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絶対に覚えておこう。タクシー事故処理②もし事故がおきてしまったら
運転をする以上、事故は付きもの…しかし、起こさないのが一番良いのはどんな時代でも変わらない真実なのです。
タクシー事業者に所属して、大なり小なり事故を起こしてしまった場合、多くはタクシー事業者の渉外担当が事故のケアを行いますので、安心とは言えど事故を起こしてしまった事実は消えません。
場合によっては免許証や運転経歴に残る場合もあり、今後のタクシー営業になにかしらの影響が出る可能性も否定できません。
【絶対に覚えておこう】タクシー事故処理①事故が起きそうなパターン
そうならないために、あるいはそうなってもしっかりと対応できるように…今回は万が一事故を起こしてしまったらのシリーズをお送りします。
事故が発生…その時には
もしタクシーを運転中、公道で交通事故を起こしてしまった時あなたはどうしたら良いでしょうか?
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自家用車で事故の経験があれば過去を踏まえて対処する術は朧げながらにも想像がつくかもしれませんが、ここではタクシーの場合に触れていきます。
怪我をされた方の安否確認
まず、事故に遭われた方の安否を確認しましょう。
怪我の程度、意識の確認、出血の有無など、例え被害者側の方が『大丈夫です』と言われても必ず状況を確認してください。
警察へ連絡する
ここでまずタクシー運転手は2つの事を行わなければなりません。
まず一つ目ですが警察へ連絡を取り事故の報告を速やかに行います。
事故現場の場所、状況、けが人、事故発生時間など状況を110番越しに伝えて出動要請しましょう。
事故現場の住所は大体の場合その場は混乱して取り乱してしまうことも珍しくないので、例えば交差点名などを伝え、近くにある建物(コンビニや郵便局がある)などをできるだけ明確に落ち着いて伝えましょう。
所属のタクシー事業者へ連絡する
次に所属のタクシー事業者へ連絡を取り事故の報告を速やかに行います。
連絡が取れましたら直ちに事故の状況を説明し指示を仰ぎましょう。
事故現場の場所、状況、けが人、事故発生時間、車の状況などが主です。
その場合は帰庫時に滞りなく報告しましょう。
現場検証に立ち会う
交通事故はいかなる事故でも例外なく現場検証が行われます。
現場検証は被害者、加害者双方が立ち会いのもとで実施されます。
当然と言えば当然ですが、必ず立ち会いましょう。
タクシー運転手が必ず行う事
タクシー運転手が万一事故を起こしてしまった際、どうしたらよろしいのでしょうか。
落ち着かない状況の中、それでも落ち着いて最善の行動をとらなくてはなりません。
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なぜなら我々タクシー運転手は、プロドライバーだからです。
相手方の連絡先を伺う
警察の現場検証が実施されている後の話ですが、相手方の連絡先を聞く事は必須です。
その後の状況や会社としての謝罪も含め連絡をする際に必ず必要になります。
警察署の担当者、管轄を聞く
警察の現場検証は原則近隣の警察署が実施しますので、担当者と管轄の氏名及び連絡先を必ず聞きましょう。
帰庫後にも必要となりますので個人的もタクシー運転手は控えておき、伝達できるようにしておきましょう。
事故の状況を明確に伝える
現場検証と被りますが、事故発生時の状況を明確に担当者へお伝えしましょう。
付近は一時通行止めで検証が始まるので、少々ものものしい雰囲気にはなってしまいますが、今後の事故を防止するためにも大切な時間となります。
お客様が乗車していた場合
タクシーを運転していて事故を起こしてしまった場合、何も空車や配車の時ばかりとは限りません。
お客様が乗車している実車の時もあるのです。
お客様の状態を確認する。
上述でもお伝えしましたが、まず最優先すべきなのはお客様の状態です。
意識、怪我の有無、痛みなどを確認しましょう。
タクシー運転手自体も怪我をしてしまっている場合もありますので、厳しい時は積極的に周囲に助けを求めましょう。
早急に新しいタクシーを手配する。
また、お客様が乗車中とのことなので、目的地まで急いでいる事もしばしば。
そんな状況で事故が起きてしまうのは本当にタクシー運転手にとっても辛いのは分かります。
しかしお客様とてそれは同じ、いやもっと辛いのです。
この場合、近くを走る空車のタクシー車両を止め事情を説明したのちお客様に乗車していただくか、もしくは所属のタクシー会社に連絡して一台手配して頂く手続きをとり早急に代車を用意してもらいましょう。
お客様には無事を確認次第安全な場所へ退避させて次のタクシーに乗っていただくようにしましょう。
※事故になってしまったタクシーでの実車料金はまず頂かないケースが多いと聞きます。
お客様の具合が思わしくない場合は救急車を手配する
上述のお客様対応の中で、万一お客様の具合が思わしくない場合には、必ず救急車を手配しましょう。
交通事故は、後になって症状がぶり返すことも珍しくありません。
また、もし先を急ぐ場合で別のタクシー車両に乗った場合でも、その後の万一の事を考え連絡先は控えておきましょう。
お客様が貴重な証言者になることも
また、事故の際に免責等の兼ね合いで記録や証拠が必要となるケースがありますが、被害者と加害者双方の言い分が食い違うことは珍しくありません。
タクシー車両には防犯カメラやドラレコが車載されており、近年では防犯面にも大いに役立っていますが、お客様が乗車している場合は貴重な証言者となってくださる事もあります。
事情を説明し連絡先を伺い、後日何かあれば証言するお約束をしていただくことをおすめします。
事故後のタクシー営業は可能?
ここでひとつ疑問点があります。
もし発生した事故の状況によっては「この先もタクシー営業に支障がなさそう」というケースです。
そのまま、タクシー運転手は、被害・加害関係なく事故の処理後に営業を実施しても大丈夫なのでしょうか?
タクシー車両の状態を見て判断
タクシー事故発生後の営業可否については、タクシー事業者各社の判断もありますので、一概に「こうです」という回答はできかねますが、タクシー運転手に怪我がなく、同時にタクシー車両に致命的な損傷がない場合はそのまま営業を続行しても問題はないでしょう。
あくまでも過去事例を基にお話しをしていますので、タクシー事業者によっては事故後は「車両代替」或いは「営業不可」になる可能性もあります。
詳しくは所属するタクシー事業者へ事前に問い合わせることをお勧めします。
事故発生時間帯によってはタクシー事業者が当直担当しか在籍しておらず対応ができかねるケースもあるためです。
精神的に難しいようなら以降はストップ
上述のように、タクシー事故発生後の営業については、時間の許す限り「営業所の許可」があればタクシー運転手に怪我がなく、同時にタクシー車両に致命的な損傷がないことを確認したのち継続することが多いのですが…。
事故発生後に心を整えて営業に復帰するのはなかなか鋼のメンタリティーがなければ成せない業だと思います。
正味、きついはずです。
ですので、無理に営業に復帰せず、その時はいつもより長めの休憩をとりましょう。
場合によっては事が事ですので早退して次の出番まで心身ともに休めることも一手であると考えます。
本件に関してはお客様をお乗せして運転するお仕事ですので無理は禁物ですよ。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
実際に事故に遭ってみなわからないことはありますが、当然無事故無違反は素晴らしいことですし、それを目標に掲げているタクシー運転手の姿勢は尊敬に値します。
稼ぐことよりももっと大切なことだからです。タクシー運転手は身体が資本ですし、免許証が資本です。
という事は即ち安全が資本です。
そもそも稼ぐためには全てが合わさらないと実現できません。
事故はタクシーに限らず、クルマを運転する以上誰しもが発生のリスクを背負っています。
我々タクシー運転手もそのリスクを頭に入れて日々公道を走行しているのです。
今日も、明日も、これからもずっと安全運転でタクシー営業をお願いいたします。