タクシーメディア by転職道.com

タクシーに関わる求人から利用者まで全ての情報をお届けします

ライドシェアにJR東日本が本格参入!今後エリアも増大予定。

ライドシェアにJR東日本が本格参入!今後エリアも増大予定。
カケル
カケル
この記事を書いた人:『転職道.com』の転職相談スタッフ・『タクシーハローワーク(TSJ)』では職業紹介管理者としてタクシー求人コンサルタントを7年従事したのち、東京特別区地理試験・法令試験取得者/二種免許保持。数々のタクシー企業担当者との取材や求職者との会話で最新の情報を記事化しています。自らも地理試験・法令試験・二種免許を保持し都内タクシードライバーとして勤務もしているまさに『二刀流』です。JPN TAXI及びクラウンで史上最速の平日&週末の両日連続で営収10万円を5度達成!現在では特別区タクシー運転手としても活躍中

先日バス事業者、鉄道事業者を対象に日本国内のライドシェア参入要件を緩和することを決定しましたが、なんとこの度鉄道業界の根幹的存在企業が名乗りを上げました。

現在のライドシェア情勢を巡り巡って総合的な着地とみれば「当然の決断」であったのかもしれませんが、やはり日本国内で今まで普及がなされていなかった新たなモビリティサービスという事で、鉄道業界のビッグネームが一役も二役もライドシェアの定着に繋がるのは必至と言えましょう。

ライドシェアにJR東日本が本格参入!今後エリアも増大予定。

国内最大級の鉄道路線『JR東日本』は、ライドシェア事業に今後、本格参入する方針を固めました。

先般2024年12月2日に国土交通省が審議会部会にて発表したライドシェア参入要件の緩和するに先立ち、ライドシェアへの参入に舵を切った形となりました。

【関連記事】国土交通省がバス・鉄道事業者を対象に参入要件緩和へ

JRグループでは、自社でバス事業などを運営はしておりますが、タクシー事業は現在まで存在しておりませんでした。一般ドライバーが乗客を送迎するライドシェアとなれば当然ながら初の試みです。
カケル
カケル

自治体運行の枠組みで実施

JR東日本では、自治体が運行を管理する「公共ライドシェア」の枠組みで実施します。ライドシェアのドライバーに関しては原則一般応募ではなく、JR東日本管轄である自社の社員やOBをドライバーとして採用するとのことです。

【関連記事】大阪タクシー&ライドシェアが『大阪・関西万博期間中』大幅規制緩和!

また『NRS(日本版ライドシェア)』と同等、営業時間は通常のタクシー稼働台数が少ない時間帯に運行をします。現在は省令によって「交通空白地有償運送」と「福祉有償運送」が認可されております

 利用者の移動ニーズに応じて運行されており、公共交通空白地や高齢化地域での移動手段の確保を目的とします。

今回のJR東日本の取り組みはまさに従来のタクシーや路線バスを利用することが困難な「公共交通空白地」の解消や「高齢化地域での移動手段の確保」につなげることを目的としています。

カケル
カケル

注目の実施地域

JR東日本のライドシェアは、早速実施に向けて調整を始めているようです。

【関連記事】千葉県でタクシードライバーに転職したい!船橋市で千葉県タクシー協会京葉支部合同説明会が開催されました。【実際に行ってみた】

もう年内も残りわずかのところまで来ているこの2024年度中に、専用のアプリを通じてライドシェアを配車できるように検討をしています。

尚、注目の実施地域は千葉県の『南房総市』と『館山市』で調整を進めており、いずれも「公共交通空白地」かつ「高齢化地域での移動手段の確保」が必須な地域でもあります。

運行予定時間は22時から翌朝7時で車両はグループ会社のレンタカーを使う。

運行予定時間は22時から翌朝7時で車両はグループ会社のレンタカーを使用するとのことです。
但し…この地域ですと、いくら公共交通空白&過疎地とは言え、正味そこまで需要があるのかとも思います。。
カケル
カケル

JR東日本の展開について

JR東日本は鉄道事業を中心とした公共交通機関のリーディングカンパニーです。

【関連記事】小田急電鉄がMaaSタクシー型オンデマンド交通運行を開始

そのため、ライドシェアの法整備が整い規制緩和が実施されれば堰を切ったかの如く行動に移すであろうというのは専門家からも予想はついていたのです。
過去にもJR東日本ではタクシー東京大手四社の国際自動車とMaaS事業を進めたりとタクシー事業者との連携は切っても切れない旧知の仲なのです。

それだけに今後の展開に目が離せません。

公共交通機関の効率化

現在、JR東日本では鉄道運行の効率化を「ワンマン化」などといった形で進行させており、2025年から2030年頃までに山手線や京浜東北線、南武線などでワンマン運転を実施する予定です。
以上のことから今後は人員削減ではなく、新規に交通分野に人材を投入していく予定であるとのことです。

【関連記事】タクシー相乗りアプリ「nearMe.」、東京メトロ丸の内線でMaaS実証実験。

今回はかなり限られた地域で、しかもほぼテスト運行の色が強いですが…ライドシェアの利用状況が好調であればこの先、新幹線の停車駅周辺での運行などを含め、他の地域にもライドシェアを拡大したいとしています。

ライドシェアもそうですが、日本では未だもってして鉄道事業がタクシー会社との上手な連携が及び腰なイメージがあります。
それもそのはずMaaSの定着・浸透が今一つというのが現状だからなのではないでしょうか…。
カケル
カケル

10月には長野県野沢温泉内で実証実験を実施

このほか、実はJR東日本では現在、長野県野沢温泉内でライドシェアの実証実験を実施しています。

【関連記事】インバウンド好調の長野県白馬村でUber Taxiサービス開始

既に2024年11月1日から始まっており、年明け2025年1月31日までの期間限定で運行され、おもに近隣のスキーシーズンにおけるインバウンド移動需要増加等に伴っての新たな移動手段提供という形となります。

東日本旅客鉄道株式会社(「JR東日本」)、一般社団法人野沢温泉マウンテンリゾート観光局、株式会社AMANE、株式会社日本総合研究所はJR東日本主催の「WaaS共創コンソーシアム」による取り組みの一環として野沢温泉村内での公共ライドシェア2の実証実験を11月1日(金)より実施します。
本実証では、利用状況、ご利用のお客さまとドライバーの評価などから、移動ニーズや運営方法、利便性を検証します。
インバウンド移動需要増等により不足する観光客や地域住民の移動手段を提供し、地域の社会課題解決を目指していきます。
【JR東日本:プレスリリースより一部抜粋】

このほか秋田県内ではJR東日本が運行しているオンデマンドバスに動きがあります。
いずれにしても、JR東日本としてはバス以外の保有車両を活用したり、自社の社員を動員して有償運送を実施するのは初めてとなります。

ライドシェア参入要件緩和が今後拍車か

先日のタクシーメディアで取り上げたニュースにおいて「国土交通省がバス・鉄道事業者を対象に参入要件緩和へ」という記事がありました。まさにその緩和の煽りを受けてJR東日本では大手鉄道会社ならではの資金力を活かし、「地慣らし」と言った形でライドシェア運行へ舵を切る形となった訳です。

【関連記事】タクシードライバーあるある集(年末特別版)。それって職業病かも笑?Ver.9

また、今回は千葉県内の南房総市と館山市。ほんの少し離れた場所ではまだJR東日本が管轄の久留里線(まもなく一部路線廃止)が走っており、今後バス等へのシフトチェンジとのことですので、まさにライドシェアサービスへの期待が膨らむところです。

2028年までに『Suicaアプリ』をリリース予定

JR東日本のサービスで興味深い話をもうひとつ。

【関連記事】Suica(スイカ)の支払い対応のタクシーが好まれる理由(2022年12月更新)

つい先日となる2024年12月10日、JR東日本では自社の交通系ICカード「Suica」の展望について発表がありました。
そこには2028年度までに「Suica」専用のアプリ(名称は未定とのこと)を新規にリリースすることで、従来のチャージや決済のみならず、ライフスタイルのシーンにおける新体験のDXのサービスとしてSuicaを推進していくというものでした。
一部は省略しますが、今後はあと払い、位置情報の活用、個人間送金もあり、注目すべきは「ライドシェアやデマンドバスなどとの連携」を紐づけるというものでした。

現時点ではまだここまでですので…詳細はまたリリースされると思います。

これから~Opinion~

日々刻々と変化を遂げるライドシェア。日本国内で根付くのはいつの事なのでしょう。

そう思いながらも、鉄道事業者が展開する公共交通空白&過疎地にアプローチする公共ライドシェアであれば、非常に理にかなったサービスなのではないでしょうか。

しかしながら課題もあり、時間帯が緊急時を除きそこまでして移動手段を欲するゾーンなのかというのが聊か懐疑的にも思えます。
長野県の実証実験は明らかにインバウンド需要のニーズをターゲットとしたものでありますので、わかりますが、地域ニーズを考えるともう少し時間帯を地元タクシー事業者や運輸局、協会と話を折り合わせた方がうまくいくのではないかと考える次第です。

Return Top