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【タクシーメディア★エリア最前線シリーズ①】タクシー転職するなら地方!「広島市の最前線」実際に行ってみた。
タクシー運転手を始めるならどの地域が良いでしょう?
思い切って上京して単身都内で売れっ子ドライバーを目指す人、または地元で腰を据えて骨を埋める覚悟で勤務する人…そのモチベーションは本気で並々ならぬ熱意を持つ者もいれば、のんびりと仕事をする者、どちらも正解なのがタクシー運転手の面白いところ。
どちらも共通しているのは『安全運転に努める』と言う事でしょう。
これは全国、いや全世界共通の認識なのであります。
今回は筆者が中国地方最大の都市『広島県広島市』へ帰省した際に取材した地方都市のタクシー運転手の最前線をお届けします。
駅前の様子
筆者は今回(も)、新幹線で広島へ向かいました。
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正味帰省ではあるものの、やはりそこはタクシーメディアのライター。
どんなときも、がんもどきも、頭はタクシー業界の事でいっぱいなのです。
いわゆる職業病でしょう…。
それではまず、陸の玄関口「広島駅」の様子です。
路線バス乗り場は大幅リニューアル
広島へのアクセス方法は主に3つあり、①新幹線、②飛行機、③高速バスが挙げられます。
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おそらく早割・パック等を除いて一番高いのは①の新幹線だとは思いますが…とにかく利便性が格段に良いため、多くの方が新幹線を利用している傾向があります。(新横浜からの乗車ですと現在4時間を切っているはず)
とかく久々の広島でしたので、到着するなり再開発中ということもあって駅の変貌ぶりにただただびっくりでした…。
「バス乗り場がバリ綺麗になっちょる!!」と思った刹那…いつものタクシー乗り場もあれ?…ありません!?
タクシー乗り場も一時的に移動中
再開発中もあって、とにかく不便を強いられているのがマイカーの利用者、そしてタクシー運転手と利用者です。
この再開発工事のため、JR広島駅南口にあったタクシー乗り場は2021年1月をもって閉鎖となったのです。
そのためタクシー利用者は逆側の北口(新幹線口)まで行って乗車しなくてはならないという面倒な事態に陥っているのです…。
これにはさすがに利用者から不満の声が殺到し、「再開発はわかるがタクシー乗り場が無いなんて広島駅のイメージ以下につながりかねない」という声もあったほどでした。
北口(新幹線口)からタクシーを利用する場合、市内中心地まで行くのには駅西高架橋を渡るロスが生じるため、当然ながら運賃もかさんでしまうというデメリットが生じます。(タクシー運転手からしてみたら良いかもしれませんが、心苦しいのは間違いないでしょう。)
流石に末期となった現在では、ようやくタクシー乗り場は仮設で設けられたものの、タクシーが停車できるのはたったの2台!
もうすぐ再整備が終了するとはいえ、もう少しインフラは考えて欲しかったものです…。
ちなみにマイカーの降車場も南口は閉鎖されていました。
再開発工事の末期
広島駅では北口(新幹線口)のペデストリアンデッキ等の改良工事を終え、現在は南口周辺を大規模再開発中です。今は末期を迎え、いよいよ再整備の完成は間近です。
その目玉として注目なのが2025年春に開業予定の新駅ビル「minamoa(ミナモア)」でしょう。
地上20階・地下1階、高さ約100mのまさに「新広島」を彷彿させるシンボル的な駅ビルが誕生予定で、広島電鉄(市内路面電車)も初めて新大橋ルートを通り駅ビル2階に新駅が開設されます。
駅前の交通網も一新され、利便性も大幅に向上されることが期待されています。
インバウンド需要が強い
元々広島という街は昔から外国人観光客の多い街ではありましたが、コロナ禍が過ぎてからというものの他の観光地域に引けを取らないレベルでインバウンド需要が強い…というのがよくわかりました。
今回、県内の二つの世界遺産へも訪れることができました(一部はタクシーで乗車)。
世界遺産観光へのアクセス
まず、宮島(厳島神社)ですが、とにかく訪日観光客が大変多くて驚きました。
長年広島に住んだり行ったり来たりしてた身としては、こんなに多く海外の方がいるのを見たことが無いほどです。
筆者は広島駅から在来線で行ったのですが電車の車内も訪日観光客が8割を占めていてこれまた驚きました。
ただ、宮島口駅で降車した時点で「タクシーにお客様がどんどん乗車している」という印象は正味見て取れませんでした。ですので、ひょっとすると…タクシー営業のチャンスかもしれませんよ。
宮島~平和記念公園付近~広島駅
厳島神社の最寄り駅である「宮島口」から、西広島を経由して平和記念公園付近到着すると、ここでもインバウンド需要の多さに驚きを隠せませんでした。
【関連記事】タクシーの表示どれくらい知ってる?スーパーサインについて解説(空車/割増など…)
紙屋町東電停付近(平和記念公園の最寄は『原爆ドーム前』)ではから多くの方が路面電車、或いはタクシーを利用しており、印象的であったのは国籍を問わず欧米・アフリカ・中東・オセアニア・アジア各地の方が非常に多かったことです。
さらに近隣のタクシーのスーパーサインをみると一部は『貸切』と点灯している車両も走行していることから観光タクシーも走っているようですよ。
タクシーの様子
広島市内のタクシー事情は今どのような感じなのでしょうか?
昔と今では利便性の向上が図られた分、その代償も大きいという印象を正味今回は受けた印象です。
実は昔から広島では筆者もタクシーはよく乗っていましたので、今と昔を回顧しつつ追ってみます。
強い「配車アプリ」は…
当初の印象で、広島市内で強いアプリと言えば『DiDi』という印象でした。
もちろんそれは間違ってはいないのかもしれません。
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しかし飛ぶ鳥落とす勢いなのが、やはり『GO』のようです。
GOの場合、万一もし混雑する時間帯に配車が難しい状況になれば「ライドシェア」という選択肢もありますし、一部広島市内のタクシー事業者ではアプリ専用配車タクシーの「GO Reserve」のサービスを実施している会社もあり、以前に比べると捕まりやすくなっています。
ナビを頼っとったらいけん
そんな配車アプリGOにも、少々落とし穴があります…。
決して悪く言うつもりでは毛頭ないのですが、時折ナビの調子がおかしくなることがあるみたいなのです。
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筆者が広島で乗ったタクシーでは『GO』で配車したのですが、タクシー運転手の運転席付近にも同様にGO専用のタブレット端末があり、カーナビ機能が付いています(筆者もタクシー営業でよく利用します)。
但し、他のカーナビでもあるあるですが、再開発などで道路が新しくなった場合などでアップデートが追い付いていないせいか、右左折方向に明らかに道路がないのに右折の指示を出したり、中央線に生垣があり直進で右折が不可なのに右折の指示を出されたりと、散々な指示を出されることがあります。
今回もそのような減少がしばしばおこり、2号線を走っていたのに高速に入ろうとしててんやわんやでした…。
ナビに頼っとったらいけんですね。
JPN TAXIもそこそこ普及
地方のタクシーですと、あるあるなのが「小型タクシー」…日産のクルーなど都内ではもうお目にかかることはもう無いと思わる車種ですが、地方都市ですと未だに走行しています。
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広島でも例外ではないのですが、この度感じたのがコンパクトカー系のタクシーが多い印象でした。
さらに、シエンタ、そして意外であったのが「JPN TAXI」もそこそこ普及していたのです。
市内は幹線道路ばかりではなく細い道も多いですので、コンパクトカー系やJPN TAXIはセダン車両に比べて大いに活躍するのではないでしょうか。
地元のタクシー運転手の声
地元タクシー運転手の声を乗車時に聞いてみました。
市内HタクシーのYさん
『近頃は海外からのお客さんがえっと乗られますけぇ、少しばかり私もイングリッシュを覚えにゃいけん思っちょるんです。』
市内D交通のAさん
『混む時間帯が夕方17時以降集中してから、もうひっきりなしじゃけぇ。お客さんが乗られて「なんぼ配車センターに電話しとるのに繋がらんわ!」言われますよ。』
市内TタクシーのIさん
『最近はGO?これはよう来るね』
地元の方の声
筆者は焼肉屋さんで帰りタクシーを呼んでもらったんですが(完全なる余談)…その時の一幕をお伝えします。(やっぱり広島といえばコウネですよね!)
焼肉屋の女将
『昔は呼びゃすぐ来たけぇ今頃は全然呼んでも来やせん。外走っちょってもすぐ捕まえられたんじゃけぇ…なんでこがーに捕まらんくなったんかいの~』
やはり夕刻時間帯の広島市内は特に混雑しており、電話でタクシーを呼んでも「まず捕まらない」とのことです。(2024年11月時点)
確かに広島市内は、他県に比べて『流しが成立する街』という印象でした。
そんな広島でさえ「タクシーが捕まりにくい」という現象が都内同様に起きていることを身をもって体感しました。
広島でタクシーやるなら
広島市でタクシー運転手になりたい!
地元の方だけでなく、市外・県外の方で純粋に働いてみたいという方から、UIターン転職まで、瀬戸内のゆったりとした時間の流れの中にも様々な歴史と文化、そして自然と街とのコントラストが絶妙な水の都「広島市」でライフワークバランスを固めるのはいかがでしょうか?
もしそうと決まれば、是非とも抑えておきたいミソをまとめてみました。
有名なお店は覚えておく
広島市内には多くの飲食店が軒を連ねています。
有名スポーツ選手が引退して経営しているお店や、実際店長として勤務しているお店、さらには著名人の実家が営む店舗など多岐にわたります。
もちろん薬研堀・流川といった歓楽街も例外ではないでしょう。
そういった情報はぜひ仕入れておきましょう。観光客から「おススメのお店はありますか?」と聞かれた際、っガイドブックや食べ●グに掲載している人気店に行ってみるのも良いとは思いますが、そこは広島ですので、是非現地で働く人間しか知りえない超絶美味しいグルメを教えてあげてください。
きっとお客様にとってもかけがえのない思い出となりますよ。
超有名な店もいいのかもしれませんが、せっかくなら「私がおススメでよく行くお店ありますよ」とタクシー運転手さん自ら紹介しても良いかもしれません。
スポーツには詳しいと◎
とかく広島といえば、プロスポーツの盛んな地域です。
プロバスケットボールの『広島ドラゴンフライズ』、サッカーJリーグの『サンフレッチェ広島』…とくにサンフレッチェ広島は今年、新スタジアムが市内中心にオープンして従来に比べ利便性が向上しました。
そして広島市民の生活に根付いていると言っても過言ではないプロ野球チーム『広島東洋カープ』。
(これ以上は筆者も脱線しそうなのでこの辺にしておきます笑。)
これらはタクシー運転手としては色々会話の途中で入ることもありますし、地方都市ならではの名物といえばそれまでなのですが…注意事項として「でしゃばらないこと」です。
歴史に詳しいなら尚◎
どこの都市にも今では当たり前のように存在しますが、広島市内にも『観光タクシー』というものが存在します。
しかしそうでなくても、各名所的な場所を通り過ぎたら「ここが●●です」と言えるような知識を少しでも良いので持っていると良いでしょう。
もちろん、原則お客様から聞かれたらで構いません。
どんなことがあったかをお客様から聞かれた時にしっかりと答えられてこそ、プロのドライバーなのです。
地元の高齢者に必ず確認すること
日本は人口減少はさることながら、少子高齢化の一途を辿っています。
広島市内も例外ではありません。
そのため、タクシーを利用されるお客様の割合として、①観光客(国内外含む)・②日常利用・③出張族・④医療関係・⑤ビジネス利用・⑥冠婚葬祭・⑦その他…など多岐に渡ります。
この③には地元の高齢者の方々がお買い物や病院送迎、お墓参りなど様々な目的地へ向けてのタクシーが利用されることが多いのですが、高齢者の中には道順を確認するのを忘れないようにしましょう。
場合によっては「いつも帰っているルートがある」「この道は通りたくない」という要望がありますので、乗車時に伺ってみると丁寧であると思います。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
日本列島は47都道府県それぞれの街に沢山の魅力がありますので、転職道.com内で掲載されているタクシー事業者の特集等を含めた地域シリーズは今後どんどん掲載して行こうと思います。
今回たまたま筆者が広島で、しかも実際に行ってみたという生の声を伝えたくこのようにレポートしました。
タクシー運転手として営業するには非常に面白い地域であると思いますし、イベント関連や新幹線の発着、ホテルのチェックイン・アウトなど常に入れておくとより良い営業収入の向上が見込めるのではないでしょうか。
広島市は昔から流し営業が成立しやすい街で、商品開発テストなども積極的に実施されてきた『日本の縮図』的な要素を備えた街であり、そして言わずもがな世界的にも有名な街です。
是非とも広島でタクシー運転手として転職した暁には自信と誇りを持ってお仕事をしていただきたいと思います。