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年末のタクシー営業は要注意!行く手を阻む『道路工事』の実態とは?
現役タクシー運転手の皆さんはもちろん、タクシー業界に転職を検討している皆さんも、普段のライフスタイルで自動車運転をしていて、このように疑問に思った事はないでしょうか?
『年末になると道路工事が増えて渋滞する…』と。
そうなんです。これは当事者以外にとっては客観的な主観で話させていただくと『交通渋滞が増えて迷惑』『なぜ年末ばかりこんなに工事するんだ』と不満も出るのも無理ありません。
では実際の所どうなんでしょうか?
年末の道路工事が多いのは事実
まず、道路工事そのものに関しては一年中実施されております。
これに関しては実施の制限等はありません。
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しかし年末に実施される数は1月〜12月と比較すれば、比にならないほど12月に集中しています。
普段タクシー運転手の皆さんも、年の瀬に営業している際は『通常なら5分で到着する場所が、20分もかかってしまった』という経験はありませんか?
そんな時は予め『年の瀬で渋滞してますので通常より時間がかかるかもしれませんがよろしいでしょうか?』とお客様へお伝えしましょう。
年末に道路工事が増加する理由
では一体どうして年末ばかりに工事が増えるのでしょうか?
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正味、渋滞も伴って至る所で工事を始められては…なんとなく人間の心理として『わざとなんじゃないか』と疑いをかけてしまいがちにもなりますよね。。
道路工事は改良だけではない
実はタクシーが普段走る公道=道路の工事を実施する意図としては、『道路の改良』だけではありません。
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実はそれ以外にも道路の『維持』そして『修繕』を目的としています。
そのため、道路工事は頻繁に実施しなくてはならないのです。
予算決定→道路工事の発注時期が概ね4月頃
道路工事は、『原則1年単位』で実施されているのをご存知でしたでしょうか?
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そのため毎年4月頃になると道路工事が発注されるのですが…そこから見積り、そして工事の契約となりますと道路工事の開始時期は最短でも秋以降になるのです。
優先順位的に『道路』が最後になる
また、道路工事を行う際には優先順位があります。
もしかするとここまでの話でピンと来た方も多いのではないでしょうか。
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そうです。タクシー営業をしている際に工事中の道路を見つけると大体が『電気』『水道管』『ガス管』といった内容で工事をしていますよね。
予算の残りを少しずつ使って要望のあった工事を行うために、年度末に工事が増しているように感じられます。
アスファルト舗装は最後
道路工事は、まず先に道路の地下に埋める水道管やガス管等の工事から実施します。
そして最後の総仕上げとして『アスファルト舗装』を実施するのです。
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ですのでどうしても道路工事は年度末に偏りがちになってしまうのが現状なのですね。
確かに何度も同じ場所を道路工事で掘り返したりしてしまうと、当然ながら経費の無駄遣いにもなりますし、慢性的な交通渋滞の原因にもなりかねません。
一般乗用車はもちろん、タクシー車両が伸び伸びと走行できて営業するために、これのような工程で道路工事は実施されているのです。
だからこそ、この優先順位は調整しなければならないのですよ。
『予算の使い切り』は迷信だった…?
『こんなん予算の無駄使いや!』『税金の無駄じゃ!』ハンドルを握りながら渋滞にハマって呟くタクシー運転手はたくさんいらっしゃる事でしょう。
実際は本当にそうなのでしょうか?
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調べによると、道路工事の予算配分や工事に掛かる費用というものは、年度初めに既に配分されているとのこと…つまり予算を無理矢理に使い切ろうとやけになって道路工事をしている訳ではなかったのです。
道路の耐用年数は?
また、道路に関しては耐用年数が10年が目安のため、その間に道路の破損などが無ければ平均10年毎で補修工事が実施されるというケースが常です。
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また、一年をかけて道路工事は実施されてはいるものの、工事をしている場面をあまりみかけない時期というのが実はあります。
それが『夏場』です。
これには理由があり、アスファルト舗装ですと耐久性及び耐熱性の関係で路面の温度を50度以下にしなければならないからです。
タクシーを運転していても、夏場はお客様は多く利用されます。その理由が「酷暑」でしょう。
近年は異常な暑さが続き、熱帯夜となった夜も数知れず…。だからこそ道路工事が滞ってしまうというのも一因なのでしょう。。。
同じ箇所を何度も工事
タクシー営業中に『もうかれこれ勤続して数年になるが…いまだに同じ箇所で道路工事している』という場面に遭遇したことはないでしょうか?
その気付きは、どうやら間違っていないようです。
調べによると、道路工事は上述でも伝えたように予算計上から工事の開始までの期間を鑑みるとどうしても『年末~年度末に集中』することが多いのですが、さらに道路工事の少々厄介な点として「同じ場所を数年にかけて工事する」のです。
タクシーも通りづらそうで…あの部分はかなりロスだよなぁと感じたものです。
尚、久々に先月通りましたら、なんと綺麗に舗装されていましたよ!
まとめ
いかがでしたでしょうか?
普段運転していると良く目にする、そして必ず巻き込まれてしまう『道路工事』スポット。
12月という年の瀬シーズン、師匠も走る「師走」はドタバタして財源使い切るや税金の無駄遣いだと思うなかれ、実は道路工事にはこのような実態があったのです。
渋滞の根源となってしまうため、何かと忌々しさを感じがちにはなる気持ちは、非常によくわかるのですが、公道を舗装して安心安全な道でタクシー営業が出来るのは、とても大切なことです。
タクシー運転手は『公道を拝借してお客様からお金を頂く仕事』という事を忘れてはいけないとつくづく思うばかりです。