タクシー営業のノウハウは、入社したタクシー会社で担当者の方が研修時に教えてくれることが常です。
しかし実際に現場に出れば、それでは推し量れないレベルの現実とタクシー運転手は戦わなければなりません。
そんな時に味方になってくれるのが会社の先輩方ですが、すべての方が手の内を教示してくれるとは限らないのも現実です。
そんな孤独な営業に、万一なってしまった場合でも強い味方のツールが大手から誕生しました。
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【タクシーニュース】ナビタイムがタクシー運転手とタクシーユーザー向けに新機能アップデート!
カーナビ事業で御馴染みのナビタイムジャパンは2024年11月20日、カーナビアプリ『カーナビタイム』内になんとこの度「タクシーモード」を新設し、タクシードライバー向けに新機能を提供すると発表しました。
一般自動車ユーザー向けとは違い、完全にタクシー運転手・ドライバー寄りのプロフェッショナルなアプリサービスです。
7つの新機能
今回新たに追加された機能は、以下の7つになります。
①抜け道を含むプロドライバー向けルートの強化、②タクシー乗車禁止地区の地図表示、③タクシー乗り場の地図表示、④通り・坂・橋・トンネル名の地図表示、⑤駅の終電時刻アイコン表示、⑥営業エリアに合ったタクシー運賃目安表示、⑦タクシー運賃到達圏表示
【タクシーニュース】東京タクシー銀座の要『KK線(東京高速道路)』が来春廃止に。
どれを見てもタクシー運転手の営業には欠かせない情報ツールが勢揃いです。
プロドライバー向けルートの強化が注目
今回特に注目すべき新機能は『抜け道ルートの強化』でしょう。
ナビタイムによるとこれらのリリースには過去のデータを解析し、走行実績のある抜け道を積極的に通るルート検索を実現したとのことです。
また、タクシー運転手であればある意味鬼門とも言える『タクシー乗車禁止地区』の表示し、タクシーの法令順守をサポートしています。
さらにタクシーモードでは『終電時刻の表示希望』があり、売上向上の足掛かり材料としても期待されます。
各機能の詳細紹介
ここで各機能の詳細を紹介しましょう。
これを見れば年の瀬に向けてタクシー営業を強化できること請け合いです。
※但し、くれぐれも安全運転を遵守しましょう。
抜け道を含むプロドライバー向けルートの強化
上述でも紹介しました抜け道ルートです。
実はこの機能、現場のタクシー運転手ユーザーからも多くご要望をいただいた機能であったとのことで、今回ナビタイムの『タクシーモード』ではタクシーやハイヤーなどのプロドライバーの走行データを中心にデータを解析したとのことです。
その結果、従来よりも抜け道データが拡充されたことによって以前までの抜け道を考慮したルートに比べても、より渋滞の少ない市町村道などを走行する比率が高くなりました。特に一般道でのルートを複数提案することで、タクシーを利用するお客様のニーズにあ沿ったルートを選択できるようにしています。
ルート検索結果では、通常モード内の「超渋滞回避」「ECOルート」「景観ルート」の代用として、一般道・高速利用それぞれのルートを複数提案するとのことです。
タクシー乗車禁止地区の地図表示
タクシー営業の際、避けて通れないルールが「乗車禁止地区」の存在です。
これは『タクシー業務適正化特別措置法』に基づき、東京、大阪などの主要ターミナル駅前を筆頭に特別区の『銀座乗車禁止地区』や赤坂。六本木などの繁華街で、主にタクシー利用が集中する時間帯に設定されている乗車禁止地区や六本木や甲州街道の新宿駅などの客待ち禁止地区、空車タクシー通行禁止を地図上に表示し、タクシードライバーの法令順守と安全運転をサポートします。
~カケルのぶらり旅~タクシーで働く前に!あなたは知ってる?「乗車禁止地区」って【詳しく解説】
さらに乗車禁止地区内に設定されている『タクシー/優良タクシー/無線タクシー/ハイヤー乗り場』も地図上に表示しています。
タクシー乗り場の地図表示
『タクシーモード』では、全国約3,000箇所のタクシー乗り場を、アプリ地図上のスポットアイコンで表示できるようになります。
例えばタクシー乗り場にありがちな『一般タクシー乗り場』『優良タクシー乗り場』『無線タクシー乗り場』『ハイヤー乗り場』の4種類に及ぶ各種乗り場をアイコンで表示してタクシー・ハイヤー乗り場の番号も確認できます。
また『優良だけを表示』というように、種別ごとに表示設定も可能となっているのも特徴です。
通り・坂・橋・トンネル名の地図表示
「外苑西通り」「青梅街道」「靖国通り」などの通り名や、「紅葉坂」、「勝鬨橋」、「山手トンネル」など各種名称も地図上に表示します。
タクシーではお客様が乗車された際、通りや坂・橋などの名称で目的地を伝えたり、指定してた場所を走行してほしいケースがありますよね。
このような事態に対応すべくユーザーから多くのご要望を頂いたこともあり、お客様に指定された道等を容易に確認できるよう、新たに情報を整備しています。
駅の終電時間アイコン表示
こちらも上述で少し触れましたが『タクシーモード』では、全国の駅の終電時間をアイコンで地図上に表示します。
複数の路線や上下線の中で、終電時刻の表示を実現しました。
アイコンをタップすると、その駅のすべての路線の終電時刻一覧も確認可能とのことです。
営業エリアに合ったタクシー運賃目安表示
『タクシーモード』内の「タクシー運賃設定」画面では、タクシー運転手が各営業エリアの運賃形態を設定することが可能です。
ルート検索結果画面に目的地までの目安運賃を計算・表示します。
初乗りや加算だけでなく、『深夜割増』や『長距離割引』などの条件まで設定が可能なため、より実際の運賃に近づく計算をはじき出すことが可能になりました。
タクシー運賃到達圏表示
タクシー運賃到達圏表示は、タクシー運転手から『タ客様から目的地までの目安料金を聞かれることがある』、という意見の下、開発しました。
『タクシーモード』では地図上で、現在地や任意の地点から一般道を利用して、概ねのタクシー運賃(「タクシー運賃設定」にて設定した初乗り・加算・深夜割割増を考慮)を算出し、どこまで行けるのかを表示します。
尚、本件は高速道路と長距離割引は考慮していません。
ユーザー要望に応じ業務支援を目指す
『カーナビタイム』内の『タクシーモード』をリリースするナビタイムジャパンでは、今後もユーザーの要望に応じた機能拡充を続け、安心・安全な運転と効率的な業務支援を目指していくとのことです。
『カーナビタイム』では以前からタクシー運転手向け機能を開発及び提供しております。
現場のタクシー運転手から、『業務に即した様々なご意見やご要望』を常日頃から多く頂くこともあり、この度タクシー運転手専用の便利な機能や地図情報を提供可能な「タクシーモード」を新設しました。
地図メニュー右上のモード変更で「タクシー」に設定すると、タクシー専用の各種機能を利用できます。
これから~Opinion~
これら『カーナビタイム』内の『タクシーモード』は大変便利な機能であることは間違いありません。
正味タクシー運転手としては、ある程度経験を積めばこれらは頭の中で蓄積されるようなデータであることは確かです。
例えば歌を覚える際、いつまでも歌詞を見たままで歌いますと…歌詞カードに頼ってなかなか曲を覚えないのと同じです。
タクシー運転手も『ナビ頼み』というのは利便性向上の産物ですが、諸刃の剣であり、いつまでも覚えない可能性もあります。
やはり何かあった際の応用力は現場のタクシー運転手ならではこその技量がモノを言います。あくまで手助けツール程度で活用するのがベターかもしれません。もちろん圧倒的に便利だとは感じますよ。