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タクシー供給不足時間の確保要因?『相乗りシャトルサービス』が実証運行

カケル
カケル
この記事を書いた人:『転職道.com』の転職相談スタッフ・『タクシーハローワーク(TSJ)』では職業紹介管理者としてタクシー求人コンサルタントを7年従事したのち、東京特別区地理試験・法令試験取得者/二種免許保持。数々のタクシー企業担当者との取材や求職者との会話で最新の情報を記事化しています。自らも地理試験・法令試験・二種免許を保持し都内タクシードライバーとして勤務もしているまさに『二刀流』です。JPN TAXI及びクラウンで史上最速の平日&週末の両日連続で営収10万円を5度達成!現在では特別区タクシー運転手としても活躍中。

本当にごく稀にタクシー乗り場もしくは流し営業でお客様が乗車する際、他のお客様が鉢合わせ的な感じになってしまった際、お客様同士のやりとりで「どちらまで行かれますか?お近くでしたら相乗りします?」という積極的(笑)な方に遭遇します。男女関係無くです。

ただこれらは筆者の経験則上ですが成立した試しがありません。
ですので、あらゆる条件と相性が当たれば効率は良いかもしれませんが、その場その場ですといくらお酒が回っている事があったとしてもなかなか相乗りは難しいものです。

そんな中で、深夜営業のタクシーにもしかするとライバルになるかもしれない…そんなサービスが登場したのをご存じでしょうか?

▼この記事の登場人物【筆者以外】

タクシー運転手のタマゴ:タクゾー
タクゾー意中のお相手:ノリコ
居酒屋のお客様
32歳の個タクドライバー「ジョーさん」

タクシー供給不足時間の確保要因?『相乗りシャトルサービス』が実証運行

タクシー相乗りアプリ「NearMe.」を運営する株式会社NearMe(ニアミー)は2025年1月29日、鉄道横断型社会実装コンソーシアム「JTOS(ジェイトス)」と連携し、タクシーの「シェア乗り」の仕組みを活用した新規相乗りサービスの実証実験をスタートさせました。

【関連記事】NearMeとは?配車アプリじゃない『シェア乗り専用アプリ』を紹介! 

「NearMe.」を利用されるお客様同士による「シェア乗り」が、鉄道を利用するユーザーの新たな移動手段のアプローチとなるべく、JTOS各社の鉄道や駅、さらには不動産などの経営資源を掛け合わせた実証実験フィールドを提供し、持続可能な事業モデルの構築を目指していくとのことです。

▼タクシー運転手のタマゴ:タクゾー

実施期間は3月末までとのことです。

▼タクゾー意中のお相手:ノリコ

わたしもニアミーで先日シェア乗りしました。
タクゾーさん、やきもち焼いてないかしら…?

『ミッドナイトシャトル』

今回の新規相乗りサービスは、その名を『ミッドナイトシャトル』と呼び、主に首都圏の終電時間帯における新たな移動サービスとして実証実験を展開していくものです。

【関連記事】最大手アプリ『GO』が相乗りサービス12/11より開始!

NearMe(ニアミー)によれば、移動課題の解決に向けて、鉄道会社と連携した新たな移動手段を提供していくとのことです。

即ち1人でも多くのお客様が移動の際に「自由に目的地へアクセス可能な社会の実現」をNearMe(ニアミー)は目指しているのです。

▼居酒屋のお客様

イエーイ!ヒック!
終電逃しちゃったけど、オトクに帰りたいんだよなぁ。
今月小遣い削られちゃったからさ~。
渡りに船なサービスだよなぁ~。

あれ、スマホの電源切れちまった…涙!

西武池袋線エリアで実証実験

「ミッドナイトシャトル」は今回の実証実験第一弾をまず西武鉄道の池袋線(以下:西武池袋線)エリアで実施します。

【関連記事】今各地でスタートしている「乗り合い(デマンド)タクシー」とは?

これは沿線地域の移動課題が浮き彫りとなっている終電の時間帯のみならず、交通手段の需要と供給が不足しているエリアにおいて、地域特性やユーザー動向、そして需要などを綿密に検証するためでもあるのです。

詳細など

ここでは詳細をお伝えいたします。

なお、今回の西武池袋線沿線の「ミッドナイトシャトル」実証実験は『ミッドナイトS-シャトル』というサービス名で実施されます。

お客様はウェブサイトから予約が必要となり最短20分前まで予約が可能とのことです。

サービス名称:ミッドナイトS-シャトル
サービス期間:2025年1月29日(水)~2025年3月末
運行日:サービス期間中の、水曜日、金曜日、土曜日
運行時間:終電後深夜1時より
運行範囲:池袋駅(西武南口、高速バス乗り場)から西武池袋線沿いに小手指駅周辺まで運行

▼実証運行エリアおよび料金
・練馬区東エリア(都道443号線以東)、中野区一部(富士見台駅付近):4,500円
・練馬区西エリア(都道443号線以西):5,900円
・西東京市:6,800円
・東久留米市/清瀬市:7,900円
・東村山市/所沢市:9,000円
決済方法:クレジットカード決済のみ
最大乗車人数:6名

▼32歳の個タクドライバー「ジョーさん」

いやー、タクシーより安いなぁ。
相乗りだから仕方ないか。

まぁ確かに普通、複数人でタクシー乗っても割り勘にすれば安いですよね。

タクシー供給不足時間帯の確保要因として

NearMe(ニアミー)によりますと、まずタクシーの供給が不足している時間帯における確保要因として、鉄道の最寄り駅から自宅までのスムーズな移動を可能にすることを目指しているとのことです。

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昨年春に東京都内を筆頭に登場し、今や全国規模にサービスの拡大を展開している『日本版ライドシェア(NRS)』に関する多方面からの議論が昨今交わされている状況下で、1つの輸送専門の車両を複数人でシェアをする…言わば『相乗り(「ライドプーリング」)』によって事業者既存の資産を活用して輸送量を効率的に高めることをNearMe(ニアミー)では実現可能にしています。

▼タクシー運転手のタマゴ:タクゾー

この実証実験の結果を踏まえて今後は初電時間帯での実施も検討しているとのことです。

▼タクゾー意中のお相手:ノリコ

良いサービスだわ。始発の時間帯でタクシーが全然いなくて…乗りたい!

地方が抱える課題にも着手を目指す

タクシーの相乗り需要が特に顕在化するケースとして地方エリアが挙げられます。

【関連記事】配車アプリ「Uber」東京都内個人タクシーに導入。インバウンド需要どうなる?

現在日本国内の観光地各所では通常のキャパシティ以上の観光客が国内外問わず押し寄せている現象が見られます。

カケル
カケル
もちろん大変ありがたいことですし、あの忌々しいコロナ禍を経験した観光業界、交通業界にとっては非常にありがたいお話しではあるのですが、逆に問題・弊害も生じ始めております。
▼32歳の個タクドライバー「ジョーさん」

例えば真っ先に挙げられるのはたインフラの問題でしょう…。

「交通渋滞」に始まり、「観光地の混雑」や「トイレ不足」さらに「騒音」や「環境破壊」、「ゴミの問題」など…多岐に渡りますが、観光地と言えど地域住民もいらっしゃる手前、観光客とのトラブルが発生しかねません。

これらをいわゆるオーバーツーリズム問題と言うのですが、今後はシェア乗りタクシーの需要拡大時にこの観光公害に着目して、地方が抱える問題にも着手を目指す考えです。

人手不足の業界に新たなアプローチで

現在、タクシー業界をはじめとした運転を実施する公共交通機関の働き手は「人手不足」という事態が全国的に広まっております。

【関連記事】ライドシェアにJR東日本が本格参入!今後エリアも増大予定。

NearMe(ニアミー)では「シェア乗り」を通じてドライバー不足による地域の足問題という社会課題の解決し、1人でも多くのお客様が自由に移動できる地域を増やすことで、各沿線の地域活性化を目指しているとのことです。

▼32歳の個タクドライバー「ジョーさん」

日本における鉄道を取り巻く環境は日々変化しています。

特に人手不足は顕著ですので昨今は夜間の保守作業に負担軽減や効率化を図るためにロボットやAIを活用する動きが広がりを見せています。

JTOSとは?

それでは今回の記事で出てくる「JTOS」とは一体どんな組織なのでしょう?

【関連記事】運送会社ドライバーがライドシェアでタクシー運転手!福井県永平寺町で3社連携の観光サービス開始。

先進的なアイデア・技術を強みに、新しいビジネスを創り出し、短期間で急成長を遂げるスタートアップ企業のため、ベンチャー企業とは少し異なります。

鉄道企業4社が連携したコンソーシアム

「JTOS」は2023年9月に「JR東日本スタートアップ株式会社」と関東大手私鉄の「東急株式会社」、「小田急電鉄株式会社」、「株式会社西武ホールディングス」の4社で発足した鉄道横断型社会実装コンソーシアムです。
※共通の目的を持った複数の企業や組織が集まり、資源を持ち寄って協力し合う団体のこと。

スタートアップ企業を取り巻く社会実装に向けたさまざまな壁を乗り越えるべく、鉄道会社4社が保有する駅や鉄道のみならず、事業として展開する不動産などの経営資源、そしてグループ事業における情報資源を掛け合わせた広大な実証実験フィールドを提供し、スタートアップ企業と共に未来の当たり前を創造していくとのことです。

これから~Opinion~

タクシー業界は近年のDX化も踏まえ、日々変化の著しい様相を呈しています。
かっこよく言えば「アップロードし続ける」とでも言いましょうか。

そんな中で昨年重い腰を上げて条件付きではあるもののライドシェア(日本版ライドシェアNRS)がスタートし、今年は自動運転がいよいよ始まるか否かという状況になることが予想されます。
タクシー業界にとって決して追い風ばかりでない状況が続きますが、それでも根を張り地を耕し強靭な輸送サービスとして国内の公共交通機関の重要な役割を今後も果たしていくことは間違いないでしょう。

そんな状況下で始まっているこの「相乗り(シェア乗り)サービス」ですが、まだ認知度は一般的に広く知れ渡っている印象がありません。
しかしそれは逆に該当事業者にとっては市場開拓におけるまたとないチャンスでもあるのは言うまでないのです。

しかし国内はタクシーという移動手段におけるサービスの土壌があり、その文化が良くも悪くも根付いているので、この先分散化してサービスを展開という綺麗事には…なかなか難しいのではないでしょうか。

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