制限がなく、中高年でも比較的採用率が高い可能性のある職種です。教育体制が整っていたり資格補助をしていたりするタクシー会社も存在するので、未経験者でも挑戦する価値のある仕事といえるでしょう。
タクシードライバーへの転職を考えているのであれば、専門の求人サイトでの職探しがおすすめです。転職道では、給与や待遇面だけでなく、会社の設備や車両条件もひと目で確認できます。複数のタクシー会社を比較できるので、自分に合った転職先を見つけることができるでしょう。
まとめ
新型コロナウイルスに関連して、感染拡大防止対策や家計支援などさまざまな補助金・助成金が準備されています。活用できるものがないか確認してみましょう。
感染症拡大以前から、雇用促進を目的とした求人側への助成金も存在します。雇用を考えている事業者は、利用を検討してみると良いでしょう。