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【年末深掘りあるある】タクシーの車内で忘れ物をしてしまったら?お客様は?運転手は?どこにどうすればいい?
タクシーで心地よくお客様がご乗車になった際、よくあるのが『お忘れ物(拾得物)』です。
ついつい「家に帰る」衝動が優先になってしまい…人はタクシーで目的地に到着した際、ついつい“車内を見渡す”という行為を怠りがちなのです。
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そうしたことから、他の公共交通機関同様、タクシー車内でもお忘れ物(拾得物)の発生率は多く、下手をすると『1乗務につき1回お忘れ物(拾得物)をしたお客様に当たる可能性』を秘めていますので注意が必要です。
忘れ物は特に多い案件
タクシー営業を実施するにあたり「お忘れもの(拾得物)」は避けて通れない案件です。
散々の声かけにも限らずお忘れ物(拾得物)をしてしまう方も稀にいらっしゃるほどです。
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▼ちなみにタクシー車内で特に多いお忘れ物(拾得物)ランキングとして、以下が挙げられております。
- スマートフォン、携帯電話、カメラ
- 財布
- 鍵
- リュックサック、鞄
- ヘッドフォン、スピーカー
- メガネ
- 衣類
- 電子タバコ
- 宝飾品
- 身分証明書
※Uber2022年度版米国版「Uber 忘れ物インデックス」より。
これらは、米国内での発表となっておりますが、正味日本国内でも同様の結果であると考えられています。
また、日本国内においてタクシーを利用するお客様の「お忘れ物(拾得物)」が多い時間帯は午前3時~11時までの間というデータが発表されております。(※Uber日本法人より)
タクシー運転手の取るべき行動
「今ご乗車頂いていたお客様がお忘れ物(拾得物)をしてしまった!」或いは「次にご乗車頂いたお客様からのご指摘によって、お忘れ物(拾得物)に気付いた」というタクシー運転手は多いのではないでしょうか?
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そんな時、タクシー運転手の取るべき行動はどのような内容なのでしょうか?ここにまとめてあります。
見つけ次第、即警察へ届ける
まず、滞りなく必ず実施して頂きたいのが、お忘れ物(拾得物)を見つけ次第、即警察へ届けるという行為です。
これだけは必ず遵守しましょう。
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そしていつ、どのような時間帯でご利用されたお客様なのか、お客様の特徴などを最寄りの警察もしくは派出所へ行き、担当部署か駐在の方へお忘れ物(拾得物)の内容をお伝えしてください。
お忘れ物(拾得物)を見つけ次第、迅速に最寄りの警察署または交番へ一目散へ向かいましょう。
『捨得物件預かり書』を作成してもらう
警察では、お忘れ物(拾得物)の届け出がありましたら、例外なく「拾得物件預り書」という書類を作成、交付します。
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「拾得物件預り書」は、警察で物件(主に忘れ物)を受領した際に、拾得者に交付されます。
『捨得物件預かり書』をタクシー事業者へ提出する
「拾得物件預り書」を警察にて作成・交付されましたら、タクシー事業者へ速やかに提出をします。
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但し、タクシー運転手も「営業中の最中」であることも多く、営業エリアからタクシー事業所までかなり離れた場所で車両を走行していたとなれば…逐一営業所へ戻るのはかなり億劫ですよね。
但し「このような忘れ物をして届けた」という位の事はお伝えしておきましょう。もし問い合わせが来た際も非常にスムーズです。
やってはいけないこと
ここでは当たり前のことを、ごく当たり前に書きます。
釈迦に説法、余計なお世話、百も千も一万も承知と思われるかもしれませんが…一歩下手すると犯罪と同等もしくは懲戒解雇レベルの話にもなりかねませんのでご注意ください。
お忘れ物(拾得物)をタクシー事業者へ持ち帰る
「お客様がタクシー車内で財布のお忘れ物(拾得物)をしたのです。コレです!」と運行管理者にお客様の遺失物を手渡したタクシー乗務員Aさん。
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この行為はNGなのです。新人あるあるなのですが、一度お忘れ物(拾得物)を確認しましたら、絶対にタクシー事業者へ持ち帰らないようにしましょう。まず警察に届けるのが先です。
お忘れ物(拾得物)を一旦家に持ち帰る
お客様が忘れ物をしてしまい「帰庫時間のオーバーが迫っており、どうしたらよいかわからず。とりあえず家に持ち帰ってしまった。その翌日タクシー会社へ届けた」という実際にあった事例があります。
このタクシー運転手は、この後問題となり会社を退職となったそうです。
つまりお忘れ物(拾得物)が分かった途端に警察署へ行かなかったこと、さらに帰庫時間のオーバーが迫っていたという話だったようですが、であれば一度タクシー事業者の運行管理者に事情を話して指示を仰ぐのが正しい行動であったはずです。
それなのに、帰庫後にあろうことか始末がわからず家に持ち帰ってしまっているとのことでした。
この「一旦自宅に持ち帰っている」という行為は相当NGな行為です。
例え自分に悪気が無いにしても相当に厳しい処分が下されると思っておいてください。
ですので、くれぐれもこのような事をしないよう、気を付けましょう。
お忘れ物(拾得物)の中身を奪う
このような非常識かつ極悪非道な行為は、書くまでもありません。
100歩譲って本人の確認を実施するためにお忘れ物(拾得物)の中身を警察署立ち合いのもとで拝見したとしても、それは立派な窃盗罪ですのでNGです。「魔が差した」など、苦しい言い訳に過ぎないのです。
忘れ物を防止するためには
それでは、お客様に忘れ物を防止して頂くためにはどうしたらよろしいでしょうか。
もちろん私達タクシー運転手も人間ですし、お客様も人間です。
お忘れ物(拾得物)だって生きていれば当然しますよね。
ただし一年を通して忘れ物は多いのですが、年末になると忘れ物は本当に増えるのです。
降車時にお声がけの徹底
これに尽きます。お客様が目的地に到着しタクシーからお降りになる直前に「お忘れ物はありませんか?」と一声かけましょう。それだけで随分違いますよ。
昨今は自動音声アナウンスでシートベルトの徹底だけでなく、「お忘れ物ニゴ注意クダサイ」と例の如く甲高い無異質な音声が流れますが…決して否定はしませんが、なかなか心に響きませんよね(業者さんせっかくの努力をすみません笑)。
お降りになったら席を見渡す
万が一、万全を期してのお声がけをしてもお忘れ物をしてしまっている可能性もあります。
正味滅多にないのですが、後ろを見たら「あ!ア●コス忘れてら!」なんてことも。
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お降りになった状態で後部座席を見渡し、まだお客様を確認できる状態であれば間に合いますので、エンジンを切ってお客様を追いかけましょう。
事情が事情なので大声を出しても構いません(奇声はダメです)。お客様へお忘れ物(拾得物)を届けましょう。
(お客様向け)タクシーで忘れ物(拾得物)したらどうすればいい?
ここで最後になってしまい恐縮ですが…タクシーに普段乗車されるお客様向けに、普段もし乗車しているタクシーでお忘れ物(拾得物)をしてしまったらどうすればよいか、という問いにご回答します。
まず、レシートをお持ちでしたら記載されているお電話番号へおかけください。
当時の状況をドライブレコーダー等や営業状況にて算出します。
そしてお忘れ物(拾得物)が確認できたのち、当時のタクシー運転手からも状況を伺い、拾得物件預り書の提出確認を直ちに事務職もしくは運行管理者と確認し、届けてある警察署へ連絡をします。
また、もしレシートが不明の場合は、概ねの乗車時間や乗車地、降車地を算出してタクシー車両を割り出します。
その際、無線会社が不明な場合ですと捜索は困難になるため、覚えている限りのことを伺います(タクシーの色味や特徴など)、またタクシーの業務適正化をはかる各地域のタクシーセンター等に問い合わせてみるのも良いでしょう。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
お忘れ物(拾得物)はシーズンや時間帯によって非常に増加をしますので、お客様自身でも注意が必要ではあるものの、タクシー運転手側としても適度なお声がけをさせて頂くことが大切です。
交番や警察へ届けると、それだけで30分前後時間のロスが生じ、非常にもったいないことになります。
それを少しでも減らす…極力ゼロを目指すべく、お声がけの徹底をしていきたいところです。
大体は夜中が多い傾向があり、降車後に再度乗車される新規のお客様が見つけてくださることが多いのです。
良い営業が出来るよう、最善を尽くしていきましょう。