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タクシー運転手の豆知識⑭面白い!使われなくなったタクシー用語

タクシー運転手の豆知識⑭面白い!使われなくなったタクシー用語
カケル
カケル
この記事を書いた人:『転職道.com』の転職相談スタッフ・『タクシーハローワーク(TSJ)』では職業紹介管理者として勤務♪東京特別区地理試験・法令試験取得者/二種免許保持。タクシー求人コンサルタント歴7年目。数々のタクシー企業担当者との取材や求職者との会話で最新の情報を記事化しています。さらに自らも地理試験・法令試験・二種免許を保持し都内タクシードライバーとして勤務もしているまさに『二刀流』です。史上最速の平日&週末の両日連続で営収10万円を4度達成!

タクシー運転手の豆知識⑭面白い!使われなくなったタクシー用語

『アゴ・アシ・マクラ』『ケツカッチン』『シースー』『ツェーマン』『ギロッポン』など…芸能界でも業界用語がありますよね。

無論芸能界に限らず多くの業界で独自の業界用語があり語源を聞くと『あ〜!なるほど』と納得してしまうものばかりなんですよねこれが。

タクシーには業界用語がある

実はタクシー業界にも業界用語があるのです。
しかもこれが、かなり存在するのです笑。

過去に知っておくと面白い業界用語『営業編』でもご紹介しましたが、こんなものではないのです!

タクシー運転手の豆知識⑧知っておくと面白い『業界用語』…営業編

しかしながら、時代背景とともにタクシーも営業方法やデジタル化が進行し、今ではほとんど使われなくなってしまった、もはや死語に近い業界用語も存在するのです。

そんな陽の目を当たらなくなった業界用語たちを紹介したいと思います。

※もしかしますと未だ現場で使用している場合もあります。故意はございませんので悪しからず気楽にご覧になることをお勧めします。

あしきり

足切り…簡単に言うと『ノルマ』を指します。

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タクシー会社の給料体型は『基本給+歩合給』という計算式がほとんどですが、あくまでも最低売上としての値段として提示している場合がほとんどで、達成しないからお叱りやはっぱをかけられるという事ではありません。

※足切り(ノルマ)自体もかなり低い設定ですので心配はないと思いますよ。

但し売上が低ければ低いほど歩率は下がるのはどこのタクシー会社も同じです。

カケル
カケル
そもそもの語源が大学などの入学試験などで一定の水準に達しないものを切り捨てることという意味や『足を切る』という言葉もあまり良い響きではなく、昨今ではあまり言われなくなってきて傾向があります。

あんこ(たこつぼ)

なんだか美味しそうな響きですが、現実は甘くないのです。

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あんことは駅待ちや空港などのプールレーン等で前後に挟まれて出られない事を言います。
このような経験をされた方は結構いらっしゃるのではないでしょうか?

しかし「たこつぼ」とはよく言ったものですね笑。

かごぬけ

駕篭抜け…いわゆる無賃乗車です。

今はもうそのまま無賃乗車と言う事が多いです。タクシー営業をしていて『すぐ戻るのでお金をとってきます』『忘れ物取りに行ってきます』というケースはあると思います。

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大体は皆様ちゃんと戻って真摯にお支払いします(当たり前です)が、まれに常習犯で無賃乗車で逃げる悪党もいますので注意しましょう。
予防策としてはまず接客をしっかりする事です!

かみかぜ

神風タクシー…もう名前からして危ないですよね。

神風タクシーは戦後の高度経済成長期、都心部はモータリゼーションの波もあり渋滞が各地で発生していた際に速度超過から始まり強引な車の追い越し、信号無視、急旋回を繰り返して営業していたタクシーを言います。

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東京のタクシーは1964年の東京オリンピック以降に発令したタクシー特措法が出来るまで、正味やりたい放題な所がありました。
当然事故も急増し、神風タクシーは社会問題化しました。

なぜこうなったかと言いますと…当時のタクシー運転手の労働条件が影響しています。
固定給が非常に少なく、過激なノルマ制であり、さらに固定給も非常に少なく半ばフルコミッションに近い営業であったため、◯◯◯◯◯のごとく荒々しい運転となったのです…。
意見が寄せられた。

カケル
カケル
神風タクシーそのものは『タクシー運転手の日雇い乗務及びノルマ制の禁止』と『一日当たりの走行距離を350kmに制限』といった措置が取られたことにより1958年を境に減少しました。

きんせん

写真は東京タクシーセンター。

タクシー近代化センター(近セン)…現在の東京タクシーセンターの前身で1970年に『タクシー業務適正化臨時措置法』が制定されたのを機に東京と大阪に創設されました。

都内タクシードライバー業務の適正化事業『東京タクシーセンター』へ潜入取材!

現在も昔も変わらず、業務内容はタクシー運転手の各種研修、資格試験(現在の東京タクシーセンター及び大阪タクシーセンターでは法令試験のみ)、乗務員証の発行、地図の作成、タクシー乗り場や休憩所の管理などを行っており、さらにクレーム受付も当時から対応しておりまた。

カケル
カケル
当時から怖い存在であり、タクシー会社でなく近センにクレームが行くと当時は『近セン問題』と言われていたそうです。

けとばし

蹴飛ばし…乗車拒否のことを言います。
『仕事を蹴とばす』が語源だそうです…。

タクシー営業のドル箱?それとも鬼門?羽田空港を攻略せよ。

乗車拒否は空車表示である以上、運転手が気づかない状態やタイミングでも成立する可能性が高いので特に注意したいところです。

それにしてもこちらも今では殆ど聞かない業界用語です…。

くもすけ

雲助…現在では運賃決済の際クレジットカードの不正利用や、言いがかりをつける悪質な客のことを指すケースもありますが、元々はタクシー運転手に対しての蔑視語であり、もはや死語と言ってもいいでしょう。

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大昔に関西のタクシー運転手の強盗殺人事件で、裁判官がすべてのタクシー運転手を雲助呼ばわりし大問題となった挙句、罷免となる事態にまで発展しているほどです。

くろぬり

黒塗り…黒塗りのタクシーを指します。以前はベテラン運転手や有資格者及び勤務態度良好なタクシー運転手が優先して乗務出来るタクシーでした。

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しかしここ最近では次世代型タクシー車両の『JPN TAXI』の登場によって黒塗り(もしくは濃いネイビー)の車体が主流になった事と、黒塗りタクシーの代表的な存在だったセダンタイプ車両の淘汰によって昨今ではこの意味は無さなくなってきています。

みずあげ

水揚げ…語源は漁獲高からきています。単純にタクシー営業の売上高のことを指しますが、今は現場でもあまり水揚げという人は少なくなりました。

タクシー営業で稼げる人、稼げない人…ズバリどんな人?

ちなみに1ヵ月の最低水揚げの事を「下駄」と言い、達成しなかった場合を「下駄割れ」と言うそうです(あまり聞いた事はないですが面白いのでつかってみようかなと思います笑)。

カケル
カケル
普通に『売上どんなだった〜?』みたいな会話で成立していますよ!

るいしん

累進歩合…現在ほとんどのタクシー事業者で累進歩合は事故の要因となりうることから禁止されています。

「歩率の高いタクシー会社」のメリットと確認すること

通常タクシー会社では売上が上がるごとに歩合率は上がりますが、必ず歩率には天井があります。『最高歩率◯◯パーセント』といったようにある一定の売上からは歩率は固定されていくのですが…累進歩合は結論、青天井なのです。

つまりタクシー運転手にとってみれば鼻血モノで刺激が強く、中には休みを取らずに夢中になって運転してしまう人も出てくるため、健康を害し事故につながることから禁止となっているという経緯があるのです。

まとめ

いかがでしたでしょうか?

現役タクシー運転手をもってしても、最前線の現場ですらあまり聞かない言葉や、以前は使っていたけども既に時代の流れとともに死語に近い業界用語など様々あります。

お世辞にも奥深いものでは決してありませんが、話のタネにはなると思いますし非常に面白い語源もあるため、タクシーの営業中や仲間内でも思わず使ってしまうこともあるかもしれませんよね。いつの時代も業界用語と言うものは便利なものだなぁとつくづく実感する次第です。

今回ご紹介しました業界用語はもはや使用される事は無いケースが多いので、確かに少々マニアックな内容ではありました。
しかし歴史をこうして紐解いてみると、時代背景も勉強できてよかったのではないかと思う反面、日本のタクシー史は中々波瀾万丈なのだなとも思いました…。

次回は現在も使われている業界用語でお送りしたいと思います。お楽しみに!

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