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タクシー深堀り!『休憩』『明け番』『休暇』とは?しっかり取って効率よく仕事をしよう♪
タクシーというお仕事は、どうしても長時間の運転を強いられます。
ですので『休憩などもっての外』!…という訳には絶対に参りません。
安全運転が要な仕事ですので、長時間運転をして、しっかりと頑張った分だけ稼ぐことが出来るには、「休憩」という時間の取り方、『明け』の正しい理解、そして「休暇」の取り方は大切になってきます。
タクシーの『休憩』定義
タクシー運転手は、運転=乗務をする営業時間と同じくらい「休憩の取得」は大事なものなのです。
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なぜでしょう?それは至ってシンプル…「安全運転を遵守する仕事」だからに他なりません。
そしてその取得に関する時間やタイミングは勤務形態によって変わってきます。
隔日勤務の場合
タクシー運転手の勤務形態で最もポピュラーな形態として知られる通し乗務で、出庫点呼から帰庫点呼までの拘束時間がトータルで『19時間から最大※21時間(※残業含む)拘束』を要すいわゆる「隔日勤務」です。
この場合、与えられる休憩時間は「3時間」で、原則好きな時間に好きな場所で休憩を取ることが可能です。
但し、即座に営業区域内で復帰できることと、常識の範囲内であること、そして交通規則に則った形での休憩が大原則となっております。
昼日勤の場合
昼日勤は、タクシーの勤務形態では比較的実施しているケースは少ないですが、それでもライフスタイルに合わせて働くことを目的とする方向けに人気の勤務形態となっております。
昼日勤は出庫点呼から帰庫点呼までの拘束時間が『13時間~最大16時間以内』がトータルで基本となっております。(トータル拘束時間9時間の場合もあり)
この場合、与えられる休憩時間は「1時間」が目安で、原則好きな時間に好きな場所で休憩を取ることが可能です。
但し、こちらも隔日勤務同様、即座に営業区域内で復帰できることと、常識の範囲内であること、そして交通規則に則った形での休憩が大原則となっております。
夜日勤の場合
夜日勤は、タクシーの勤務形態の中では『ゴールデンタイム』と言われる割増時間帯で営業が出来る、稼げる勤務形態となっています。
また時間的に夕方出庫のため当直の方(運行管理者)とのやり取りがスムーズなベテランタクシードライバーが割り当てられる事が非常に多い勤務形態です。
夜日勤も昼日勤同様に出庫点呼から帰庫点呼までの拘束時間が『13時間~最大16時間以内』がトータルで基本となっております。(トータル拘束時間9時間の場合もあり)
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この場合、与えられる休憩時間は「1時間」が目安で、原則好きな時間に好きな場所で休憩を取ることが可能です。
但し、こちらも隔日勤務、昼日勤同様同様、即座に営業区域内で復帰できることと、常識の範囲内であること、そして交通規則に則った形での休憩が大原則となっております。
どうしても「ちょっと休みたい」時は…
隔日勤務を例にお話しします。
3時間休んでも、都度の運転には様々なケースがあり、疲れもたまることだって珍しいことではありません。
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タクシー事業者の方針によっては「ガンガン攻めろ」的なスタイルの会社もあれば、「乗務員には絶対に無理はさせない」という風潮の会社も多く存在します。
どちらかと言えば今のご時世は後者がほとんどだと思って頂いても良いでしょう。
無理せずこまめな休憩も大切
では、3時間休んでも「もうちょっと…休みたい」「こんな時は休ませてくれないの?」という時はどうすればよいでしょうか。
そんな時は、もう「無理せずにこまめな休憩」を取ってください。
故意でないのであれば、少し休んでリフレッシュしてから営業に戻られた方が安全に運転できるため、はるかにマシです。
起こりえる「こまめな休憩」のケース
では3時間以上休憩となってしまう可能性がある、こまめな休憩のケースです。
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これからご紹介する内容は、たとえ乗務日報内に休憩時間と記載されてもお咎めが来ることはまずないはずですのでご安心ください。
トイレ休憩
まずは何といっても『トイレ休憩』でしょう。
これは避けて通れません。まさかオネショする訳にはいきませんので…運転中に行きたくなったら臆せずにトイレスポットを探してこまめに用を足しに行ってください。
ちなみにGOアプリのタクシー運転手用タブレットには、トイレスポットを表示されますので安心ですよ。
くれぐれも、トイレに行くと決めたら即座に「回送」にしてください。これは偽装回送ではありませんので安心です。
さらに言うと、トイレで車を離れる時は必ず、鍵を閉めてくださいね。
長距離運転後の休憩
これも大切です。タクシーにご乗車されるお客様の中には、我々が普段の営業では想像もつかないロングの行先を目的地とするケースもあります。
そんなところにノンストップで行ってみてください。普段のドライブでさえ疲労がたまり、カーナビから無機質な音声で「そろそろ運転されて2時間です、休憩しませんか?」と小生意気にアドバイスされることだってあるのですから、長距離を運転しての疲労はご自身が感じる以上にたまっていると思った方が良いでしょう。
釣銭の両替
釣銭の両替もタクシー営業の日常でよくあることです。これは避けて通れませんよね。
逐一営業所に戻れればよいですが、なかなかそのようなこともできませんので、近隣のコンビニを発見してはお茶やらガムやらを購入するついでにお金を崩す…なんてことはよくあります。
そのような際も致し方ないことですので、問題なく実施されて構いません。
NGな休憩利用
休憩は大切です。しかしながら「やってはいけない」「NG」な休憩もあります。
休憩中だからと言ってなんでもして良い訳ではありません。
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そもそも、休憩中に万一の事があり乗務を再開することが不可能となった場合、その事案があらぬ理由とあっては示しもつかないでしょう。
規定以上に休憩時間を取る
隔日勤務では3時間の休憩を取ることが義務付けられており、上述でもお伝えしたように「トイレ休憩」や「長距離運転後のこまめな休憩」、さらに「釣銭の両替」などはよいのです。
しかし「仮眠を8時間もしてしまった」や、「家に帰ってプレステをしていてた」「ギャンブルに夢中になっていた」など聞くに堪えない理由で休憩時間を過剰に取得してした場合はNGです。
(8時間はそもそも仮眠ではないです…)
営業目的以外で当該区域に出て休憩
タクシー運転手は他業種に比べて、自由度が高い仕事でもあります。
それゆえに、今まで行けなかった憧れの場所へ行けるという選択肢も生まれるかもしれません。
休憩中に行ってみよう!とつい欲が出がちになりますが、それはNGです。
例えば当該地域(営業区域内で、営業意思がある地域)でお昼に行きたい店へ行くのであれば全く問題はないのですが、ロングでたまたま行ったわけでもないのに都内のタクシー運転手が休憩を理由に「秩父のわらじカツを食べに行く」「日帰り温泉へ行きたいので山梨へ行く」、「房総半島に釣りをしに行く」「サーフィンしに伊豆へ」というのは言語道断です。
その他
あくまで休憩中は「業務時間内」であることを忘れてはいけません。
近隣への買い物程度ならまだ許されるかもしれませんが、たとえば「休憩時間に習い事を入れる」「休憩時間中に副業を入れる」というのはNGです。
休憩という時間はあくまで、体を休める時間です。常識ある行動をしましょう。
タクシーの『明け番』定義
隔日勤務のみに存在する。タクシーの「明け番」。
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別名「明け」とも言い、タクシー運転を隔日勤務でこなした後にカウントされるのですが、世間一般では「明け番=何しても良い休み」と思われがちですので、今一度明け番というものおさらいしましょう。
正式には「勤務時間に含まれる」
明け番は、隔日勤務のみに存在するため、昼夜の日勤業務にはありません。
隔日勤務=休憩時間込みで19時間~21時間乗務した後に、タクシー運転手は22時間以上の休憩(明け番)が義務付けられています。
これは2024年4月の法改正からこのような形となりました。
休むことも、立派な仕事
明け番は、このように「隔日勤務=2日間の勤務」と考えれば実質勤務していることにもなりますが、内容は義務としての休息です。
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そのため様々な休暇の取り方があり、無理をしない程度であれば何をしても特段問題はありません。
タクシー運転手の皆さんはこの時間を「趣味の時間」に思いっきり使って楽しんだり、「家族との時間をゆったり過ごす」という方や「タクシー事業者内の部活動にいそしむ」など様々な利用方法があります。
但し、必ず仮眠はとりましょう。
※なお、別途公休日は存在します。
タクシーの『休暇』定義
タクシー運転手の休暇は明け番や公休日だけではありません。
それとは別で『休暇』も存在します。
特に問い合わせの多い内容をまとめています。
有給休暇について
タクシー運転手には有給休暇がないのでは?…と不安になられる転職希望者の方から相談が絶えません。
しかし正規雇用でタクシー運転手として入社した場合は「有給休暇」は存在しますのでご安心ください。
入社日から6ヶ月が経過した日には有給休暇は付与され、以降は1年経過ごとに継続勤務年数に応じた※有給休暇日数が付与される形となります。
また、当然ながら有給休暇を取得した日の給与は控除されませんのでこちらも併せてご安心ください。
(※定時制・パート・アルバイト・短時間勤務の場合でも『継続勤務年数によっては対象』になります。)
ただしタクシー運転手の給料は原則「歩合制」で左右されますので、有給取得時の給与計算が売上の平均等で計算することが多いようです。
特別休暇について
特別休暇の定義はタクシー事業者によって基準が違うため、ここで決定づけることは差し控えますが、多くの事例としては以下が挙げられます。
・忌引き(身内/親族により日数は異なることも)
・結婚
・出産(配偶者)
・産休(本人または配偶者)
・育休(本人または配偶者)
・その他(バースデー休暇・結婚記念日)
欠勤の場合
欠勤の場合は労働日に勤務ができないことを言いますので、当然ながら給与から欠勤分を控除されます。
タクシー運転手の場合は、完全歩合制とは言いますが、厳密に言えば最低賃金ありきで計算はされていますので、その欠勤日はポカンと収入が無い形となるのが考え方としては正しいでしょう。
タクシー事業者は比較的柔軟に対応できる会社が多いといえば多いででしょう。
しかし運行管理者のタクシー車両を配車する手続きなどもある手前、正当な理由がない限りは欠勤は控えましょう。
万一出れなくなった場合はシフト制を敷いているタクシー事業者がほとんどですので、シフトチェンジすることが望ましいです。
その他
あなたがもし、風邪や熱、季節性インフルエンザ、さらには新型コロナウイルスに罹った場合はどうなるのでしょうか。
実は『季節性インフルエンザ』や『新型コロナウイルス』は感染症法では第5類の扱いとなっているため、労働安全衛生法など法令上で明確に就業を禁止する規定がないのが現状です。早い話が、法的な効力を発しません。
但し常識のある多くの会社は、間違いなくあなたの出勤を止めます。
理由はもちろん、蔓延を防止するためです。そうです「まんぼう」です。懐かしいですね…。
タクシー事業者へ事情を説明し 、指示を仰ぎましょう。
場合によっては独自の就業規則があるかもしれません。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
タクシー運転手への転職を考える際、不安材料として挙げられるのがこの「休憩」「明け番」「休暇」でもあります。
休憩の取り方はタクシー運転手も様々あるようで、実際に現場へ出ると「こうした方が良い」「ああしてみてはどうか」と何通りも答えが広がっています。但しひとつ確かなのは『絶対に無理をしないこと』です。
ご自身の体調を必ず考慮し、早めの休憩、場合によっては早退も考えましょう。
あ、もうひとつ!だからといってサボるのはNGですからね!