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「タクシー運転手さん!〇〇橋で右折して」★タクシー営業でよく聞「〇〇橋」特集【特別区(城南・城北)編】
『レインボーブリッジ封鎖できましぇ~ん!』…どこかで聞いた映画の名シーンを思い出しますね。
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冒頭から大変失礼しました!さて東京都内には数多くの橋が存在し、それはそれは正味膨大な数です。
いざ紹介しますとなると、相当な時間と内容を要しますので坂道シリーズ同様に『お客様からよく注文依頼されるスポットとしてよく上げられる〇〇橋』を特集したいと思います。
都内には多くの『橋が付く地名』が存在。
東京都内には多くの『橋が付く地名』が存在します。
中にはかつて橋が存在したが今は地名のみになっている場所や駅名と共に存在している場所など、バリエーションは豊です。
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なぜこのような内容を記事にするかと言いますと「〇〇を過ぎて~」というお客様からの会話がタクシー営業中に非常に多く飛び交うのです。
それでもなかなかの数でしたので…絞って厳選した上で前回のタクシー都内23区の知られざる地区名から引用し、4地区プラス千代田区で東京都内(特別区)は2度に分けてお送りいたします。
東京都内城南地区の〇〇橋
都内の城南地区(目黒区、品川区、大田区、港区)の『橋が付く地名』を紹介しましょう。
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もちろんここに登場する以外にも多くの橋は存在しますので、あくまでその点は「行先や経由地として多い場所」を紹介していますので、悪しからずご理解をお願いいたします。
また、大田区や世田谷区などの多摩川を跨いて県境となるケースは別回にて紹介する予定です!
大橋【目黒区】
大橋は目黒区の大橋交差点付近に位置する地名です。
周辺は玉川通り、そしてその上には首都高速3号渋谷線。さらには中央道・東北道・湾岸線へとアクセスが可能な要塞「大橋JCT(ジャンクション)」があり、東急田園都市線の『池尻大橋駅』の最寄になります。
さらに山手通りが交差し、渋谷方面のみならず、中目黒方面へ向かうタクシーでちゅうや問わず走行しており交通量の非常に激しい場所です。
肝心の「大橋」は、元は目黒川に架かる街道上の橋の名称を指します。
目黒区によればかつて付近を走行していた東急玉川線(玉電)の停留所名にもなっていたとのことですが、正式な町名となったのは昭和44年1月だそうです。
自分はタクシー営業の際、大橋の交差点で「渋谷に行くか」「中目黒に行くか」悩みます。
八ツ山橋【品川区】
八ツ山橋は京急線の北品川駅と品川駅の間に位置する踏切を渡ってすぐの橋です。
その歴史は古く1872年(明治5年)に東海道と東海道線を立体交差させるために架けられました。
タクシーで営業しているとこの付近は品川駅の港南口方面から高輪口方面へ向かう際に通過することが多い印象です。
また、余談ですが1954年上映の初代ゴジラが上陸した最初の場所としても有名です。
あ、シン・ゴジラではタクシー会社も破壊されてました笑。あれは複雑でした…。
新八ツ山橋【品川区】
新八ツ山橋は八ツ山橋同様に京急線の北品川駅と品川駅の間にかかる橋です。
こちらは第一京浜であり、交通量が一日を通して非常に多い場所です。
第一京浜で蒲田~大森~大井町方面から品川へ向かう際などに通過することはあると思いますが、有名なのはやはり何といっても年始に開催される「箱根駅伝」の1区と10区のコースになっている点でしょう。
度々実況でも「新八ツ山橋を走行中です」というフレーズを駅伝フリークの方なら聞いた事はあるはずです。
ですので1月2日と3日は交通規制があるためタクシー営業は注意しましょう。
平塚橋【品川区】
平塚橋は品川区の中原街道と鮫洲大山線の交差点名です。
橋自体は現在存在していませんが、近隣に設置している説明版には、かつて平塚橋は「品川用水の水路と旧中原街道が交差するところに架けられていた」と記されていたとのことです。
周辺は駅がいくつか点在しており、目黒線の「武蔵小山駅」に池上線の「戸越銀座駅」、そして都営浅草線の「戸越駅」など、都心部から平塚橋付近までのタクシー送迎も多々あります。
丸子橋【大田区】
丸子橋は大田区田園調布にある中原街道の橋で、多摩川に架かっているため、橋の向こうは都内タクシー営業エリア外となる「神奈川県川崎市中原区」となります。
場所柄、県境をまたぐ形となるため、タクシーですと深夜に通ることが多い印象です。
但し周辺は東京都大田区の「下丸子(しもまるこ)」と神奈川県川崎市中原区の「新丸子(しんまるこ)」が存在するため、行先を聞き間違えないようにしましょう。
※ガス橋は神奈川特集にて。
六郷橋【大田区】
六郷橋は大田区東六郷にある第一京浜の橋です。
こちらも多摩川に架かっているため、橋の向こうは都内タクシー営業エリア外となる「神奈川県川崎市川崎区」となります。
こちらもやはり第一京浜ということで、年始に開催される「箱根駅伝」が開催される1月2日と3日は交通規制があるためタクシー営業は注意が必要です。
また、六郷橋のすぐ近くの六郷土手では毎年8月15日には大規模な花火大会が実施されることから、こちらも交通には注意が必要です…が、場合によっては稼ぎ時です。
弁慶橋【港区】
弁慶橋は赤坂見附交差点からホテルニューオータニへ向かう際に一番最初に渡る橋です。
弁慶橋の向こうは千代田区紀尾井町となり麹町や半蔵門周辺へ向かうビジネスマンを送迎する際もタクシーで通過する場所です。
金杉橋【港区】
金杉橋は港区の芝1丁目から浜松町2丁目にかかる第一京浜の橋です。
全長は19mと非常に短い橋ですが、橋上には首都高速都心環状線が走行しており、大門、浜松町付近から品川方面に向かう際のポイントとなっております。
周辺は浜松町駅のモノレール専用出口やオフィス街へと続く道が『一方通行』で続いており、うまく攻略するのがカギでもあります。
古川橋【港区】
古川橋は港区の白金1丁目と南麻布2丁目、そして三田5丁目の古川(渋谷川)に架かる橋で、主にタクシーの行先としては古川橋交差点というのが共通認識です。
付近は明治通りの起点であり、また麻布通りは魚籃坂方面や第一京浜方面、そして麻布・六本木方面へとアクセスが良いためタクシー送迎地点として指名が多い場所です。
古川橋はよく出てきますよねぇ…!
行先や時間帯によっては利用するのも手ですよ。
新一の橋周辺【港区】
新一の橋は、港区麻布十番一丁目と港区東麻布三丁目の境界にある「麻布通り」と「環状三号線」の交差点です。
地下が都営大江戸線「麻布十番駅」となっており、さらに上には首都高速の「一ノ橋JCT(ジャンクション)」があります。
また、周辺ですが新一の橋交差点からすぐの場所に一の橋交差点があり、少し離れて仙台坂と日向坂がぶつかる交差点が二の橋交差点です。
※さらに古川橋周辺にも「四の橋交差点」があります。
この麻布通り周辺は六本木方などタクシーを利用されるお客様が多いエリアですよ。
新橋【港区】
新橋はもう東京都民はおろか全国都道府県の皆さんでも知らない方はいないでしょう。
時にサラリーマンの街と言われますが、駅名、地名に「橋」が付いてる以上、橋が存在するのでしょうか…?
歴史を紐解くと、どうやらかつては橋があったようです。
江戸時代に、汐留川(新橋川)に架けられた橋が「新橋」という名前であったそうです。
1601年(慶長6年)、徳川家康は「宿駅伝馬制度」をしき、近世の東海道を確立しました。 当初は今の港区芝一丁目あたりが起点でしたが、3年後、増上寺浜辺などを埋め立て、起点を日本橋まで延ばします。この時に、現在の港区の北東端に架けられた新しい橋こそ、「新橋」の起源と考えられています。
【『いざまち』より一部抜粋。】
新橋周辺は昼夜通してタクシー利用が多く、需要は限りなく高いエリアです。
近隣の西新橋、東新橋も同様で、飲み屋街にとどまらずオフィス街や病院、観光、夜になれば湾岸エリアへの帰路へ着く方や銀座方面へのお客様が目立ちます。
しかし新橋駅周辺の一部は銀座乗禁地区になりますので平日の営業は極めて注意が必要です。
赤羽橋【港区】
赤羽橋は港区の古川に架かる橋ですが、タクシー運転手もお客様もまず「赤羽橋」と聞けば「交差点」もしくは都営大江江戸線の駅で通じます。
周辺は東京タワーや芝公園、さらにはプリンス系のホテルが点在しており、ホテル名が相似してることもあるため行先は必ず正確に確認して送迎を行いましょう。
特に海外の方が乗車されるケースも多いので要注意です。
天現寺橋【港区】
天現寺橋は渋谷区の外苑西通り沿いの渋谷川に架かる橋です。
タクシー運転手もお客様もまず「天現寺橋」と聞けば「交差点」で通じますが元々の名称が近隣にある天現寺(港区南麻布)から来ているため、行先が必ずしも交差点付近でない事もあるますので注意が必要です。
過去東京タクシーセンターの「地理試験」でも出題されているこの交差点は恵比寿・渋谷方面と西麻布・新宿方面、古川橋・六本木方面、そして目黒方面へ向かう交通の要所ですので交通量が非常に多い場所です。
また、フランス大使館や在日米軍の施設「ニュー山王ホテル」もあり外国人の方が利用されるのも珍しくありません。
東京都内城北地区の〇〇橋
都内の城北地区(荒川区、文京区、豊島区、板橋区、足立区、北区)の『橋が付く地名』を紹介しましょう。
【関連記事】タクシー運転手ならでは…普段の生活ではなかなか入れない場所エピソード
こちらもここに登場する以外にも多くの橋は存在します。
あくまでその点は「行先や経由地として多い場所」を紹介していますので、重ねまして…悪しからずご理解をお願いいたします。
また、足立区、北区で荒川などを跨いて県境となるケースは別回にて紹介する予定です!
板橋周辺【板橋区】
その名もずばり東京都板橋区です。
板橋と聞くと普段我々の生活に馴染んでいる地名ですので、そもそも橋なんて…と思うかもしれませんが、一応雑学としてご紹介しますと…板橋の由来は、現在の石神井川に架かる板の橋名が由来と言われており、当時は石神井川中流の南北両岸に位置する宿場であったそうです。
上板橋(村)には川越街道の上板橋宿が、下板橋(村)には中山道の下板橋宿が置かれたとか!
僕のばぁちゃんが子供の頃に教えてくれたぞ。
さて、板橋周辺は山手通りを走行しながら熊野町交差点や板橋区役所前付近への送迎、そして環七通りと中山道がぶつかる大和町付近など、意外にもタクシー営業で走行することが多いエリアです。
駅住所あるあるで、品川駅も港区だったり、目黒駅も品川区なのです。
江戸川橋【文京区】
江戸川橋は文京区の目白通り沿いの神田川に架かる橋です。橋上には江戸川橋通りが走っており、タクシー運転手もお客様もまず「江戸川橋」と聞けば「交差点」もしくは東京メトロ有楽町線の駅で通じます。
文京区の中でも新宿エリアに近く、タクシー乗降も比較的多い場所ですので昼夜問わず訪れることが多い場所であり、飯田橋方面へ走るとLPガススタンドがある事でも知られています。
千住大橋【荒川区】
千住大橋は荒川区南千住の日光街道沿いに位置する墨田川に架かる橋です。
橋を渡ると足立区の千住橋戸町になります。
南千住から北千住方面へ向かう際には高確率でこの橋を渡らないとタクシーは最短で到達しないため、周辺で営業する際は通る機会が非常に多い橋です。
また、千住大橋を渡り切って300mほど進むと京成本線の千住大橋駅があるのも特徴です。
尾久橋【荒川区】
尾久橋は荒川区東尾久の尾久橋通り沿いに位置する墨田川に架かる橋です。
街道名にもなっているほどで、「尾久橋通り」という名称は出てきますが、尾久橋を利用する際は例えば「日暮里・舎人ライナー」の足立小台駅もしくは扇大橋南の交差点で右左折するかに限られるでしょう。
橋自体も「日暮里・舎人ライナー」と並走しています。
尾竹橋【荒川区】
尾竹橋は荒川区町屋と足立区千住桜木間の尾竹橋通り沿いに位置する、墨田川に架かる橋です。
西日暮里、三河島方面から尾竹橋を渡り、墨堤通りの交差点を過ぎると荒川を渡る「西新井橋」となり、西新井大師方面へと繋がります。
千住新橋【足立区】
千住新橋は足立区千住の日光街道沿いに位置する荒川に架かる橋です。
この橋は渡っても足立区内となっております(足立区足立)。
綾瀬、梅島・草加(埼玉)方面へ向かう際はこの橋を渡る事が推奨されており、タクシーでも首都高の出入り口があることから周辺のみならず、ロングで営業に来られた際は利用することがありますよ。
北千住方面から千住新橋を渡り、右折して小菅方面へ進むと有名な『東京拘置所』があります。
この間行きました!…もちろんタクシー営業ですよ!
西新井橋【足立区】
西新井橋は足立区の尾竹橋通り沿いに位置する荒川に架かる橋です。
この橋も千住新橋同様、渡っても足立区内となっております(足立区関原)。
過去東京タクシーセンターで実施されていた地理試験でも良く出てきた「尾竹橋通り」や環七通りと交差する「万願寺交差点」など、交通量が多いエリアでもあります。
また何と言っても初詣など参拝で賑わう『西新井大師』へ向かう恰好の道でもあるため、タクシーでも度々この橋の名前は出てきますよ。
扇大橋【足立区】
扇大橋は足立区小台と足立区扇を結ぶ、尾久橋通り沿いに位置する荒川に架かる橋です。
尾久橋(墨田川)を渡ってほどなくして扇大橋を渡りますので、この「尾久橋(荒川区)」と「扇大橋」はしばしばセットになることがあります。
橋は「日暮里・舎人ライナー」と並走しており、扇大橋を渡りきると「扇大橋駅」があります。
江北橋【足立区】
江北橋は足立区宮城と足立区江北を結ぶ、江北橋通り沿いに位置する荒川に架かる橋です。
首都高速中央環状線「江北JCT(ジャンクション)」のすぐ近くにで「日暮里・舎人ライナー」の扇大橋駅前となる尾久橋通りとの交差点にぶつかることもあり、タクシーでは王子、池袋方面から足立区方面へ送迎する際の橋として認知されています。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
城南・城北と地区を絞っただけでもこれだけの橋、もしくは橋の地名が存在するのです。
当然まだまだあるはずですが、紹介するにはこのように「タクシー営業の送迎時によく出てくる」というのを前提にご紹介をさせていただきました。
普段何気なく通っている場所でも、「〇〇川を渡っているんだ」「付近はこんな建物があるんだ」「〇〇駅の近くなんだ」と意識して走ってみると、より東京都内の道路を覚えてくるのではないでしょうか。
一度お乗せしたお客様が再度乗車することはなかなか無いにしても、一度行ったエリアはその後何度か訪れることがありますので、是非チェックしてみてくださいね。きっと役に立ちますよ!