
見出し
求人サイトによる就職お祝い金の提供が禁止に!
2025年4月1日をもって、求人サイトを含む全ての人材紹介メディアを運営する事業者からの就職お祝い金の提供が、法律により禁止されることになりました。
厚生労働省は、就職お祝い金に関する規制を段階的に強化しており、2021年4月1日の規制ではガイドラインの改正による制限が導入され、2025年1月1日からは法律に基づく禁止措置の適用により、人材紹介会社の「就職お祝い金」の提供が禁止されました。
今回の規制では、人材紹介会社以外に、新たに求人サイトなどを運営する募集情報等提供事業者に対しても、求職者への金銭等の提供が原則禁止となります。
就職お祝い金とは
「就職お祝い金」とは、人材紹介会社や求人サイトの運営事業者が、特定の求人に応募し採用が決定・入社した求職者に対して支給する、金銭的なインセンティブのことです。主に求職者の応募を促す目的で設定され、「採用祝い金」や「転職支援金」、「入社祝い金」とも呼ばれることがあります。
現金だけでなく、ギフト券やポイントなども含まれます。
就職お祝い金の仕組み
求人サイト・人材紹介会社の掲載と支給条件
①企業の求人情報を掲載し、「就職お祝い金」の提供を宣伝。
②求職者がサイト経由で応募し採用される、もしくは入社し一定の勤務継続条件(例:3ケ月勤務など)を満たした後、一定の金額が求職者に支給される。
お祝金の出所と人材紹介会社の収益構造
①人材紹介会社は、採用企業から紹介手数料(成功報酬)を受け取る。
②その一部を求職者に「お祝い金」として還元し、応募を促進する。
問題点と規制の背景
求職者の選択が金銭的インセンティブによって影響を受けることは、短期的には求職者にメリットがあるように見えますが、適切な職業マッチングを妨げてしまうこと、また長期的には労働市場の安定性を損なう要因となるため、規制が必要とされています。
主に考えられる懸念点として、以下のポイントが挙げられます。
過去の規制と今回の規制の相違点
厚生労働省の規制は、2021年4月1日と2025年1月1日の過去2度あり、今回が3度目の規制となります。
2021年4月1日の規制では、「職業安定法の指針(ガイドライン)の改正」として実施され、職業紹介事業者(人材紹介会社)に対し、求職者への就職お祝い金の提供を控えるよう求める、という罰則のないあくまで指導レベルの規制にとどまりました。
この規制で一部の人材紹介会社がお祝い金の縮小・撤廃をしたものの、法律上禁止しているわけではないため強制力がなく、完全な撤廃には至りませんでした。
2度目となる2025年1月1日の規制強化は「職業安定法の改正」であり、人材紹介事業者による就職お祝い金の提供が正式に禁止されました。また、違反した場合は行政指導・処分の対象となります。
違反時の対応としては、厚生労働省による指導・是正勧告、悪質な場合は許可取消や業務停止命令の可能性 もあります。
また、紹介会社が求職者に「短期間で転職するように促す行為」もあわせて禁止に。お祝い金目当ての短期転職を防ぐためです。
3度目となる今回は、前回の職業安定法の改正に伴う規制の拡大であり、人材紹介事業者だけでなく求人広告を掲載する業者にも規制が拡大されます。
まとめ
今回の規制強化で禁止の適応範囲が拡大されたことにより、就職お祝い金の提供が業界全体で完全に禁止されました。今後の人材紹介業界は、金銭以外の支援(キャリア相談、スキルアップ支援)へのサービス内容の移行が求められます。
転職道.COMでも、今まで一部企業を対象に行っていた転職支援金も終了する運びとなりました。詳細は下記お知らせに記載しておりますので、ご確認ください。