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テレビ局とタクシーの関係とは?タクシー営業でも大切なミソを解説!
お茶の間に話題を届ける媒体はテレビ・ラジオが代表されるでしょう。
40年ほど前に青森県出身のスーパースター演歌歌手がリリースした日本を代表するラップソングにも「テレビがねぇ!ラジオもねぇ!」なんてフレーズがありましたが、もう時代はネット社会。ある意味ではテレビやラジオなくても生きていけるかもしれません…。
しかしタクシー業界にとって情報を得るリソースという点ではネットは大変貴重なツールでありますが、テレビ局に関しては、そらーもう、そらぁもう大切な存在なのです。
テレビ局は重要顧客
タクシー業界にとってテレビ局は、最重要顧客として数えられている存在としても過言ではありません。
東京都内は当然の事、地方各局のキー局でもテレビ局配車はタクシー運転手にとっても「稼げる案件」ですし、タクシー事業者にとってもありがたい顧客なのです。
東京都内で言えば、NHKを始め日本テレビ(NTV/AX)、東京放送(TBS/RX)、フジテレビ(CX)、テレビ朝日(EX)、テレビ東京(TX)などの民放各社、地方キー局でも、テレビ局の呼称で配車されるケースもありますので覚えておくと良いでしょう。
例えばTBSはもうそのままテレビ局の名前として確立していますし、フジテレビのCXなどは放送局のコールサインがそのまま略称として使われていたりします。

選ばれたタクシー運転手のみが許される
タクシー運転手の付け待ち営業は主に「優良タクシー事業者またはドライバー」であったりと条件さえ揃えば駅などに入構できますが、テレビ局はそうは行きません。
タクシー事業者各社によって異なりますが、まず接客応対やキャリアなど選抜されたタクシー運転手そして事業者しか入構を許されないのです。
テレビ局で勤務する皆さんは昼夜情報を電波を通じて届けるため、時間を厳守しなければならない特殊な仕事であること。そのため運転、接遇、安全を遵守した資格を有するタクシー運転手が配車を取ることができます。
タクシー事業者の運転手一人が仮に問題を起こすと、それは連帯責任となり、入構禁止となってしまう恐れがありますので本気で注意が必要です。
現に大手のタクシー事業者でさえ、あるテレビ局には入構制限がかけられているほどなのです。
報道取材の場合は終日貸切も
テレビ局からの配車が来た際、関係者をご自宅へ送迎するだけではありません。
場合によっては数日間も新聞の一面を独占するような事件や事故の現場に直行することもあるのです。
その際は完全にタクシーは貸切状態となり、待機時間も営業に含まれます。
タクシー運転手にとっては…ある意味ラッキーかもしれませんが、営業スタイルで言いますとハイヤーに近いような状況とも言えましょう。これは待つ時間が「向き」か「不向き」かに分かれます。

配車の依頼が来たら
それでは実際にテレビ局から配車が来た場合はどのような流れを取るのでしょうか?
テレビ局へ入構する際は必ずルールがあります。
一人の油断が大きな損失にならないように、注意して営業をしましょう。
入構の指示に従う
例えばテレビ局も「〇〇スタジオ」など実際の本社と離れた場所に位置しているケースが多々あります。
その際に近隣住民も当然いる訳ですから、速度規制はもちろんのこと一時停止の徹底、さらには進入時も厳しいルールが敷かれています。
それらを守らないと…毎度しつこいようですが「連帯責任」となって入構禁止の措置が取られることもあります。しっかりと遵守しましょう。
テレビ局前の客待ち禁止
タクシーはテレビ局に入構する際、近隣での客待ちは禁止されています。
タクシー運転手によっては無線の鳴りそうな時間を見計らって…テレビ局付近を走行するという営業もしているようです。
ある意味賢い方法ではあるとも言えるのですが、あまりにも露骨な場合はテレビ局側もかなり目をつけているので惰性運転で付近を走行するのはやめましょう。
接遇面の注意
さて、念願のテレビ局への入構が許されたタクシー運転手のあなた。
これから迎え入れるお客様に対してしっかりと接遇と安全運転を実施しなければなりません。
もちろんこれはいかなる営業運転でもそうなのですが、テレビ局では上述でもお伝えしたように時間厳守や制約もある事から特に気を付けないといけません。
安全の担保
当然ですが安全の担保…つまり交通ルールを遵守し、安全運転でお客様を送迎することが大切です。
これをこの場で話すという事は、過去に安全が遵守されず思わぬ大事故に繋がりかねなかった事例も発生しているからに他なりません。
また配車は主に深夜・早朝に集中します。
そのため、タクシー運転手自体も健康面や体調面をしっかりと良いコンディションで維持することはもはや常識です。
むやみに話かけない
テレビ局配車、送迎のお客様に対しては秘匿性が非常に高い業務でもあることから、むやみに話しかけてはいけません。
深夜、早朝にアナウンサーの方を送迎する事があるかもしれませんが、生放送を控えている若しくは放送が終了し帰路に就く際、お疲れの様子であることも十分に考えられます。
その際に「いつも見てます」「大ファンです」「ご自宅この辺りなんですね?自分の家からも近いです~」なんて軽い気持ちで話したつもりが…後日テレビ局を通じてタクシー事業者に思わぬ苦情が入ることも。
いずれにしても普段の営業においてもですが、お客様からは何かを聞かれればお話しする程度にして、運転手側からむやみに話すのは控えた方がよいと考えます。時折「運転手さんとの会話が面白くて好き」という方もいますが、逆の発想の方がいらっしゃるのも事実ですので。
目的地は必ず確認
時間に厳しい放送業界は、1分1秒が大切です。
そのためタクシー乗車時は必ず目的地を確認し、似たような地名に送迎してしまうことの内容にしましょう。
初歩的なことですが、目的地を告げられたら「復唱」は絶対です。
もしくは「〇〇市の◆◆町ですか?」「▲▲線のですか?」と目印になりやすいものを挙げて結び付けましょう。

「成田(杉並区成田東・成田西、千葉県成田市)」「戸塚(新宿区、横浜市戸塚区)」もそうですよね。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
テレビ局では取材、収録のみならず送迎時と多くの場面でタクシーが登場します。
時代の流れによって徐々にテレビ局配車は数字上ですと減少傾向にあるようですが、それでもテレビ局にとってタクシーは無くてはならない存在ですし、同じようにタクシー業界にとってもテレビ局配車は重要顧客の位置を揺るぎないものにしています。
東京都内23区や名古屋、大阪、札仙広福、その他地方都市でタクシー運転手として営業する際はテレビ局配車は必ず切って切れない存在ですし、良い経験になると思います。
とかくルールの多い営業ではありますので、お客様へのシートベルトの着用徹底声掛けなど細心の注意を払って運転をしていきましょう。