我が国のタクシーは「法人」、そして「個人」の2パターンが運営しており、当然ながら違法な白タク行為は該当しません。
法人タクシー事業者内で「10年無事故無違反」などある程度の条件を満たし試験に合格すると個人タクシーとして開業をすることが可能で、現在東京大手四社の日本交通と国際自動車の2社は支援型の個人タクシー制度もあるほどです。
『生涯法人でタクシー運転手を続ける』か、『個人タクシーで営業する』かは各々メリットやデメリットも踏まえ、好みが分かれるところではあります。
そんな中、いずれも今のご時世「アプリ配車」に対応していない事にはどうしてもタクシー営業には致命的であることは否定できません。
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配車アプリ「Uber」東京都内個人タクシーに導入。インバウンド需要どうなる?
タクシーアプリ配車大手のUber Japan(以下:Uber)は2025年1月16日、東京都個人タクシー協同組合の組合員(事業者兼タクシー運転手)が配車アプリ『Uber』を通じて配車依頼を受け付けることがを発表いたしました。
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「今回の取り組みを通じて、東京都個人タクシー協同組合員の皆さまと協力し、日本の移動体験を新たなステージへ引き上げる一助を担えることを大変光栄に思います。組合員にとって新たな収益チャンスを提供するだけでなく、Uberが日本市場における役割を拡大し、地域社会に貢献する第一歩となることを確信しています。Uberは今後も組合員や業界全体との対話を重ね、信頼関係を構築していくとともに、個人タクシーの豊かな経験とUberのテクノロジーを融合させることで、消費者にとってさらに便利で安心できるサービスを提供してまいります」
【Uber Japan 代表:山中志郎】
新たな顧客層を獲得できるか。
東京都個人タクシー協同組合では、これにより組合員の個人タクシー事業者(運転手)はインバウンド観光客を含む新しい顧客層を取り込むことが可能となり、今まで以上に収益の向上が期待されます。
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個人タクシーといえば、どちらかと言えば「お抱えのお客様がいる」「配車アプリのイメージがない」という方もいらっしゃるかもしれませんが、実は東京都個人タクシー協同組合では『GO』と『S.RIDE』に対応しています。
個人タクシーがUberを導入するメリットとは?
東京都個人タクシー協同組合は上述でも説明しましたように、既に「GO」と「S.RIDE」を導入しています。
そのような状況で今回「Uber」を導入する際、実際に恩恵を受けるであろう組合員(事業主兼タクシー運転手)はどのようなメリットがあるのでしょうか。
インバウンド需要への対応
東京都内は一年を通じてインバウンド観光客でごった返しています。
コロナ禍の規制緩和から時が経ち、現在訪日観光客の皆様は配車アプリ「Uber」を利用してのタクシー乗車が目立ってきています。
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これらのタクシー需要に対応すべく、東京都個人タクシー協同組合は配車アプリ『Uber』と結託し、英語をはじめとした50言語対応機能によって、訪日観光客の乗車をスムーズに展開させるとのことです。
タクシー業務の効率化
タクシー営業で要になるのは空車率を減らすことにあります。
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東京都個人タクシー協同組合では、配車アプリ『Uber』を通じてより効率的な配車の仕組みを組み立てることによって、空車時間短縮の実現につとめていきます。
そこには「実車率」が表示されるんですが、やはり50%以上は上回りたいものです!
収益向上に繋がる
配車アプリ『Uber』の導入により、「既存顧客」と現状で実施している「流し営業」や「付け待ち」、「予約配車」、「無線配車」、「アプリ配車」にプラスアルファとして新規顧客の獲得に結び付くことができます。
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お客さまの更なる利便性向上へ
配車アプリ『Uber』を運営するUber Japan では、今回の東京都個人タクシー協同組合へのサービス開始に際し「今後もこれまで以上に効率的な配車や、訪日観光客やビジネス客などの移動需要の取り込み、先進的なテクノロジーの活用を通じた売上機会の創出を支援したい」と意気込んでおります。
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発足当初は国内での配車サービスは数カ所に過ぎず、主に米軍施設関連の最寄りでのサービスというイメージが強かった配車アプリ『Uber』ですが、徐々に都心部や地方でも裾野を広げて行きつつあります。
ユーザーが世界的に多いことから、この先も国内のサービス提供エリアの拡大を図っていくことでしょう。
また、お客さまの更なる利便性向上に尽力すべく、新たなサービスの展開を進めていくとのことです。
個人タクシーとは?
ところで、個人タクシーとは一体どんな存在かご存じでしょうか?
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「個人タクシー」は法人タクシーとは違い、個人タクシーの許可を受けた「運転手」と「事業者」の両方の役目を自ら行う義務があり、『許可を受けた“個人”のみが1台のタクシー営業車両を使用して旅客運送可能な条件を付されたタクシー事業』を言います。
個人タクシーになる条件
個人タクシーの事業者になるためには、①新規許可(新規の許可を受ける方法)と、②譲渡譲受(現在個人タクシーの許可を受けている事業者から事業の譲渡を受ける方法)、③相続(現在個人タクシーの許可を受けている事業者から相続する方法)の3種類があります。
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また、個人タクシーは『誰でもすぐになれる』という訳ではありません。
資格を得るには、年齢、資金、道路交通法等の違反歴、運転経歴、その他一定の条件があり、それらを全て満たす必要があります。
個人タクシーの運転手は事業認可を受けたその日から、道路運送法を始めとする関係法令の基本的な知識等はもちろんのこと、『タクシー事業者』としての自覚と責任が求められるとになります。
個人事業主ですからね、タクシー車両も機器やら使用料など…資金も必要になってきますよ。
ただ営業収入は100%自分のものですし、組合からの営業支援もあります。
それに何と言っても時間が自由なので、自分は自分自身に厳しくしながら営業してます。
お抱えのお客様がいらっしゃるのもありがたいです。
これから~Opinion~
海外からのお客様を1乗務毎に数組はご乗車頂いておりますが、街をタクシーで走行していると…明らかに「Uberで呼んでいるな?」という雰囲気の訪日観光客の皆様を以前に比べて確かに見かけるようになりました。
Uber自体が世界中のユーザーを抱えていることもあり、日本国内でも都内を中心に導入するタクシー事業者が増加していますが、個人タクシーが参入したことによりどこまで囲い込めるかが注目です。
個人タクシーは、思い立って開業できるものではありません。長い年月の中で経験と実績(無事故無違反など)を積み重ねて、審査や試験などを経て開業することが出来るのです。
ただそれだけに既に常連かつ上客の顧客を抱えていることでも知られており、これはUberに限らずですがアプリ配車に対して組合員(事業主兼タクシー運転手)が積極姿勢なのかが気になるところです。いずれにしてもこれを機にまた多くのタクシー事業者がUber導入に動き出すかもしれません。